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2020年3月23日月曜日

【マイクケーブルに必要な3つの要素とは?】Sommer Cable / Galileo 238 を徹底解剖!【マイクケーブルの新機軸】

今、プロのエンジニアに選ばれているマイクケーブル、『Sommer Cable / Galileo238』切り売り開始!

2心マイクケーブル・逆方向2重スパイラルシールド
Sommer Cable / Galileo 238 \890/m(税別)

BeldenやMogamiとは違い、もちろんオヤイデとも全然違うキャラクターを持った「Galileo 238」。一体どのような特徴を持っているのか、徹底解剖しちゃいます!

Sommer Cableとは?


ドイツのシュトラウベンハルトにあるSOMMER CABLEは、ヨーロッパでトップシェアを誇るケーブル専門メーカーとして知られています。
OFC(無酸素銅)線による圧倒的な伝導率と独自のシールド技術、そして他に類を見ない「ケーブルのしなやかさ」が特長です。他メーカーと比べ、電気特性の驚異的な正確さと誤差の少なさが認知され、現在では115ヶ国以上で採用されています。
SommerCable GmbH(English) » http://info.sommercable.com/

Galileo 238の特徴

プロの現場においてマイクケーブルに求められる要素は3つあります。
  • 音質
  • 柔らかさ
  • 耐久性
これら全てにおいて優れた特性を持ったマイクケーブルは世界広しと言えどもなかなか見つかりません。業界スタンダード・マイクケーブルとも言える「Canare L-4E6S」の場合、柔らかさと耐久性は申し分ないですが、音質については他のケーブルに比べて解像度が劣る感じが否めません。
その点、この「Galileo 238」は3つ全てを兼ね備えた貴重なマイクケーブルと言えるハイスペック仕様なのです。

Galileo 238は基本的な2芯マイクケーブルの構造に加え、音質と柔らかさを保持しながら耐久性を向上させる特別な工夫が織り込まれています。

Galileo 238のケーブル構成


ケーブル屋目線でGalileo 238の特徴を挙げるとすれば「2重PVC絶縁層」「逆方向2重スパイラルシールド」「OFC導体」の3点が肝と言えます。

白いPVC被覆。
まず画像の通り「2重PVC絶縁層」が付いていることが特徴です。通常だったら内部導体・介在を押さえるために紙テープポリエステルテープが巻かれているところを、「踏みつけ等の外傷対策」「シールド線との密着性・安定性」を改善する為に2重PVC絶縁層を採用しているのは非常に珍しいです。これにより柔軟性を維持したまま耐久性を向上させており、業界スタンダードである「Canare L-4E6S」並みの使い勝手を持っていると言えるでしょう。
※業界的に探しても、同じような構造を持っているのは「オヤイデ電気 QAC-222」ぐらいだったりします。




外側のシールドは「左巻き」
内側のシールドは「右巻き」
Galileo238は「逆方向2重スパイラルシールド」を採用しています。シールドの付け方によってメリットデメリットがあるのですが、通常の横巻シールド(1回巻くだけ)の場合は下記の様な特徴となります。
  • メリット:外径を細くできる。可撓性を保てる。静電容量を抑える。
  • デメリット:繰り返し曲げを行うことで、ケーブル内部のシールド構成が乱れやすい。曲げたところからノイズ混入の可能性が増える。

ノイズ混入によるデメリットが一番悪影響を及ぼすので、横巻シールドケーブルは稼動部で使うよりも、ケーブルをあまり動かさないレコーディング向けとして採用されることが多いです。

そこでGalileo238は更に横巻シールドを1層追加し、逆方向で巻き付けることにより、編組シールド並みの耐久性と、横巻シールド並みの柔らかさを両立させています。
さらに内側シールド線の編組構成が崩れないよう、内部PVC層とシールド線が密着している為、横巻シールドで起こりがちだった「繰り返しの折り曲げに対してもシールド構成が乱れにくい」=シールド遮蔽率が安定しているという特徴も持っています。

外側の横巻シールドをほどいても、内側の横巻シールドがPVC被覆に密着しており、
横巻シールドの構成が乱れていません。


ちなみに主流なマイクケーブルとシールド構成を比較してみました。
それぞれの特性を理解して、適材適所でお使い頂くことをお勧めします。

4種類のシールド構成を比較。見た目だけでも全然違いますね。

Mogami 2534 / 横巻シールド
シールドの隙間から内部導体が見えてきました。編組密度が落ちてくると極端に耐ノイズ性能が下がるので、長年横巻シールドケーブルを使用している方が「あれ、こんなにノイズが多かったっけ。」と気付いた時にはケーブルの劣化が要因だったこともしばしば。

