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2019年8月13日火曜日

【9Vパワーサプライで18V出力】ボルテージダブラーDCケーブルの作り方

フルアイソレートされたパワーサプライの「9V出力×2個」を「18V出力×1個」に変換する、ボルテージダブラーDCケーブルを作ってみました!

ただの18V出力に変換するだけではありません。
線材によって電源の質が改善されることにより、
エフェクターのクオリティも格段にアップします!

最近18V駆動に対応したエフェクター、増えましたよね。
18Vで駆動ができるとヘッドルームを広く稼ぐことが出来る為、特に歪み系や空間系においては効果が絶大で、最近のエフェクター好きの人たちにとっては「ヘッドルームを広くするか?狭くするか=ボルテージ選択」は当たり前になっているかもしれません。

ヘッドルームとは・・・デジタルおよびアナログオーディオでは、ヘッドルームとは、オーディオシステムの信号処理能力が指定された公称レベルを超える量を指します。ヘッドルームは、例えばクリッピングによってシステムまたはオーディオ信号を損傷することなく、一時的なオーディオピークが公称レベルを超えることを可能にする安全ゾーンと考えることができる。(wikipedia出典)

私の好きなFulltoneFriedmanSuhrLeqtique等も、仕様上18Vで動作することを保証しているエフェクターが多いです。
もし自分の使っているエフェクターが18Vでも動作して、今まで9Vでしか使ったことがないよ!って方は、この機会に18Vの音質を確認してみることをお勧めします!ちなみに私は断然18V派です笑

こちらが現在市販されているVoodoo LabのVoltage Doubler Cable
StrymonでもDoubler Cableが付属されています。

★ダブラーケーブルは「VoodooLab」「Vital Audio」「Strymon」のような完全アイソレートされたパワーサプライでご使用ください。アイソレートされていないパワーサプライで使用した場合、他のエフェクターの破損に繋がります。

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ということで、ボルテージダブラーのメカニズムと作り方をご紹介していきましょう!

●何で9V出力から18V出力が出せるの?
DCケーブルは直流電源を扱っており、パワーサプライは0V電位を基準として+9V電圧を出力しています。
つまり0V電位を9Vまで引き上げてあげることで、+9Vの電位差により+18Vが得られる、というのが電気的なメカニズムです。

回路で解説すると画像の通り、9Vで出力した回路上に+9V電源を追加します。
小学生の理科でも勉強した通り、直流の電圧を求める時は回路上の電圧を足し算すれば良いので、
「9V+9V=18V」が導き出されます。回路にすると非常にシンプルです。

「理科は大の苦手だ!図工は5の俺に、実体配線図で教えてくれ!」って方はこちらをどうぞ。笑
9V出力を隣の9V出力に持っていくことで、電位を+9V引き上げることができます。

しかしこの回路には1点問題を抱えています。

電源ラインにおいて、プラスとマイナスの線を切り離すとグラウンドループ(アースループ)が発生し、赤斜線の部分がアンテナの役割を持ち、外来ノイズを拾いやすくなってしまうのです。
これは照明や雑音の多い大会場になるほどデメリットとなり、プロの音響屋はループノイズを最小限に留める努力を惜しみません。

そこでループ対策を施したケーブルはこのような構造になります!ループ対策にはツイスト線が効きます。
ちょっと遠回りですが、全配線をツイスト線でまとめることで万全な対策となります。
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そうして完成したボルテージダブラーDCケーブルがこちら!

DC-3398LLでも使用している「白黒ツイスト線」を使用しました。
※DCプラグのカバー全体には絶縁処理を行います。
こちらは50cm物1本\6,500(税別)でオーダー可能です。
※納期:約3~4週間

★「ちょっと作るの難しそうだな・・・」という方はこういった作り方もオススメ!
DC-3398LL」を2本をくっつけて、「DC-2.1G」でまとめるという手法です。

短いケーブルは「20cm物」から切り詰めると丁度良いです。10cm物から作ると短すぎて作業大変です。

まずどちらのケーブルが「9V→9V側(短い)」「9V+9V→エフェクター側(長い)」を確認しておきます。
半田で繋ぎ合わせる際には下記の通りの結線になります。
9V→9V側(短い)→マイナス側
9V+9V→エフェクター側(長い)→プラス側

裏技的ですが、このように回路を形成する為に1か所「半田」で繋ぎ合わせる必要があります。(重要)


束ねたら必ず絶縁しておきましょう!(超重要)
絶縁には収縮チューブ(内径4mmぐらい)絶縁テープ(なるべく薄厚のもの)を使います。

こちらも完成!

DC-3398LLに付属しているシールを使って、9Vと18Vを識別すると使いやすいかもしれませんね。
※画像では9Vを青、18Vを赤にしました。
※こちらも金属カバーのみ絶縁処理を行います。
こちらは50cm物1本¥4,360(税別)でオーダー可能です!

 ★DCケーブルにおける使用上の諸注意★ 
エフェクターの電源をONにしたままDCケーブルを差し込まないようにしてください。電源がONになったままDCケーブルを差し込むと、機器の破損や火花が発生して火傷がしてしまう恐れがございます。使用の際には十分ご注意ください。

以上、原田でした~。

PS.多数の有識者にアドバイス頂き、8月14日付でブログの内容を校正頂きました。多くの皆様にはご心配をおかけして申し訳ございませんでした。この場を借りて感謝申し上げます!

4 件のコメント:

  1. 完全アイソレートされたパワーサプライの9V500mA出力×2口を使って消費電流が高いHX Stomp等のエフェクターに1.0Aを供給するダブラーケーブルがありましたが、消費電流が1.2AのBOSS GT1000向けに、三口を使ったトリプラーケーブルってできないものでしょうか?

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    1. 理論上は可能です。発熱量が増える為、使用するパワーサプライの仕様をよくご確認の上ご使用ください。弊社問い合わせ窓口より依頼してただければ特注製作も可能ですのでお気軽にお問合せください。
      https://shop.oyaide.com/contact/

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  2. 9V OUT ×5 のパワーサプライで、チューナー(9V駆動)とプリアンプ(18V駆動)の2台を使用する場合こちらを使えば3口使用することでそれが可能になるでしょうか?
    また、パワーサプライ自体の電源が9VのACアダプタでも18Vの供給は問題ないですか?

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    1. パワーサプライがフルアイソレートされている設計であれば、仰る通りでご利用が可能です。
      パワーサプライ自体の電源が9Vであっても、フルアイソレートされていれば18Vに昇圧することは可能です。

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