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2017年3月7日火曜日

【オヤイデ/NEOアーカイブ】ケーブルで変わる音の世界 Featuring DJ KRUSH

随分前になるのですが、GROOVEという雑誌でDJ KRUSHさんにケーブルについてあれこれお話しして頂きまして、この記事がとても良記事なのでアーカイブがてら、是非皆様にもご覧頂ければこれ幸いでございます。
記事中のオヤイデ/NEO製品は廃版→リニュアルした商品もございますが、細かいことは気にせずお楽しみください(笑)
ケーブルで変わる音の世界
Featuring DJ KRUSH

ケーブルは機材をつなぐ血管のようなもの
ミュージシャンに楽器が欠かせないように、DJやクリエイターにとって機材は必要不可欠な存在。そして近年、それらをつなぐケーブルの重要性にも注目が集まっている。なぜなら、ケーブルの品質が音のクオリティに大きな影響を与えるから。リスニングオーディオやエンジニアリングの世界では昔から常識とされてきた事実が、DJやミュージシャンの間でも共通認識になってきているのだ。今回はそんなクリエイターの一人として、DJプレイ/制作の両面でハイクオリティなケーブルを活用して質の高いサウンドを発信し続けるDJ KRUSHに、ケーブルで変わる音の世界について語ってもらった。

いきなり自作にハマる
■ KRUSHさんがケーブルによる音の変化を意識するようになったのは、何かきっかけがあったのですか?
□ 昔、まだカセットMTRしかなかったような時代を振り返ってみると、機材を買うだけで手一杯で、正直ケーブルまでは目が向いてなかったね。まずは機材で、音が出ればそれで良かった。ケーブルで音が変わるなんて思ってもいなかったね。その後DJを始めて、自分で曲も作るようになって、スタジオに入り始めて、そこからです。スタジオに行って、ラインや電源に太いケーブルが使われているのを見たり、エンジニアさんと話をしたりする中で、いろいろ興味が出てきた。

■ ケーブルで音が変わるということを知識として知るのと、それを自分で聴き分けるのはまた違いますよね。
□ 僕らはアルバムを作るとき、それこそ1曲を何時間も根を詰めて作っているわけで、エンジニアさんにまでは届かないかもしれないけど、ある程度の耳はできていると思う。だからケーブルによる違いも、ちゃんと聴き分けられるようになってきたのかな。あとは長年一緒に仕事しているエンジニアの三好(敏彦/HAL STUDIO)さんからの影響も大きいですね。あの人からはすごくいろんな話を聞いた。エンジニアって、僕らとはまた違った形での”音職人”じゃないですか。音質を左右するものは隅々まで追求して、それが良い仕事につながっていく。シールドも、最高のものを求めて端から端までビッチリそろえていく。それにはすごく影響されましたね。僕らもDJだから、やっぱり良い音で届けたいというのは同じだし。

■ ケーブルによる音の変化を初めて実感した瞬間を覚えていますか?
□ 自宅システムのラインケーブルを、赤白の普通のRCAケーブルから自作のRCAケーブルに替えたときですね。それも三好さんにアドバイスしてもらって、最初にケーブル替えるなら何がいいかということで、秋葉原でベルデンのシールドを切り売りで買ってきて、ノイトリックのプラグを自分でハンダづけして作ったんです。ハンダの種類までちゃんと選んでね(笑)。それで替えてみたら、全然音が違うのでびっくりした。

■ どんなふうに変化したのですか?
□ 音が太くなって、グッと真ん中に集まる感じ。その変わり具合も、思っていた以上でしたね。ここまで変わるのか!って。それでまた追加で何mもシールド買ってきて、システム全部のケーブルをベルデンで統一したんです。自宅は今でもそれを使い続けていますね。

■ いきなり自作というのがすごいですね。
□ 凝り性なんですよ。最近しばらく作ってないですけどね。でもハンダは何がいいかとか、いろいろ選ぶのは面白い。自分で作ったものだと大事にするしね。

■ ラインケーブルだけでなく、電源ケーブルも替えているそうですね。
□ オヤイデ/NEOBlack Mambaという電源ケーブルを、オーディオインターフェース(MOTU 828MKII)に使っています。音のスケールがふた周りくらいドーンと広がって、奥行きのあるクリーンな音になりました。スネアの裏側の空気感まで分かるくらい。もう全然違うのでびっくりしました。ここまでいくと、家の電源まで替えたくなる(笑)。みんなこうやってハマっていくんでしょうね。

良い音を届けるのに欠かせない
■ DJの現場ではどんなケーブルを使っていますか?
□ レインScratch LiveのインターフェースとDJミキサーの間にオヤイデ/NEOのPA-02DJ。これは音のレンジが上下左右にサッと広がって、緻密な感じになりますね。あとUSBケーブルオヤイデ/NEOのものを使ってます。USBケーブルでも音が変わるなんて思っていなかったけど、これが変わるんだよね。

■ 現場で聴き比べてみたのですか?
□ 海外で初めて使ったとき、今までのUSBケーブルも一応サブで持って行ってたので、聴き比べました。もう全然違ったよ。全体的に見通しが良くなったというか、ベールがとれてクリアになった。最初に聴いたときは3秒くらい固まったもん。あれ?変わっちゃった!って(笑)。PAの大音量で差が出るのは当然として、ヘッドフォンで聴いてもちゃんと分かるレベルの変化でしたね。

■ モニターの音が良くなるとプレイも変わるでしょうね。
□ やっぱり気持ち良くできるからね。基本的になるべく良い音で届けたいから、ファイルもMP3じゃなくAIFFかWAVで出しているし、下手すると自宅でマスタリングして気持ち良い音にすることもある。それと同じで、今となっては個性的なケーブルも欠かせないものになりましたね。一度良いものを使うと、以前のクオリティには戻せないですから。あと見た目もけっこう目立つんですよね。ラインケーブルは藤色で、USBケーブルが白で。

■ KRUSHさんの場合は、ブースにかぶりつきで見てるキッズも多いですからね。
□ 特にUSBケーブルはブラックライトが当たるとかなり目立つ。そういうのもけっこう大事です(笑)。もちろん音が最優先ですけどね。

■ あと、高級ケーブルは耐久性の面でも安心なのでは?
□ 機材に付属してるケーブルよりは全然強いですよ。僕らは現場で毎日のように抜き挿ししてるわけだから、そこもすごく重要。それにこういうのを使うようになると、コードを持って引っ張ったりしないようにとか、そういうことも覚えてくるし。

■ これからケーブルを試そうというDJにまず薦めるとしたら?
□ やっぱりとっつきやすいのはラインケーブルかな。そこからもっと良くしたいと思ったら次は電源ケーブルUSBケーブル……でもそれぞれで変わるから、順番なんてないよね。全部一度に替えれば一度に変わる(笑)。ケーブルなんて地味なものだと思うかもしれないけど、機材をつなぐ血管のような存在だから、そこには良いものを使わないとね。もちろん値段も安くはないけど、それだけ音は変わるから、一生懸命お金を貯めて、この世界に足を突っ込んでほしい。それでどっぷりハマっちゃってもあとは知らないけど(笑)。


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