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2025年6月16日月曜日

特殊なオープンバレル端子を圧着しよう!

こんにちは、本多です

 緊急で動画を回してるんですが…ってテンションでこの記事を書いています

先日お客様からのお問い合わせで、ある端子の圧着について確認をしていたんですが、「丸端子だと思っていたものが、実は丸端子のフリをしたオープンバレル端子だった!」という事件がありました

危うく「裸端子用の圧着工具でいけますね~」なんてお気楽な案内をしてしまうところでした、マジで危険

今回は一先ずその端子についてと、加工に使用する圧着工具についてご案内します

ちなみに、手前味噌ですが5年前にこういう記事も書いてますので一緒にチェックいただけると幸いです

オープンバレルを圧着しよう

さて、今回問題になった端子がこちらのシリーズ

TL12-110S8 スリーブ付きファストン端子 Sサイズ

TL12-205M8 スリーブ付きファストン端子 Mサイズ

TL12-250L8 スリーブ付きファストン端子 Lサイズ

オーディオテクニカから出ているスリーブ付きファストン端子です

パッと見で丸端子かな?と思いますが、よーく見ると筒のセンター部分に切れ目があることに気づきます

これが、以下のように変形します

完全にオープンバレル端子やないかい!

誰だよ、丸端子みたいに気楽につかえるって言ってたの... 

普通オープンバレル端子といったら、

こういうやつじゃないですか!

完全に欺かれた気持ちです…


とりあえず、ものは試しにとNH1裸圧着端子・裸圧着スリーブ用手動圧着工具)で圧着できるかやってみました

あれ、意外といけるんじゃ…

そんな事はありませんでした、

ありませんでした!


ちなみに、

上手くいったと思ってもこの様にはみ出す始末…

結論:裸圧着端子用圧着工具だけでは加工できません!

じゃあどうするのと、もちろん専用工具を使うわけです

オープンバレル用の圧着工具「P-706」です!
先に紹介したブログ記事に出ているやつですね

こちらを使用して、
これを、
こういうハート型へ加工して、
こんな感じに圧着して、
最終的にはこの様に加工するわけです

が、やっていて気付いたことがありまして、

TL12シリーズの端子はいきなりP-706で加工しようとすると筒の部分がP-706のダイスよりも大きいためか、ハート型へ上手く変形せずに潰れてしまうんですね

微妙な力加減でなんとか加工できなくもないですが、高価な端子を無駄にはしたくないと思いますので、私が何個もダメにして見つけた失敗しにくい方法をここにのこします

①裸圧着工具で凹ます
結局使うんかい、といったところなんですが、ハート型へするために中心部を内側へ凹ますのに裸圧着工具が一番やりやすかったんですね

TL12シリーズは2.0sqか5.5sqぐらいのダイスで潰してあげると良いです

②ラジオペンチで加工する
ラジペンで少しずつ凹ましていくのも有りでした
むしろ裸圧着工具を持っていない人が多いと思いますので、こちらの方が確実かもですね

前の記事でも書いてますが、このハート型に形成するのが、オープンバレル端子の加工において一番重要な作業です

ハート型に形成したら、電線を挿入し、大きめのダイスから圧着し、以下の状態になるまで一つづつダイスを小さくしながら圧着していきましょう

キレイに圧着できるとめちゃくちゃ気持ちいいですよ!






はい、という訳で今回は特殊なオープンバレル端子とその圧着方法についての紹介を行いました

この端子のことを調べても同じ様に苦戦した方の記事しか出てこないんですよね
メーカーサイトにはどこにもオープンバレル端子だって書いてないんですけど、実際につかってみると紛うことなきオープンバレル端子でした、本当に有難うございました!

というわけで、今回紹介した方法で是非加工にチャレンジしてみて下さい



それではまたどこかで、

本多でした

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