2020年1月11日土曜日

『偽物Beldenが存在してる説』に終止符を打ちます。


『Beldenに偽物があるって本当?』
『オヤイデで売ってるベルデンは本物?』

この疑問を100%解決するべく、遂にオヤイデ電気が言及します!

偽物の情報源は?

1902年、イリノイ州シカゴでジョセフC.ベルデンによって設立され、100年以上の歴史を持つ世界を代表するケーブルメーカー”BELDEN(ベルデン)"。

一体、何故『Beldenの偽物がある』なんて話が挙がってきたのでしょうか?

下記画像の通り、「Belden 偽物」でインターネット検索を叩くと16,500件ヒットし(2020/1月現在)、某ネットショップが広めた噂だということは、一部のオーディオユーザーの間でも知られているようです。

さらに個人サイトでは『ツイストの巻方向が違う』『無いはずの印字がある』『ケーブルの色味が違う』と類似したスピーカーケーブルの写真を掲載し、しかも「オリジナルは音が良かった」という感想を述べており、実際見た目が違うケーブルを確認できてしまったので、何も知らないユーザー間では『本当に偽物があるのでは?』と疑心暗鬼になっているように思えます。

真相は?

正規輸入代理店より仕入れている商品であれば全てBELDEN社の製品であり、本物です。

主な日本の正規輸入代理店は2社。

●トモカ電気
トモカ電気 製品カタログサイト
http://www.tomoca.co.jp/


●完実電気
完実電気 公式ホームページ
https://kanjitsu.com/

また正規輸入代理店情報はウィキペディア上でも確認ができます。

もちろんオヤイデ電気は「正規輸入代理店」より仕入れを行っておりますので、弊社販売品は全て「本物」になります。

何故、外観が違う?

正規輸入代理店から仕入れたとしても、同じ型番で違う外観が納品されることは何度もあります。見た目が変わる背景には2つの理由があります。
  1. 製造工場やロットによる外観の変化
  2. 正規輸入代理店独自の商品(ケーブル)が存在する。

●製造ロットの差による外観の変化

明らかに色味が異なりますが、どちらも本物です。
こちらはスピーカーケーブルで有名な「8470」ですが、色が違いますねぇ。
実は上下で「製造工場が違う」のです。下記画像はBeldenのボビンに貼られているラベルシールで、原産国やLOT NUMBERが確認できます。

≪MADE IN MEXICO≫

≪MADE IN CHINA≫
代理店からは「Beldenは世界中に多くの工場を所有しており、代理店としては納品されたケーブルを卸しているだけなので、ロットや工場を選択することはできない」という公式回答を得られております。お客様にはこのような事情をご理解頂けますと幸いです。

技術的な話になりますが、工場出荷基準が「データシートのスペックをクリアしていること」が条件であれば、外観の変化が起きても仕方ないと言えます。
更にはデータシート上では「電気特性」と「マテリアルのサイズ指定」しかない為、実際に音質の差を生んでいる「絶縁材料のクオリティや染料の違い」「銅母体・メッキの品質の違い」について記載はなく、これが音質への影響(いわゆる本物と偽物という識別・認識)を生んでいると言えます。

逆に言えばデータシートと異なる仕様を見つけた場合、偽物または不良品であると言えるでしょう。

【 BELDENのデーターシートを確認する。 】

※私はデータシート(仕様書)が大好きなのですが、この気持ち分かる人いますか?笑
全てのケーブルの仕様書を確認し、ケーブルの構成から本質や目的を知ることができるので、本来の目的からケーブル特性を生かした流用方法まで思いを巡らせて妄想します。また仕様書のクオリティで企業の技術レベルを推測できる時もあります。これぞオタクですね。


●正規輸入代理店独自の商品(ケーブル)が存在する。


完実電気」のHPを見ると、Beldenのデータシートには存在しない型番のみ取り扱っており、これが「代理店独自の商品(ケーブル)」となります。

オヤイデ電気も在庫品している「STUDIO 718EX」は完実電気オリジナルのケーブル。

STUDIO718EXのラベル
ラベルシールを見て分かる通り「CUST PT#STUDIO 718EX」という表記があり、Beldenのカスタム品であることが分かります。ちなみに今回の在庫はMADE IN MEXICO。

他にも「STUDIO497Mk2」は9497に相当するスピーカーケーブルになるのですが、やはり仕上がりや音質は若干違います。もし「9497」をカスタム品と同じ工場で作ったら同じ音質(近い音質)になるのでしょうか?気になるところです。

何故、偽物と呼んだ?

