『電源を制するものは、ボードを制する』
巷で話題のパワーサプライ”K.E.S KIP-AC208MS"をお借りしまして、オヤイデのケーブル類で「どれだけポテンシャルを発揮できるか?」に挑戦してみました!
K.E.S KIP-AC208MS DC電圧切り替え付きアウトプット×2箇所 ACアウトレット×2個口 9.8V出力という音質向上効果も兼ね備えた、利便性の高いパワーサプライ |
今回実験するのは2点。
- ケーブルを交換することで、出力電圧に変化はあるか?
- ケーブルを交換することで、音質はどう変わるか?
果たしてケーブルはどのような影響を及ぼすのでしょうか?オヤイデ電気が直々に検証していきます!
”K.E.S KIP-AC208MS”の紹介
最大の特徴は「AC(100V)アウトレット」が2個ついている点です。大型アダプターも使えますし、オヤイデの電源ケーブルもアースピンを外せば使えます。
付属品DCケーブルは「UL2464」の計装用ケーブルでした。外径が4.0mmだったので、導体はAWG24(約0.22sq)ですね。
比較対象として「オヤイデ/DC-3398LL」と、DC-3398LLのK.E.Sオリジナルカラーバージョン「KDC-GrB/NEO」で検証します。
「電圧を切り替えできるDCアウト」が2個口ついています。ボルテージのみならず、供給可能なアンペア量も記載しているのが親切。
オヤイデ的に嬉しいのは「AC電源ケーブルの交換が可能」という点!ここを良質な電源ケーブルに交換すれば音質改善に貢献できそうです。
電源ケーブル使用時の注意点!
P/Cシリーズの電源コネクタを使用する場合、カバーが干渉し、パワーサプライ本体が少し浮いてしまいます。
コネクタが薄型のものであれば勘合します!※画像はAXIS-303GX。
他にも「L/i50 OFC R3.0」や「L/i50 G5」で使用しているSCHURTER製IECコネクタ「4781」でも勘合します。
仕様を見ていただいて分かる通り、このパワーサプライは高品質な電源ケーブルを使える箇所が複数あるので、電源に拘る人であればオススメできるモデルの1つであると言えます。
①出力電圧に変化はあるか?
比較対象として「オヤイデ/DC-3398LL」と、DC-3398LLのK.E.Sオリジナルカラーバージョン「KDC-GrB/NEO」で検証します。
導体サイズはAWG18(約0.75sq)もあるので、UL2464 AWG24に比べて直流抵抗値は約1/3以下となります。
検証開始!
まずは付属品「UL2464」を検証。
DCアウトはスペック通り「9.81V(無負荷時)」を計測。
DC-3398LLは・・・「9.81V(無負荷時)」まあ知ってましたが、20cm程度の抵抗値の差と電圧降下は出力電圧に影響を及ぼすほどではなさそうです。
もちろん色違いの「KDC-GrB/NEO」も同様に「9.81V(無負荷時)」でした。
まずは付属品のDCケーブルでチェック。
もちろん色違いの「KDC-GrB/NEO」も同様に「9.81V(無負荷時)」でした。
【結論】DCケーブルで(よほど粗悪なケーブルでなければ)出力電圧に影響は出ない。
良い風に言い換えると・・・
不意に高い電圧を印加することがないので、DCケーブルを交換しても電圧トラブルなどに繋がるようなことはない。とも言えますね。(めちゃくちゃポジティブ!)
②音質はどう変わるのか?
エフェクターは電源の影響を受けやすいオーバードライブ「Clark Amplification Gainster」でチェック。
・・・あれ?ちょっと音違くない?
DC-3398LLに比べてヌメっとした質感が感じられます。樹脂色に含まれる顔料のせいでしょうか?「ケーブルは色が変わると音も変わる」という説が有名ですが、KDC-GrB/NEOも若干音の差を感じられたのは意外でした!
KIP-AC208MSは電源ケーブルの交換が可能です。
【結論】DCケーブルで音は変わる!
直流抵抗値以外にも誘電率やツイストピッチ、接触面積、振動特性等・・・音質に影響を及ぼす様々な要素があります。「UL2464」に使われるPVCは柔らかくて比較的電気を溜めやすい性質ですが、DC-3398LLなどで使われているXLPEは硬くて電気を溜めにくい性質を持っています。微妙な違いが大きな差をもたらす、ケーブルの不思議なところですね。
ちなみにノイズの差は全く気になりませんでした。パワーサプライ側でしっかりとノイズ対策が施されているのだろうと感心しました。
おまけ①AC電源ケーブルを交換
低域の量感が増し、ヘッドルームが広くなった感覚を覚えました
!中音域の密度感が増し、解像度も向上しているように感じました。
これが全てのDCアウトに影響を及ぼすとなると、むしろコスパ良いと言わざるを得ませんね。
「9.32V(無負荷時)」やや圧弱め?
9V出力を使いたい時は9V固定の3~8ポートを使用した方が音質的に有利そうです。
「9.30V(無負荷時)」こちらも同様に約9.3Vという結果でした。
「12.4V(無負荷時)」でした。
「104.8V」上がってる?!というのは気のせい。壁に来ている電圧は周りの環境次第で簡単にブレるので、これは完全に誤差です。
そんな時は電源コンセントキャップ「MWA-EC」がオススメ!
キャップに電磁波吸収材が貼り付けられており、これを挿しこんだだけでも低域に厚みが出て、音圧感が増しました。音質改善も兼ねているので大変オススメできます。
いかがでしたか?各社パワーサプライのラインナップが急激に増えてきて、どれも高性能になっている気がします。
個人的にはVoodooLab PedalPowerのようにトロイダルコアが搭載されたパワーサプライは正義だと思っていますが、重量はあるし、振動に弱いし、一長一短であるのは否めません。
最近は軽量でもしっかりとした作りのパワーサプライが増え、ローノイズ&高品質なものがたくさんあって良い時代だな~と思いました。
さらにオヤイデ製品の電源アクセサリーを使えば、パワーサプライのスペックをカバーできるだけのポテンシャルを発揮できるかもしれませんよ。なによりケーブルによる音質差を積極的に活用できれば、ボード内の音質をチューニングできるようになるので、まさに「電源を制する者は、ボードを制する」のかもしれません。
以上、原田でした~。
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