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2016年8月31日水曜日

え?ケーブルで音が変わる?? んーなわけ無いでしょう!!

なんてお思いの方…ですよね…そう思いますよね… まあ分からないという声もまあ聞かんでもないです。実際。そうした皆様にはやれブラインドテストをしたけど変化がなかっただとか、やれ100円ケーブルと性能が変わらないのに何で高いんだとか、やれプラシーボだ、ご飯が美味しく炊けましただ、データ出せだなどと揶揄され勝ちですが、敢えて声を大にして言いたいと思います。
「ケーブルで音は変わるんです!」
(STAP細胞はあります!風なニュアンスで)

このブログを見て頂いている大半の皆さんからは「知ってるよ!」という声が聞こえてきそうですが、こういったことは伝え続けることに意味があり、且つ意義があります。なので解ってる人も知らない人も懐疑的な人も改めて知ってもらいたいオヤイデ電気の電源ケーブルの傾向と対策!

え~、先日OCB-1シリーズを中心とした電源タップのブログがお陰様をもちましてかなりの反響を頂きまして、電源ケーブルの紹介はないのかー!なんて声もありましたし、私も書きたいと思っていたのでここでひとつ電源ケーブルのお話を一席設けさせて頂きたいと思います。
そもそもオヤイデ電気さんは何十年か前にオーディオ評論家の江川三郎さんのご意見をもとに「音が良くなるテーブルタップ」OCB-1を作ったことがきっかけでオーディオの世界に足を突っ込んだわけですが、それからというもの実証実験や研究を重ねに重ね、オーディオユースのケーブルの在り方を定義し、スピーカーケーブルインターコネクトケーブル電源ケーブルと電線屋ならではの商品を展開してきました。

そうした中、OCB-1のケーブルをアップデートさせ、電源ケーブルとして売りだしたのがL/i50シリーズと言いまして、現在NEOブランドの製品を合わせ4種をラインナップしております。その1つが「L/i50 OFC R2.5」。そう、オヤイデ電気の電源ケーブルの中でも一番お求めやすい、言わばエントリーモデルとでも言いましょうか。お値段は定価で13,000円。
「な、な、なに? 電源ケーブルに13,000円だと!?」 …いやいや、実売では大体1万円ちょっとです! 「な、な、なにぃ?どっちみち高いことには変わりはないわい!」 …ごもっともでございます…「高い理由を聞かせんかい!」 …し、承知しました!

という訳で先ずは電源ケーブルL/i50とは何かと言いますと、そもそもOCB-1(現行ではOCB-1 STに使われています)で使われていた黒いケーブルが元祖「L/i50」です。コチラ導体はTPC。絶縁体には強化シリコンゴムを使用しロープ撚り2sqの導体をクアッド構造(4本ツイスト)にすることにより

①高い屈曲性
②一極に対し4sqの導体断面積
③+-線を平衡化し磁界を打ち消すことで電磁誘導ノイズを防止

といったメリットに、電源ケーブル「L/i50シリーズ」に使われているケーブルでは導体をOFCにアップデート、アース線をプラスした「L/i50 OFC」L/i50 OFC R2.5L/i50 V4L/i50 G5に使用)。更にL/i50EXsにはカーボン含有テトロンスリーブ、ケブラー糸を配置し、電線の強度と振動モードをチューンアップした「L/i50 EX」が使用されています。
ところで、まあケーブルなんて言うモンはですね、通常大概が何万メートルも作るもんなんです。で銅線などの材料も銅の価格は多くても少なくても相場価格と大きな差異はありません。ただそれを加工するとなると設備だセッティングだ何だかんだで費用が掛かります。その費用は作る数量が多くても少なくても掛かるのは掛かるんですね。そういう意味でオヤイデさんなんかは言っても弱小企業ですよ。いっぺんに何万メートルも作る(たまには作りますが)ことも在庫することも出来ません。実際。

となると作れる量も限られます。その上精密導体102 SSCとか何とか言ってこだわりまくる訳です(L/i50には今んとこ関係ありません)。当然コストが掛かります。そのコストが掛かった製品を売るとなるとそれなりの値段になった結果が皆様にご提示させて頂いている価格なのですが、他社より若干安かったり大きく安かったりするのはそんなカラクリの中で価格設定をしているからなんですね。

だからちょっとしか作らないで、しかもオールハンドメイドの馬鹿高いケーブル、ああいうやつもブランディング(高級品というイメージ付け)もありますが、実際ある程度コストも掛かっているのでしょう。あれはあれで(どれやねん!)まあ良しとしましょう。ウチレベルの話をすると、流通に乗せて一次卸ががあって二次卸を通過してみたいな経路を辿ると大体今付けている価格になります。

どっちにしろ物の高い安いはこっちじゃなくてお客さまが決めることなのです。本当、お客さまあっての我々。お客さまとの価値の乖離があっては話になりません。そのためにケーブルの良さを訴えなければと思い早30分(ここまでこのブログを書き始めて30分掛かっています)、遅々として話が進んでいない状況、私がしたい話はオヤイデ電気の電源ケーブルの話し。

そうだ、思い出しました。L/i50シリーズの話を進めようとしていたのに業界の内情を喋ってどーすんねん!と思いつつ、ケーブルを使う皆様にはご納得の上で良さを味わってもらいたいが為の余談に次ぐ余談をどうかお許し下さい。

