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2024年2月9日金曜日

【DIY講座】シールド付きLANケーブルの作り方【CAT6A編】

LANケーブルのシールド処理、困ったことはありませんか?

RJ45のシールド処理が劇的に簡単になる、裏技的DIY Tipsご紹介します!

シールド付きRJ45はハウジングが金属に覆われています。

使用部材


PANDUIT SPS6X88-C
https://shop.oyaide.com/products-sps6x88c.html

日本製線 NSGDT6-10G-S 0.5mm×4P
https://shop.oyaide.com/products/nsgdt6-10g-s.html

タカチ ALT8-2S
https://shop.oyaide.com/products-takachi-alt8.html

シールド付きCAT6A-RJ45コネクタのPANDUIT SPS6X88-C、実は普通に作ろうとしても、このコネクタに対応したLANケーブルが販売されておりません。※その理由とブログ製作するに至った経緯は最後にご紹介します。

というわけで、独自に編み出した「シールド付きCAT6Aの成端方法」を伝授したいと思います!

製作方法

※ケーブルカット長など、基本的な製作方法はPANDUITのマニュアルに則って製作します。

●必要工具
・ハサミ
・RJ45用圧着工具(オススメ:PANDUIT MPT5-8AS
・シース剥き用刃物(オススメ:日本製線 NSWST-M 皮むきジャケッパM
→カッターやハサミで代用可

※最後にRJ45テスターもあると安心です。業務用でなければAmazonで売ってる300円くらいの物でも十分です。

カバーを通します。
シースを38mm剥き出します。
導電性アルミ箔テープTAKACHI ALT8を約30mmカットし、ドレンワイヤーの上から巻き付けます。
LANケーブル側のアルミラップは剥いてください。
このようにドレンワイヤーと導電性アルミテープが密着していることが重要です。
ちなみに日本製線NSGDT6-10G-Sの外径はSPS6X88-Cに適合していません。しかしアルミテープを巻くことでRJ45の中に入るケーブル外径が細くなり、取り付けが可能となります。
(重要)露出しているドレインワイヤーを切断します。導電性アルミテープとドレンワイヤーが接触しているので、RJ45内の金属部分とアルミテープが接触することによりシールド効果が得られます。
押さえ巻きテープを切り取ります。
ペア線を外側に曲げ、十字介在を露出させます。
十字介在を根元で切除します。
ストレインリリーフカラーを挿入します。
「ディバイダー」を取り付けます。
ディバイダーには向きがあります。マニュアルをよく確認して取り付けましょう。(青と緑の位置によってディバイダーの裏表が変わります)
ペアの撚りをほぐし、結線方法に従いディバイダーを取り付けます。
※画像はT568B結線で製作しています。
ロードバーを挿入しやすくするために、配線先端を斜めにカットします。
ロードバーを挿入します。
挿入時、ロードバーの向きに注意してください。※上下間違えると結線パターンが逆になってしまいます。
ロードバーを根元まで挿入し、線材をロードバーに沿って切断します。
シールド付きハウジングを取り付けます。カラーの向き・ロードバーの向きを間違えないよう注意!
ブーツとカラーをハウジング側に押し込み、組み立てます。
ロードバーがハウジングの先端に到達する必要があるため、奥までしっかりと挿し込んでください。
その際にカラーとハウジングの間に隙間が無いようにしてください。隙間があると圧着が失敗します。
NSTOOLBを使うと楽ちんです。
カラーが奥まで入っていることを確認し、RJ45用圧着工具でカシメます。

完成!



メーカーマニュアル通りで製作した場合、ハウジングのシールド部分とドレンワイヤーを接触させることで導通を得ています。カラーにドレンワイヤーを通す溝がある理由は、その溝の位置に合わせてハウジングのシールド部分が露出している=その位置にドレンワイヤーがないと導通が取れないためです。

今回の製作方法の場合は「ハウジングのシールド部分と導電性アルミテープが接触することでシールド効果を得る」という構造になっています。
外径を細くしてSPS6X88-Cの適合サイズに合わせるだけでなく、ドレンワイヤーの位置を気にすることなく、簡単にシールド効果を得ることができます。

ドレンワイヤー接触位置①

ドレンワイヤー接触位置②

💡これが最も重要なポイントなんですけど、
ただのアルミテープの場合、粘着面に導電性が無いため、同様に組み立ててもドレンワイヤーとアルミテープ表面は導通状態になりません。
ALT8であれば粘着面に導電性があるので、ドレンワイヤーとアルミテープ表面が導通状態となります。つまりALT8の登場によって今回の製作方法が可能となりました。


もし導電性アルミテープを使わない場合はこうなります。

ちゃんとできてるように見えるけど、失敗です。
ケーブル外径が太すぎて、カラーが奥まで入っていません。
圧着も失敗し、導通テストもNGとなりました。

左がテープ取り付け。右がテープなし。
右は無理矢理押し込んで、何とか圧着まで完成させたもの。
その労力は・・・思い出しただけで二度と作りたくないです。

おまけ

Telegartner MFP-8でも同様のシールド処理をすることで、作業効率を上げることができます。
ドレンワイヤーや編組シールド線を折返して、その上からALT8を巻きます。
こちらも8mm幅を使用します。

オーディオ向けLANケーブルであれば銅箔テープも良いと思います。
それぞれに音質の差があるので、比較したり、両方使ってみても面白いと思います。
※遮蔽ノイズ対策というより、コネクタ~テープ~シールド線間の導通を改善させる目的。

写真のように、クランプ部分とテープが接触することで導通を得ることができます。

あとがき

スマホ普及による5G通信に始まり、政府発令のGIGAスクール構想から、コロナ禍による配信需要を経て、インターネット回線に求められる速度が年々増しています。
一般ユーザーにおいてはWi-Fi6などの10GBaseの高速インターネットが普及し、今後も高速通信に対応するインフラ需要は増え続けることでしょう。

現在はCAT6(1GBase-T)以上のLANケーブルを推奨しているケースが多いです。
しかし、近い将来今まで以上に高速通信を必要とする流れは必至です。敷設LANケーブルは簡単にケーブルを交換することができないので、将来のインフラを想定し、現在はCAT6A(10GBase-T)以上の敷設を推奨されています。

🔎PANDUIT HPでも「CAT6Aへの移行は確実」と明言してますね。
※Q&Aコーナーも充実しており、とても参考になります。

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そんなことから工場や医療現場、オフィス向けに「シールド付きCAT6A」の需要・問い合わせも増えてきていたのですが、品質的にも定評のあるシールド付きRJ45「Telegartner MFP-8」って3000円前後するんですよね。さすがに予算が大きくない限りインストールしにくいです。

そこで弊社で取り扱っている「PANDUIT SPS6X88-C」は安価なのでオススメしていたのですが、これに使えるLANケーブルが見つからなかったんですよね。

そこでメーカーのPANDUITに問い合わせたところ

SPS6X88のプラグはもともとケーブルメーカーがパッチコードを加工するために提供しております製品の為、ケーブルについて、どこのケーブルだったら施工出来る、といった弊社からのご案内はしておりません。ご使用いただくケーブルサイズ等の仕様をご確認いただき、お客様でご使用のご判断をお願いしております。そのため、施工について弊社からの回答はございません。

という回答だったんですよ。
正直「じゃあ何で販売してるの?!」「適合するLANケーブルを自社で作らないの?!」と久しぶりに特大の疑問が湧きました。😅

じゃあ俺が誰でも作れるようにブログで紹介してあげよう!」というのが当ブログの発端です。皆さんもこれでバンバンシールド付きLANケーブルが作れますね!

以上、原田でした。



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