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2023年11月7日火曜日

【外径そのまま】モジュラーシンセのパッチケーブルを太くする①【3.5倍】

こんにちは。この画像でどのくらいピンとくる方がいらっしゃるでしょうか。
ということで今日はモジュラーシンセについてです。
すっかり定着したというか、こんなに多くのメーカーを輩出し、
元来シンセ奏者じゃないプレイヤーまで巻き込むジャンルになるとは思ってもみませんでした。
やはりこのルックスから「やってみてぇ~!」となり、出音の凶暴性、
自由度が高い&奥も深いCV(コントールボルテージ)の虜になって
沼に入っていくのが多くの方のパターンではないでしょうか。

沼の住民の皆様見てますか~?

もちろんご存知、弊社は電線屋。本題はモジュールではなく接続するケーブルです。
1例ですがピュアなアナログオシレーターだと音を出すまでに最低でもパッチケーブルが
3~4本いります。
(多機能モジュールだと2~3本で事足りることもありますが)

音質的な面で気にしたいのは2本。↑の写真の白いケーブルです。
音のソースであるオシレーターからVCAに接続しているもの。
VCAから最終Outputに接続しているものです。
せっかく良い音(凶悪な音)が出ているのにケーブルでロスしたらもったいないですよね。
という訳で取り急ぎ、うちにある市販のパッチケーブルを何本か解体してみました。

うーむ。電線屋からすると正直あまり品質が高そうには見えない...
シールドもちょっと曲げるとポロっと折れちゃったり銅も少しくすんでるような...
耐久性に特化して電気は流れりゃいいやって感じがします。
耐久性もそんなに高く無いですよね実際のところ。
断面積も0.13~0.14SQくらいでイヤホン用途のケーブルと同じくらいの太さです。
外形は3~4mmというところ...
出力するのはバランスの良い音じゃない...電気的な発振なんだ!
よし。
太くしよう。

今回はこれで作ってみます。

AP3.5G-2P3398-SY(0.5SQ)

導体面積約3.5倍(解体した市販品比)!

若干ハンダ付けする面積は狭めですが、モノラルなので接点は2か所。
難易度はそんなに高くないです。さくっとやっちゃいましょう。
※作り方の基本はギターケーブルやラインケーブルと同じなので詳しい説明は省略します。
手順が詳しく載っている過去ブログはこちら↓
ケーブル自作の工具関連 ギターケーブル自作  RCA自作

1.被覆を約9mm剥く
2.芯線も約2mm剥き、シールドは撚って約半分に切り予備ハンダする
3.ハウジングと収縮チューブを通す
4.プラグ側も予備ハンダしてケーブルとプラグをハンダ付け
5.必須ではないですが今回は収縮チューブを被せて収縮(フッ素テープを巻くでも良いと思います)
※今回スミチューブFz5φでやってみたのですがハウジングを戻すのがややきつかったです
6.ハウジングを元に戻して完成。

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実際に音のソースになるいくつかのモジュールからVCA、
VCAから最終のアウトプットに接続しました。
アナログオシレーターのノコギリ波やウェーブテーブル、物理モデリング系を鳴らすと
レンジが広く、特に高域成分(ギザギザした感じの音や金属っぽい音)がくっきりはっきりします。
※キンキンうるさい訳ではなく

若干ですが音量も大きくなりました。電気がロスなく流れている感ありありです。
また、エフェクト系のモジュール(今回使用したのはエコー・リバーブ)、これの
センド/リターンに使うとエフェクト成分の乗り(エコーのフラッター効果やスプリングリバーブの残響の仕方)が鮮明になりました。
モジュールにもよるかもしれませんが、LPGやVCAから最終アウトに行くケーブルの方が
影響が強い?ような印象があったのでもう少し検証してみます。
いずれにせよ音質的にはだいぶ良い感じに変化しました!

ここまでご覧いただいている沼住民の皆様は、もしかすると市販のモールド品に比べ、
抜き差しや曲げによる耐久性を心配なさるかもしれません。
ただ、たいていの場合、特にライブセットを組んでいるのであれば、
オシレーターからVCAまでと、VCAから最終アウトまではそこまで抜き差し多くないでしょうし、
取り回しについても市販品より少し張りがありますが、外径3mmなので違和感はなかったです。
プラグに至ってはモールドに比べ3割くらい細くなって縦横に複数挿す場合もすっきりです。
もしモジュールの入れ替えは当分ない
(MNG当分しないという固い決意がある方)という場合には
長さきっちりで作れば綺麗に配線もできちゃいます!

耐久性の面は敢えてラフに扱ってみて今後経過を見て問題あれば報告しますね。


切り売りケーブル1mから何本作るかにもよりますが、
今回の部材で仮に30cm ×2本、20cm ×2本を作るとして合計3,500円弱で作れます。
ここぞというオシレーターなりサンプラーなりエフェクター
なりに自作の高品質パッチ、
かなり有効です!
まだまだパッチケーブルに使えそうなケーブルがありますので②に続きます。

ご高覧いただきありがとうございました。
Yでした。

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