何故ケーブルを変えることで音質に変化をもたらすのか、理由は実にシンプルです。簡単に言うと用途に合わせた素材の組み合わせが音質を決定付けるということです。

ちょっと話は変わりますが、例えば歪み系のエフェクター、鉄の箱の中には線や基盤、真空管、各種トランジスタ、IC、コンデンサーなどなど、様々な材料の組み合わせで特定の音質傾向を得るということはご理解頂けると思います。

それがどういうことなのかということが問題で、コンデンサーをひとつ変えるだけで特長が変わってくるのです。それはそのコンデンサーの仕様・性能、材質に由来するのです。

ケーブルも似たようなもので、導体の素材があり、サイズがあり、構造(絶縁体・シールド・介在・外装シースなど)で耐電圧、電気特性などの電気的な性能を得たり、静電容量やインピーダンスなどの特長が決定付けられます。

となると、単純に電荷量の違いが音質にかかわることがわかります。要はサイズの太いケーブルと細いケーブルでは電荷量に差異があるために音になった時にも音の太い・細いが確認出来るのです。

そうした要素を利用してコンデンサーは用途に応じた使われ方をするように、ケーブルはその材質の組み合わせにより用途を選ぶのです。そしてその組み合わされた材質のひとつひとつがケーブルの音質を司る為の重要な要素となる訳です。

うわー、まだ話が長くなりそうな予感がしますが、どうぞお付き合い頂ける方だけで結構ですのでお付き合い頂ければ幸いです。

銅の素材で音が違うのは、金属ってアルミとか鉄とか叩くと響きが違うじゃないですか。語弊はありますよ、その上で乱暴な言い方ですがその響きの違い、それがその素材の持つ音です。銅の中でも真鍮やら、りん青銅やらの合金、更に純銅だ何だと色々ありまして、例えば錫などが入っていると響きが美しかったりしてね。鈴なんかはそうした素材やメッキの違いで音が違ったりします。

純銅というのは加工行程で99.9%程度の加工精度(酸化銅の状態で酸素を0.02~0.05%含む銅99.90%以上の金属)の銅をTPCタフピッチ銅)と言います。そして恐らく皆さんがよく耳にするOFC無酸素銅)というのは酸素をほとんど含まない純銅で、酸素量が0.001%から0.005%とごく微量に抑えられており、純銅の中でも純度が高いのが所謂OFC無酸素銅)です。1種OFCについては4N以上、99.99%以上の純度を持つ素材となります。

このふたつ(TPCOFC)は同じ素材にもかかわらず、製造工程の違いで音が違うと言われています。何故違うのか、そこが問題です。大まかには先程説明した叩いた音が違うから、みたいなことなのですが、用途は電流を流す電線です。叩くわけではありません。しかし電線は電流を流すことにより微振動を起こします。その微振動が音質の傾向として表れてしまうのです(スタビライザーや重り等で押さえると音が締まったりするのはこのことに由来します)

以前オヤイデ電気ではPC-OCCというOFCの一種を使い製品を作っていました(正確にはPC-OCCをアニーリングしたPCOCC-A)。基本的に銅は材料の時点では結晶の集合体ですが、このPC-OCCというのはOCCを単結晶化させ導電効率を高めた素材です。それにより通常のOFCに比べ電送能力の向上を見込めるんですね(TPCOFCPC-OCC的な)。

引き続き、語弊があることを恐れずに話を進めます。とりあえずそういう銅素材に絶縁体を着けるのですが、その役割が2つあります。先ず一つは言わずもがなですが絶縁です。二つ目が振動減衰。この振動の減衰を如何に行なうかが音質に大きく関わるポイントとなります。

要は絶縁体が柔らかいと導体の振動を包み込むように抑えられますが、その分素材の響きも抑えてしまいます。逆に硬いと振動減衰が早く、信号をスムースに伝送することで雑味の少ない響きを維持できます。銅素材の特長を損なわないためにはその素材の良さを殺さない絶縁素材ををチョイスするこで、銅素材の特長を出すことが出来る訳です。

一方導体も単線だったり撚り線だったり用途によって特長が異なります(余談ですが電源ケーブルに限定するとPSEの規定上、使用できる導体は撚り線に限られます。限られるということは、PSEに準拠していれば事故などの保証対象にもなり得るということも忘れてはいけません)。銅素材も太くて硬ければ電気の流れが変化するという前提を踏まえると、重要なのはそれぞれの特長をどのように組み合わせるかでそのケーブルを使う意図や目的が明確になるということなのです。

だから大事なのはケーブルが完成した時点での素材の組み合わせがトータルで≒音質ということなのです。あとはどこに拘るか、どんな用途に使うかによって、素材や太さなどをチューニングし、電源ケーブルなら電安法PSE)に準拠したケーブル作りや製品のチョイスをすると、お好みに限りなく近い物を選べるのではないかという提案をしたい訳です!

以上を踏まえ、様々な要素の中で出来た製品のひとつ、それが今から説明するオヤイデ電気の電源ケーブルのお話です!
L/i50EXs
L/i50V4
え?長過ぎる?…そうですね、私もいい加減疲れてきました。じゃ、とりあえず続きは次回ってことで! っておい!

…折を見てオヤイデ電源ケーブルのご紹介をさせて頂きますので乞うご期待!(逃げろっ!)


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