2016年12月3日土曜日

そもそも音って何なの?そして電気と音の関係って?

ご機嫌如何でしょうか。オヤイデ電気でございます。ご覧頂いた皆様におきましてはご健勝のこと、お慶び申し上げます。

先日、渋谷で行われたPLAYCOOL CAMPという講習会にて下記のようなテーマでお喋りをして参りまして、何しゃべってるのかよく分からない状況でしたが、ちょっとまとめてみましたのでよろしければお付き合いの程、よろしくお願い致します。



それにしても時が経つのが年々早く感じます。確か数カ月前にお正月だった筈の記憶があるにもかかわらず、ふと気づけばもう師走といった案配。そりゃぁ年も取りますわな。オヤイデさんは今年で64でございます。

それにしてもこの64年の間、色々ありました。その中でもオヤイデ的なトピックでいうとやはり70年代から増殖し始めたオーディオマニアの皆さんの存在を忘れるわけにはいきません。
歴代のOCB-1
そんな一昔前はまさかケーブルが音に与える影響なんてこれっぽちも考えたことがありませんでしたが、オーディオ機器が一般ユーザーの手に届き普及するにつれ、マニアの皆さんも増えていったっけと深い感慨を抱きつつ、彼らの音への探求心がケーブルにまで影響を及ぼしました。

そりゃスピーカーだってコイル(細っい電線)を巻いて作られており、その原理を理解していれば、何をどうすれば音圧や音質が変化するのかを電線でコントロールすることも可能です。

今となってはすべて完成された状態のオーディオ機器を手に入れ、結線を自分で行う程度でオーディオ機器のチューニングが可能ですが、ミッドセンチュリー(20世紀中期)には限られたモノとテクノロジーの中で限りなくアナログに近い機器をどのように組み立てるかといったオーディオ機器の自作の苦労や楽しみもありました。

そこに組み込まれる導体(ケーブル)の供給を我々オヤイデ電気はその一端を担い続け今日に至ったわけです。
オヤイデ電気店舗:初期~70年代~現在

オーディオマニアの皆さんからしたら目的はひとつで、「音を聴く」というゴール地点というか到達地点に向かって、あーでもないこーでもないと試行錯誤し、紆余曲折するプロセスを経験することで、何をどうしたらどうなるのかという、答えを見つけていくのだと思います。中にはそのプロセスが楽しくなってしまい、音を聴くより工作をすることに喜びを感じてしまう人も居るようです(弊社にも居ます)

といっても「音」が出なければ始まらないのがオーディオ。じゃあそもそも音ってなんなの?そんな疑問が湧いてきませんか? ということでちょっと調べて(WIKIって)みました。

※長いんで気になるところから読んでもらっても結構ですよ
●音とは何か
●電気と音の関係
●オーディオケーブルの歴史
●じゃあオーディオ用ケーブルの種類ってどんなのがあるの?
●そしたら音質におけるケーブルの効果ってちゃんとあるんですか?

●音とは何か
音とは、物の響きや人や鳥獣の声(物体の振動が空気などの振動(音波)として伝わって起す)聴覚の内容。またはそのもととなる音波。心理学的には聴覚的感覚を「音」と呼ぶため基本的には周波数が人間の可聴域にあるもののみを指す。物理学的には音波そのものを音と呼び超音波や低周波音も含める。

音は楽音と騒音に分けることができる。
音楽的には楽音と噪音にわけられる。
音の類語に、音響(おんきょう)がある。

<聴覚の内容>
音は、聴覚によって感覚される内容(感覚の内容)である。音は音声、楽音と噪音(騒音)に分けることができる。
「音声」は広義の音、狭義でいうと声(おしゃべり・会話など)。「楽音」とは、楽器の音のように規則正しくて 一定の周期で続く音
「噪音(騒音)」とは、不規則な振動、あるいは互いに無関係な周期の振動が同時に起こっている音
楽音の場合は(あくまで楽音の場合)、音の「強さ」「高さ」「音色」が聞き分けられる(一般的に言えば、聞き分けられる人が多い、ということ)。かくしてこれらは「楽音の三要素」と呼ばれている。
噪音(騒音)は、生活音を始め、建設、工事、機械類、装置類の大きな音。人に不快な体験をさせ、体調を崩す人、健康を害す人すらも出てくる場合がある。(音楽を大音量で意図しない相手に向けられた場合も騒音とみなされる)。

