2019年5月7日火曜日

何処まで可能性があるんだ!レコードプレーヤーのチューニングは!宇宙か!


さて、私は今絶賛ウチのサウンドシステムをセットアップしている最中でございます。
スピーカー、アンプ、ミキサー、レコードプレーヤー、フォノイコライザー、CDプレーヤー、オーディオインターフェイス、コンピューター、他。これらをセットアップするのに使うケーブルの量、およそ7㎏。あ、重量関係ないね。

仕事では様々なオーディオシステムに触れておりますが、ウチに帰ったらまあ簡易的なもんです。とはいえセッティングってのは重要で、今ある機材環境をベストにするためのセッティングがしたい訳です。

そこで今回はレコードを如何に心地よく聴くかということに重点を置いたお話しをしたいと思います。言うまでもありませんが、レコードを聴くためにはレコードプレーヤーが必要です。そのレコードプレーヤー、仕様によっては様々なチューニングが出来ますよね。

そうそう、思い返せば初めてのこだわりは針(カートリッジ)の交換でした。カートリッジってものによって音質の傾向が違うし、ジャンルに向き・不向きも結構表れるものです。またMMMoving Magnet、テクニカで言うところのVM)、MCMoving Coil)と、カートリッジの種類の違いで、MM・MC共に通常、別途フォノイコライザーなんかが必要になってきます。

そうしたパーツや機器ひとつひとつの要素が音質にかかわってきてしまうということを大前提にしなくては、話を始められません。音響にちょっと興味を持っている人でもいるんですよね、機器の違いによる音質の変化は判るっていうのに、ケーブルやオーディオアクセサリーなんかの違いは判らない、プラシーボだ、まじないだ、などと嘯く人々のなんと多いことか…。

でもチコちゃんは知っています。
「ケーブルで音質が変わるのは! 導体の種類や容量や絶縁体で、導電率や電気振動に変化を及ぼすから~!」
おやおや、チコちゃんはまだ5歳なのにそんなことまで知ってるんだね、さすがチコちゃん、お利口さんだねぇ…。

…こんにちは。オヤイデ電気です。

巷ではレコード人気が再燃してますね。でも高っかいですよね、レコード。この間買った新譜のレコードは2枚組で5,000円を超えました。何たる贅沢! 90年代は一時、輸入新譜12インチが700円台で売られてたっけ。それが今となっては景気も良くねえし、税金も高けえし、やってらんねえぜって感じですが、惚れた弱みとでも言いましょうか、欲しいものは高くても買ってしまうっていうね、これは業ですな。

ちがうちがう、何故レコード好きはわざわざレコードに針を落として音楽を聴くのか。が、重要な問題。だって面倒臭いじゃないですか。シングルだったら一曲でレコードを交換しなきゃならない。LPだって数曲で裏っ返す訳じゃないですか。面倒臭いですよね。ところが我々アナログ・ラヴァーはそこの神経がイカレています。きっと個人差があるので多分ですけど、その手間を差し引いてもレコードで音楽を聴く恍惚は、何ものにも代えられない価値があるのです!。

であれば、恍惚を得るためには極力好みの音で聴きたいですよね。より気持ちよく音楽を楽しみたいじゃないですか。じゃあどうする?って話なのですが、現状の音響機器が揃っている状態で、さあここからどうやってもっと好みの音に近付けるか、どうすればもっと好みの音に近づけるのか、ってこと(で、いいですよね?)をこれからコッテリ話しをしましょう。

さて、レコードプレーヤー。私が使っているTechnics SL-1200GRは交換や装備できるパーツが色々あります。ヘッドシェル、シェルリード、カートリッジスペーサー、カートリッジ取付ねじ、カートリッジ、針、Phonoケーブル、アース(GND)ケーブル、電源ケーブル、レコードスタビライザー、ターンテーブルマット他、頑張ればトーンアームだって内部配線だって変えられます。

それだけチューニング・ポイントがあるのがレコードプレーヤーの特長ともいえる訳です。でしかも、一か所替えるごとに音質は変化します(逆に怖い)。但し、分かりやすい変化、分かりにくい変化、改善、改悪もあるということは忘れてはいけません。重要なのは自分が何処に辿り着きたいのか。

ということで私が何処に向かいたいかというと、そもそもSL-1200GRは軽快なプレイヤーです。DD(ダイレクト・ドライブ)で回転精度も高いので、とても安定感があります。またトーンアームの性能なのか、トレース性能も高く正確に溝を刻む印象で、雑味が少ない気がします。総じてレコードの録音を正確に再生している感が現代的(HiFiな感じ)なプレーヤー。ここをスタート地点とすると、じゃあどこに向かおうかということで、先ずはもっとレコードの情報を正確に聴き取りたいと思います。

そのためには何をどうしたらいいの?

