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2016年12月12日月曜日

400℃に耐えうる耐熱ケーブル NSBL



このところ寒い日が続いていますね。
東京でも10℃以下になる日が珍しくなくなってきました。

そんな寒い時期だからこそ(?)ホットな新商品の話題でも。



この度オンラインショップに新たな商品が追加されました。

NSBL(メーカー:福電)

定格電圧 200V以下
 最高使用温度はなんと400



「純ニッケル線の上にシリグラス編組を施した連続使用温度
 400℃の超耐熱電線です。通常は特殊耐熱ワニスを塗布して
 おりますが、ワニス未処理品(受注製作対応)では連続使用
 温度500℃で御使用頂く事が可能です。但し、端末のほつれ
 には十分配慮下さい。このシリグラス繊維はアスベストに変
 わる材料で有害物質を使用しておらず、人体にも無害です。」
(メーカーHPより)

取り扱いサイズは0.75sq38sqまで。
 納期はご注文から2~3日ほどです。

耐熱400℃は取扱商品の中では最高温度ですね。(2016.12現在)



これ、見た目はRSGEとそっくりですが、何がそんなに違うのかと言うと、
RSGE      導体: すずメッキ銅線
      1層目: シリコーンゴム 
      2層目 ガラス編組+シリコーンワニス
NBSL      導体: ニッケル線 
      1層目: シリグラス(シリカ糸)横巻 
      2層目: シリグラス編組
と、内部構造は大きく異なります。
NSBL(上)とRSGE(下) ともに5.5sq。見た目はそっくり。 

被覆の比較。RSGE(左)は内側シリコーン層なのに対して、NSBL(右)は2層とも繊維。

外観はそっくりですが、内側の層がシリコーンでできているRSGEの方が被覆を剝きやすく、
2層とも繊維で覆われているNSBLは剥きにくくほつれやすいです。
画像の抜け殻を指で潰してみると、RSGEの方が柔らかく、ちょっとの力でペタンコになるのに対し、
NSBLの方はコシがあり、少し力を入れないと潰れませんでした。

RSGE(上)はすずメッキ銅線、NSBL(下)は純ニッケル線。

触り比べた印象では、RSGEの方が反発力がある(元の形状に戻ろうとする)のに対して、
NSBLは曲げた形に維持される傾向がありました。



融点を比較すると明らかですが、ニッケルは銅よりも熱に強い素材です。

銀      [融点 961.8℃]
銅      [融点 1085℃]
ニッケル [融点 1455℃]


ちなみに「シリガラスとはなんぞや?」と思って調べたところ、
複数の繊維業者様のHP上で以下のような表記を確認できました。
(文言はそれぞれ多少異なります。)


「シリグラスはSiO2(二酸化ケイ素=シリカ)が96%からなる超高温耐熱性のガラス繊維です。
1000℃以上の高温下で長時間連続して使用することができます。
熱耐久性、化学的安定性、電気絶縁性に優れています。」


つまり答えはシリカで編み込まれた繊維でした。
以前のブログでシリコンとシリコーンの違いについて書きましたが、
シリカはこれらともまた異なる素材です。



「シリカ(Silica)」・・・二酸化ケイ素、および二酸化ケイ素によって構成される物質の総称
            ※二酸化ケイ素はケイ素の酸化物です
 

「シリコン(Silicon)」・・・ケイ素(元素、半金属)
「シリコーン(Silicone)」・・・ケイ素を元に作り出された高分子化合物(ゴムっぽいのとかはこれ)


シリカはアイシャドーやファンデーションなどの化粧品にも使われていたり、
人体中ではカルシウム以上に骨密度に関わる物質という話もあるそうで、
美容や健康方面でも注目されている物質のようです。

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と言う訳で通常の絶縁電線各種と比べ、熱に強いNSBLですが、
仕様の際は以下の注意点に気をつけてください。 
 
・通電中は自己発熱により電線が非常に高温になります。電線に接触又は近接する造営物は
 高温に影響しない材質のものを使用して下さい。又、人が触れるおそれのない場所に配線して下さい。

・電線に使用されていシリグラス繊維は過度な屈曲には非常に弱い材質です。
 電線布設後の屈曲や激しい振動のある場所(装置)での使用は避けて下さい。(固定配線用)

・この電線は吸湿性があり湿気・水気のある場所での使用はスパーク(漏電)する恐れがあるため 配線しないで下さい。

・アルカリ雰囲気下での使用は避けて下さい。

オンラインショップの注文画面では10m単位での購入数選択となっておりますが、ご希望があれば

「11」「12m」「15m」「39m」など
1m単位の長さ指定 
「10m×5本」「20m×2本」など
希望の長さであらかじめ切断した状態の納品も可能です。

また姉妹商品の
NSBL 6×4-I (最高使用温度400℃ 定格電圧 600V以下) 
NSBL 6×5(最高使用温度500℃ 定格電圧 600V以下)
もご案内できます!



主に高温機器や高温炉の口出線など超高温雰囲気下で使用されるものですが、
そういった専門的な環境はもちろんのこと、
「実験で耐熱400℃を試したいけど10mくらいしか使わないんです。」
なんてお問い合わせもウェルカムです。(安全面は自己責任でお願い致します。)

熱さに耐えるケーブルをお求めなら是非お問い合わせください!


↓お問い合わせはこちらまで↓
直売店舗 TEL:03-3253-9351 FAX03-3253-9353
本社 TEL03-5684-2151 FAX03-5684-2150(24h)
 E-mail:webshop@oyaide.com



齋藤新でした。

2 件のコメント:

  1. 耐熱電線は銅にニッケルメッキをしたものではだめなのでしょうか 温度上昇は低く抑えられますが

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    1. 銅は300℃程度で急激に柔らかくなります。硬度も極端に下がるので割れやすくもなります。さらに銅が高温酸化することでCuOを生成し、変色や特性が変わってきます。
      なので、300℃以上の高温環境においては純ニッケル線を使用することが多いです。

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