<音楽における音>
音楽においては、心地よい美しい音とそうでない音を区別することばとして、楽音と噪音がある。

<楽音>
狭義には音高がはっきり認識できる音を指し、広義には音楽に用いられる音全般を指す。例えば人の歌声やピアノ・バイオリン・ギターなどの楽器類の音は楽音である。

<噪音(騒音)>
狭義には楽音ではない音を指し、広義には騒音を指す。望ましくない音。楽音であっても聞き手が不快あるいは邪魔だと感じる音は騒音と呼ばれる。なお、シンバルなど明瞭な音高を持たない打楽器の音は狭義の噪音であり広義の楽音である。また、英語で一括りにnoise と表される音は、日本語では騒音と雑音の2つに区別される。

<雑音>
振幅や周波数が不規則に変動する音。ただし、自然科学や工学では音以外についても有意な情報を含まず必要な信号を取り出す邪魔になる成分を雑音と呼ぶ。聴き方次第ではあるが、例えば、風の音・波の音は雑音である。電車の走行音・物の壊れる音などは雑音でもあり騒音でもある。耳鳴りは雑音。

<音響心理>
人間の聴覚の特性は音響心理とよばれ、音響心理学などで研究されている。MP3などの音声データ圧縮技術に利用されている。例えば、たとえ可聴域の空気振動であっても、特定の周波数の音圧が強いと、その直近の周波数帯で音圧が小さな振動は感じられない、つまり人にとってはその音(感覚の内容)は実際上存在していない、などといったことが起きているのであり、それを利用してその帯域のデータの記録を省略するなどということが行われているのである。

<他>
人間が知覚できる音の周波数(可聴域)は大体20Hzから20kHzまでと言われています。ただしこれは年齢・性別・過去に受けた聴覚障害などによってばらつきがある。大多数の人は10代には既に20,000Hzを知覚できず、年齢が上がるにしたがって高い周波数を聴く能力が衰える。
(モスキート音:17キロヘルツ前後の高周波音のこと。蚊の羽音のようなキーンという不快な音なのでこう呼ばれる。人間は年を取るに従い高い周波数の音を聞き取りにくくなる。そのため、モスキート音は、個人差はあるものの、20代前半までの若者にはよく聞こえるが、それ以上の年代の人には聞こえにくいとされる)

人間の会話のほとんどは200-8,000Hzの間で行われ、人間の耳1000-3,500Hzで最も感度が高い。聴覚の限界より周波数が高い音は超音波、低い音は低周波音と呼ばれる。したがって、いくら空気が振動していても、各人にとっては、聞こえない周波数帯について、音(聴覚の内容)は発音の時点では存在していない。しかし波動・振動で音の残響を感じ取ることが可能なため、音とシンクロした波動・残響が超広域・超低域として認知され、耳以外で認識出来る。

ハイレゾリューションオーディオ(英: High-Resolution Audio)とは、音楽用CD(CD-DA)を超える音質の音楽データの総称であり、略して「ハイレゾオーディオ」、「ハイレゾ音源」または単に「ハイレゾ」と呼ばれる。JEITAによる定義では384kHz/32bitまでの音声データを「ハイレゾ」と呼称し、384kHz/32bitというのは人間が知覚できる音の周波数を超えており、可聴域をも超えた音声を再生することによって楽曲の音場感、レンジ感など、レコーディングされた空間を広く感じ取るといった、聴覚(感覚)を刺激する音声と言える。

<音波>
狭義には人間や動物の可聴周波数である空中を伝播する弾性波をさす。広義では、気体、液体、固体を問わず、弾性体を伝播するあらゆる弾性波の総称を指す。狭義の音波をヒトなどの生物が聴覚器官によって捉えると音として認識する。
物理学においては、音とは物体を通して縦波として伝わる力学的エネルギーの変動のことであり、波動としての特徴(周波数・波長・周期・振幅・速度など)を持つ音波として表せる。

音波を伝える物質は媒質と呼ばれる。音波は圧力変動の波動として伝わり、ある点での密度の変動を引き起こす。媒質中の粒子はこの波によって位置を変え、振動する。音について研究する物理学の分野は音響学と呼ばれる。媒質が流体(気体または液体)の場合はずれ応力を保持できないため縦波しか伝播できないが、固体中では縦波・横波・曲げ波・ねじり波などとして伝播できる。それら縦波以外の波も広義の音波に含む場合がある。