オヤイデさん的には、先ずはお手軽にってことでヘッドシェル&シェルリード。ここ、音質変化ポイントとして分かりやすいです(オーディオテクニカのVMカートリッジを使用)。レコードの音をシビアに聴きたいというコンセプトなので、オヤイデ独自開発のカーボン(CFRP)ヘッドシェルHS-CF+5N純銀撚線を使用したHSR-AGのセットを選択。


何故カーボンヘッドシェルに銀線のシェルリードの組み合わせなのか? って疑問に思いますよね。この組み合わせには実に合理的な理由があります。カーボンヘッドシェルHS-CFは、17層のCFRPを高精度に一体アングル成形させ(←ココ大事)、振動モーメントを変えることなくスムーズな減衰を実現しているってところがポイント。兎に角振動に対するレスポンスが早いのです。

そのメリットは、出音が正確、というと語弊があるかもしれませんが、要するにレコードの溝は大なり小なり歪んでいます。レベルが大きければ大きく歪み、小さければ小さく歪む。簡単に言えば針は常にブルブル震えている訳です。カーボンヘッドシェルはその振動モーメントに対して追随し、カーボンの特長である素早い減衰をすることで、レコードの再生音に変な付帯音がつくことなく、音声が再生されます。

さらに純銀撚り線のHSR-AG。一部のイメージとして、銀線は耳につくとか、中高域の特長をフォーカスされがちですが、純銀の本来持つ能力は実はそんなものではありません。本来はワイドレンジで奥行きを感じられ、非常に解像度の高いものなのです。問題は仕上げです。オヤイデ製品で使われている純銀線を使用したプロダクトは、純銀素線自体に高精度な表面処理を施すことによって、本来純銀の持つ導電性能を十二分に引き出すことによって、豊潤でふくよか且つ繊細な出音を実現しています。

それらの組み合わせによる出音は、レコードに録音された音声を余すことなく引き出します。それにより、「ここからこんな音が出ていたのか」「音声のひとつひとつはこういう配置だったのか」など、新たな発見をし得る可能性を秘めているのです。

しかし!これはあくまでも一例です。「いやいや、もっと気持ちよく聴きたいんだ」とか、「ロックはドンシャリでしょう!」とか、「ダンスミュージックは音のまとまり重視」とか、色々要望はある筈。

そんなヘッドシェルとシェルリード、これだけでも大きな変化を感じて頂けるのにまだ何か変える必要があるの?

そうですね、もっと変化することを期待して次はレコードを安定させてみましょう。オヤイデにはSTB-MSXという重量およそ440g(質量可変式)のレコードスタビライザーがあるのですが、こちらをレコードに乗せます。そうしますとレコードっていうのは大なり小なり反りがあったりするのですが、それがスタビライザーの質量分安定し、上下振動を抑えられる可能性があります。


当然、針は安定して溝をトレースする訳ですから、自ずと音声も安定します。ターンテーブルシートも然り。ターンテーブルシートオヤイデBR-12なんかは構造自体すり鉢状になっていて反発力の高いゴムを使用しているもんだからその時点でレコードは安定するのですが、スタビライザーと併用するとその実力はフルテンとなります。


さあ、まだまだここ替えりゃこうなるってことは沢山あります。でももう日が暮れてきたので、続きは次回の講釈で。(P)西遊記


1 件のコメント:

  1. >MCは通常、別途フォノイコライザーなんかが必要になってきます。

    フォノイコライザーはRIAAカーブを戻すもの。
    MCでもMMでも必要です。

    MCに必要なのは出力がMMに比べ小さい(大きいものもある)ので、フォノアンプや昇圧トランスが必要になります。

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