何故”偽物”という概念が生まれたのかという点において、私の推測ですがこの「工場による品質の差」が要因であると予想しています。

過去数年間に渡って8470の「MEXICO製」「CHINA製」「U.S.A製」を都度試聴してきましたが、どれも音が違っていたからです。
※この情報を公開すると原産国の問い合わせが増え、余計な情報を与えてしまうことになりかねないのですが、これを機にお客様には正確な情報をお伝えし、偽物問題に対して認識を改めてもらった方が有益だと考え、ブログ掲載に至りました。

実際「U.S.A製8470」の音は良い音が鳴ってました。錫メッキ導体のスピーカーケーブルの中でも特段癖の無い素直な音で、\280/mであればリール買いしても良いと思わせるクオリティでした。
※ちなみに違いがあった点は被覆の硬さ、被覆の色味、導体との密着性、ツイストの具合etc...

しかし『直輸入しないと良い品質のケーブルが手に入らない』という根拠も不十分で、直輸入すれば必ず毎回同じ工場で製造したケーブルが届くのか?音質・品質が維持されるのか?という確証までには至らないと考えます。
※ケーブル屋だから分かることですが、ベルデンに限った話ではなく、同じ工場で長年製造していたとしても、ロット差だけで品質や外観が変わるケースは多々あり、過信は禁物です。

本国アメリカでは・・・

どんなに探しても偽物があるという話は一切出てきません
むしろ日本の情報を見つけた海外のユーザーが「これは何だ?!」と情報を求めている記事もチラホラ。日本語が読めないと事実確認も苦労しそうです。

検索地域の設定を「アメリカ合衆国」に設定すると、アメリカ圏の情報を調べることができます。

海外のユーザーにとっては本当に紛らわしい問題ですよね。
フォーラムの記事はこちら

結論

オヤイデ電気で販売しているBELDENは全て本物。
偽物の定義も存在しない為、入手経路から事実確認をすべし。
ただし製造工場やロットによって音が違う物もあった。


余談になりますが・・・
BELDENの高品質ツイストペアケーブル「88760」という2芯シールドケーブルがあるのですが、これはUSA製以外見たことが無いです。つまり型番に応じて製造する工場が決まっている可能性が高そうです。8470のような売れ筋製品ほど複数の製造ラインを持っており、実際このようなシチュエーションが起きる型番はごく一部であると考えられそうですね。

【 在庫しているBELDEN製品はこちらからチェック! 】


このように消費者が分からない要素が存在するのは精神衛生上不安ですよね。
そういった時は全て日本製に拘っている&品質が安定している「オヤイデ電気製品」を検討してくださいね!と自社製品をお勧めしてこのブログを締めくくりたいと思います。笑

【 ケーブル全て日本製に拘るオヤイデ電気製品はこちらからチェック! 】


以上、原田でした。

4 件のコメント:

  1. よく調べていらっしゃいますね。確かにベルデンは工場をあちこちに持っています。そしてアジアでは中国の蘇州と、インドのPuneに工場があります。基本的にはアジアの需要はアジアの工場で賄うという方針になっており、よっぽどのことがないと北米のケーブルは入ってきません。

    アジアにも同じ製品があるのに、北米ケーブルが入ってくるのは、ベルデン内部でオーダー型番が別にあって指定できる場合、並行輸入品の場合、ケーブルをリールで大量に保有してる場合などがありますね。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。仰るようにアジアの需要はアジアの工場で賄うのが基本なのでしょうね。最近はMade in Chinaが増えてきました。
      それでもオヤイデ電気では北米製・メキシコ製も頻繁に入荷していますので、実際は代理店&工場の在庫状況・タイミングにもよるのでしょう。面白いですよね。

      削除
    2. このようなことは他の業界他の商品の場合でも普段にあることですね。国内生産・国内消費体制だった大昔と違い、地球上の隅々と交流する現代では当然のことです。それを、どこか違うとか神経質に言うのは細かいところにもこだわる、よく言えば優秀、悪く言えば世間知らずの日本人というわけです(^_^)゛

      削除
    3. コメントありがとうございます。確かに神経質であると言えるのかもしれません。何かを神格化させることで付加価値つけるのは、宗教染みたものを感じてしまうのであまり賛成できませんね汗
      多少なりとも品質差が出てくる中で、このちょっとした違いに楽しみを見出せる点が”オーディオの面白さ”だと思うので、フラットな目線で楽しみたいところです^^

      削除