人間の可聴周波数より高い周波数の弾性波を超音波、低い周波数の弾性波を超低周波音と呼ぶ。超音波とは人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ弾性振動波(音波)である。 超音波は可聴域の音と物理的特徴は変わらず、人が聴くことができないというだけである。広義の意味では、人が聞くこと以外の目的で利用する音を意味し、人間に聞こえるかどうかは問わない。超音波はさまざまな分野で利用されている。

公害問題としての人間生活に係わる騒音および騒音影響の分野で使用される場合は、低周波騒音と称される。また、以前は低周波空気振動と呼ばれていたこともある。 低周波音の影響は、住宅などの建物や建具のがたつきとして現れたり、また、人体への種々の影響という観点で扱われる。ヒトが知覚可能な強さの音(音として聞こえる場合、または、音としては聞こえないが振動として感じる場合)では、わずらわしさが一番の問題となる。

また、ヒトの聴覚では基本的に20Hz以下の音を感知することはできないとされるわけだが、その20 Hz以下の音は超低周波音と呼ばれる。この帯域では、相当に強い音圧でなければ、通常ヒトには知覚できないが、窓等がガタガタと鳴るなどの共鳴が起きる原因となる。また、不定愁訴の原因の1つとして、健康に悪影響があるとも言われ研究されている。

音の大きさはその圧力または常用対数を用いたデシベル値で表される。人間が聴くことのできる最も小さな音はおよそ20µPa(音圧レベル0dB re 20µPa)である。音圧レベルが85dBを越える音を長期間聴きつづけると、耳鳴りや難聴などの聴覚障害を引き起こすことがある。130dBでは人間の聴覚が安全に耐えうる限界を越え、重篤な痛みや永続的障害の原因となりうる。

人間や多くの動物は音を聴くのに耳を使い、聴覚器官の聴覚細胞が音によって刺激されることにより音を感じる。ただし、低い周波数の大きな音は体の他の部分を通じて触覚により振動として知覚される。

<音速>
音波を伝える速さは物質によって異なり、しばしば物質の基本的な特性として示される。一般的に、音速は媒質の弾性率と密度との比の平方根に比例する。これらの物理特性と音速とは周囲の状況によって変化する。例えば、大気などの気体中の音速は温度に依存する。大気中の音速はおよそ344m/sであり、水中では1500m/s、鋼鉄の棒では5000m/sである。音速は振幅(音の大きさ)にも僅かに依存する。これは倍音の弱い成分や音色の混合など、非線型の伝達効果のためである。

<音圧>
音圧は、音波によって引き起こされる周囲からの圧力のずれである。空気中ではマイクロフォンによって、水中ではハイドロフォン(英語版)によって測定される。SI単位系において、音圧の単位はパスカル(記号:Pa)である。瞬間音圧は、ある点でのある瞬間の音圧である。有効音圧は、ある時間内で瞬間音圧のRMSをとったものである。音を波として記述したとき、音圧と対になる変数は粒子速度(英語版)である。 振幅が小さいとき、音圧と粒子速度は線形の関係にあり、両者の比が比音響インピーダンスである。音響インピーダンスは波の特徴と媒質の両方に依存する。ある瞬間の局所的な音の強さは音圧と粒子速度の積であるため、ベクトル量である。

<音圧レベル>
人間は非常に幅広い強度の音を感知できるため、音圧は常用対数を用いたデシベルで表されることが多い。

ちょっと分かり易くアレンジしたところもありますが、こうして定義してみると面白いですね。もっと掘り下げたくなります。

私なんかは音と言えば「音楽」です。それを普段は可聴帯域だけで耳で感じとっている訳ですが、例えばライブやクラブでの臨場感ある大音量や、ハイエンドオーディオでのリスニングで感じることはといえば、可聴帯域を超えた世界が広がります。しかし何故でしょう?昨今のライブハウスではマイクで音を拾い、ミキサーやアンプなどの機器を通してスピーカーから大きな音として出力されます。その音というのは可聴帯域だけが出力されているのでしょうか?そこがどうやら違うのです。

