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2019年2月7日木曜日

私、気になります!巷で噂のDCケーブルに迫る!


ごぶさたしております、オヤイデ電気のDCケーブルおじさんこと本多です(誰が呼んでいるかは不明です)
寒暖差とか花粉とか辛い今日この頃ですが、私も見事に喉をやられてしまいました
皆さま、ご自愛くださいませ


 さて、最近SNS上で何やらDCケーブルが盛り上がりを見せているという情報を目ざとくキャッチしまして、わたくし無限に広がるケーブルの宇宙より舞い戻って参りました

なんでもミュージシャンの方が製作していらっしゃるそうで、お使いになった皆さんのご意見や実際に使用している動画を拝見する限り中々良さそうです



気になる

私、とても気になります‼︎





というわけで、件のケーブルを早速入手して参りました
8460
こちらはBELDEN8460というスピーカーケーブルですね
サイズは18AWG(≒0.75sq)で、緩~くツイストが施されています

同じBELDEN社の8470(16AWG)の方が目にされる機会は多いかもしれませんね
弊社では8470を在庫しています、とてもポピュラーなスピーカーケーブルです
当初、両者の違いはサイズだけなのかなーと思っていましたが、中を剥いてみますと素線の本数や太さも違うことがわかりました
8460の芯線
ばらしたところ
84700.30mm×19本に対し、8460は約0.4mm×7本のIV構成でした
この情報だけでピンと来る方は立派なケーブルマニアです(笑
説明は後ほどするとして、先ずは実際に音を聴いてみたいと思います

✳︎

以下は比較環境です
私物のギターエフェクター(歪)アンプと繋ぎ、エフェクターに繋ぐDCケーブルを変える事で比較します


今回使用した機材はお馴染み拾ってきたJazzmasterと自作したRAT(ディストーション)、アンプはJC-20です
電源供給元はバッテリーパークを使い、比較的新しい電池で供給しています



8460と比較するDCケーブルはパワーサプライなんかに付いてくるよくある市販のものです
素材はOFC(無酸素銅)のものですね


私がいつもDCケーブルを比較する際は30cm程のケーブルにマル信さんのMP-136Lを半田付けして行っています
今回はハンダにオヤイデのSS-47Kester44を使用して製作したものを聴き比べてみました

比較の際注目するポイントとして、
・ディストーションの歪み感
・音の粒立ち
・レンジ感
・帯域の変化
などなど
色んな部分に変化がありますので上記以外にも特筆するべき部分が発見できるやもしれませんね

ではでは、市販品→8460 Kester ver.(以下k)→8460 SS-47 ver.(以下s)の順に比較してみましょう

・普通のOFCケーブル
普通に元気な感じです
OFCにしてはハイに元気がない、かな?

続いて8460を、
赤い印の方がKester44
白い印の方がSS-47
k

ミッドに音が集まる傾向があり、音に厚みが出てくる
音の押し出し感が強い

s

レンジが広がり、開放感が出てくる
クリアで抜けの良い印象

比較してみた感想ですが噂通りなかなかに良いですね!
まず変な癖がなくレンジが拡がるのを感じます
18AWGという充分な太さを有していますので、ハイとローが共にしっかりと出てきてくれますね

また、音の抜け感が良いです
個人的考察ですが、これは素線構成が関係していると考えられます
IV構成という構造をしていると先に書きましたが、これは真円に近くなる様に配置するやり方で、こうする事で単線に近い特性を得る事ができます
ちなみにどういう特徴があるかというと、
単線パワフル/撚り線繊細
という感じでして、めちゃくちゃ大雑把な説明になりますが、撚り線でありながらも単線に近いパワーが出るので、より音の抜けも良くなる、という訳なのです
(本来ですと、単線は硬く可とう性が低いので、細いケーブルを束ねることで柔軟性と同程度の容量を得ることができる、というのが撚り線の意味合いとしては正しいのですが、この場合は構造が単線により近いので単線の様な音特性を得られる、という風に解釈して頂けると幸いです

錫メッキ線特有のザラッとした感じもありますが、ディストーションにはよく馴染みますね

後は両方のハンダの特徴が良く出ていると思います
これはケーブル自体に変な癖が無い証拠でもあります
 ケスターはハイとローが削れミッドが塊の様に集まる傾向がありますが、この特徴が如実に出ていました
 SS-47は銀入りハンダでとても透明感のある音が特徴ですが、音の拡がり方などにしっかり特徴がでています

個人的にはSS-47の方が色々な種類のエフェクターに使いやすいとは思いますが、ガッツリ歪ませてプレイされたり帯域を絞って使いたい方にはケスターバージョンをお勧めしたいですね






  久々に比較してみて興が乗ってきましたので他のDCケーブルとも比較してみました

DC-3398LL 30cm
オヤイデNEOのDCケーブル、DC-3398LL
レンジが広がり、よりクリアな感じになる
音の粒立ちが細かくなる
8460よりは押し出し感は少し弱めな印象

3398-18 k
DC-3398の母体、3398-18を同じようにツイストし、MP-136Lを取り付けました
レンジは広めだが音がまとまる感じ
ミッドにハリが出て気持ちいい、良い抜け感

もう皆様御馴染みのオヤイデ電気のDCケーブル「DC-3398LLと自作したDC-3398のケスターバージョンを比較してみました

DC-3398はこちらも癖のないケーブルなのでハンダの特性がよく出ています
プラグが金メッキなので少しキャラクターが違いますが、8460と近い印象を得られますね
102SSC導体のおかげでよりレンジが広く、解像度も高くクリアな音像を楽しめます

3398-18をケスターで結線したバージョンは、実のところ個人的にかなりお気に入りの部類に入ります
元々広いレンジを少し狭めつつ、しっかりミッドに音をまとめる事で抜けの良い楽器的に良いレンジ感を持たせる事ができます
クランチからディストーション、ファズまで何にでも合うと思いますので是非試して頂きたいですね!



最後に番外編
、を書く予定でしたが長くなり過ぎたのでまたの機会にします。

DCケーブルブームのリバイバルがきて嬉しいー!
という思いから飛びついた8460でしたが、中々に良いケーブルでした
これは通常用途としてスピーカーケーブルでも試してみたいですね

ちなみにオヤイデ電気でも8460はお取り寄せ可能ですが、ロールでのお取り寄せになりますので1巻買いをしたいという強者からの連絡をお待ちしております(笑

最後に自作の仕方や他の線材の特徴を書いた過去記事へのリンクを貼っておきます

DCケーブル自作記事 
DCケーブルにお勧めの線材の記事 其の1
DCケーブルにお勧めの線材の記事 其の2

ちょっと内容が古いのでそろそろ更新したいところですね
コチラを覗いていただき、是非是非色々試してみてくださいね

それではまた次回、

本多でした~

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