Canare L-4E6S / 編組シールド
さすがカナレ!といったところで、繰り返し曲げても全く編組密度が乱れませんでした。またシールド線もスズメッキされており、酸化防止面においても耐久性を考慮した構造となっています。

Belden 8412 / 編組シールド
スペックシート上ではシールド編組密度が 「85%」となっており、画像を見ると85%がどの程度のものなのか、はっきりと分かりますね。意外と隙間が多いような気もしますが、編組密度を上げるとケーブルが硬くなってしまうので、耐久性と取り回しを両立させてバランスを取った結果なのでしょう。
ちなみに編組密度が85%でも、編組密度95%以上とシールド性能は大差ありません。


Sommer Cable Galileo 238 / 逆方向2重スパイラルシールド
隙間を埋めるように双方向の横巻シールドが見えています。外径7.0mmのマイクケーブルとは思えない可撓性で、2534の硬さと大差ないと言っても良いでしょう。



さらに重要なポイント!The Spirit XXL同様にGalileo 238はシースが厚くなっており、耐久性の向上にも起因しています。その肉厚は約1.5mm!通常のマイクケーブルは1.0mmが主流ですので、実際に剥いてみるとびっくりします。

(左)Belden 8412 (右)Sommer Galileo 238

音質傾向

●オーディオ用ラインケーブル
低域から高域までバランスが良く、フラットかつ濃密な出音が得られる。

●マイクケーブル
高い分解能と腰の低い低音が得られ、情報密度の濃い収音が得意。

●ギターケーブル
ギター&ベース用シールドケーブルとしても最適で、低域の分厚さとレンジの広さを持ち合わせている。

性能比較表

最後にマイクケーブルの特性について、性能比較表を作成してみました。贔屓目抜きに評価してみましたので、ご参考になれば幸いです。

※画像をクリックで拡大できます。
※画像をクリックで拡大できます。
※Galileo 238は最大約100mの長距離使用が可能。

完成品もあります

裏技的ですがGalileo 238はギター&ベース用ケーブルとしてもとても良い感じです。実際に使ってみるとBelden 8412のグレードアップバージョン」といった印象で、音の厚みを保持しながら解像度とレンジの広さが感じられます。しかもBelden 8412よりも柔軟軽量でありながらも耐久性が高いので、今までBelden 8412を愛用していた方にもお試し頂く価値アリですよ!

というわけでお試し頂くために完成品も用意しちゃいました!オンラインショップと直営店でお買い求めいただけます。
Sommer Cable / The Spirit XXL
S-S 3m \5,700/1本(税別)
S-S 5m \7,500/1本(税別)

Sommer Cable / The Spirit XXL
L-S 3m \5,900/1本(税別)
L-S 5m \7,700/1本(税別)





他にもSommer Cableのハイエンドギターケーブル「The Spirit XXL」も売れてます!

The Spirit XXLのブログも是非覗いていってください!
>>> ブログへGO! <<<

ギターケーブルの完成品も充実!
Sommer Cable / The Spirit XXL
S-S 3m \5,600/1本(税別)
S-S 5m \7,300/1本(税別)
【 商品ページはこちらから 】

Sommer Cable / The Spirit XXL
L-S 3m \5,800/1本(税別)
L-S 5m \7,500/1本(税別)
【 商品ページはこちらから 】




実はSommer Cableの殆どのラインナップは「切り売りでの取寄せ対応が可能」となっています!カタログに載ってて気になっていたアレやコレ、「とりあえず数メートル試してみたいな?」なんて時もご相談ください。

ケーブル屋目線で紐解くと奥深い”Sommer Cable"たち。まだまだ個性的なケーブルが勢揃いしています。皆さんの声によってはどんどんラインナップ拡げていくことも前向きに考えてます。皆さんが使ってみた感想やご意見もどしどしお寄せ下さいませ!


【Sommer Cable / Spirit XXL 紹介ブログはこちら】

【Sommer Cable / The Spirit XS紹介ブログはこちら】

以上、原田でした。

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