ツイーターからは20000Hz以上、サブウーファーからは20Hz以下の音がしっかりと出力しています。それが聴覚以外の感覚をも刺激するからこそ、臨場感という感覚を得ることが出来ているのではないかと実感します。またその世界を所謂ハイレゾ対応機器でレコーディングしたらやはり、これまで可聴帯域をカバーするCDクオリティを超えた音質を得ることが出来るのだろうと容易に想像できますよね。そう考えると我々は様々な進化を遂げている中で、音にかかわるテクノロジーも日進月歩で進化してるんですよね。

じゃあその音を快適に心地よく聴くために、電気と音の関係を考えたいと思います。
●電気と音の関係
昔々蓄音機の時代はゼンマイや手動で回転させレコードを再生していましたが、現在では音響機器(オーディオ機器)から音を出すためには電力を欠かすことは出来ません。その詳細なメカニズムはさておき、音を出すために必要な機材は様々で、例えばアナログレコードを聴くためには、レコードプレイヤー(ターンテーブル)、アンプ、スピーカーなどが必要です。
まずレコードですが、レコードには溝があり、その溝に音声情報が収録されています。その音声情報を針で読み取った振幅の情報を、電気信号に変換し増幅させ、ミキサーやアンプに電気信号を送り、アンプからスピーカーに、そして私たちの耳へレコードの音声情報が届きます。

そうしたサウンドシステムで音声(音楽)を聞くためにはこのようなプロセス(機器)があり、その機器を繋ぐのが電流、つまり電気なのです。そして音をオーディオ機器から出すということは、音声信号・電流をコントロールするということ。では音源を聴くために必要な機器を選ぶ基準は何でしょう?。おそらくリスニング環境や規模、必要性、音質、デザイン、予算といった複合的な要素が選ぶ基準となることと思います。

仮にご自分で必要な機材を選んだとしましょう。それらの機材は評判や音質重視であったり、コストパフォーマンス重視だったりと、どこかに重点を置かれたチョイスとなっていることだと思います。とはいえお金をかけるかけないにかかわらず、出来ることなら良い音で聴きたいというのが心情というもの。

スピーカーひとつ取ってもクオリティはピンキリです。では何故ピンキリなのか?その答えのひとつとしては、同じ出力のスピーカーでもエンクロージャー(筐体)やユニット(スピーカー)、回路などにかかるコストの違いが結果として販売価格となります。大量生産と少量生産とでは、如何に同じ材料で作ろうとも初期に掛かるコスト(設計、成型の為の金型費用、材料費など)としての負担が販売価格に反映されます。

最近の話して例えるならSONYが30万円のWalkmanをリリースした際、「この新しいWalkmanは他社が販売したら80万はする程のクオリティ(価値のある)ものです」と豪語しました。その背景には製造数量と流通販売の実績や自信があったからこそ豪語したと言えるでしょう。他方、高級感をブランドの柱として、高級な材質や、高級感漂うマテリアルを使用し、殊更「高級」を押し出すメーカーもあるのです。実質的な性能はよく知りませんが、イメージ(ブランディング)で価値を売るといったオーディオ業界あるあるといったところでしょうか。

話が逸れましたが、電気と音の関係に欠かせない理由のひとつとして、機材のチョイスは肝要です。ひとつひとつの機材は組み合わせで良くもなるし悪くもなる。如何にそれぞれが良い機材だとしても、出したい音を出すためには相応の組み合わせが必要です。そしてそれらは電気(信号)で繋がっているということを忘れてはいけません。

先ほどスピーカーの話をしましたが、音質の本質、それは素材です。そのスピーカーに組み合わされた素材ひとつひとつが音質に深く関わっており、エンクロージャー、ユニット、回路それぞれに音質の性格があるのです。それぞれの性能・構造と材質、その響き(鳴り)、使用部品の特長がトータルでそのスピーカーの音質となり、リスニング環境で音を出すことにより、スピーカーの性能と特長を電気信号の最後の出口として耳で感じることが出来ます。

レコード(音源)の音を耳で感じるために幾つかの機器を電気信号が通過し、スピーカーから出る。メカニズムとしては単純なものですが、要するに各機器は電気の通り道を如何にあなたの耳に心地よく届けてくれようかと、試行錯誤を繰り返し開発されたものだと理解して頂ければ分かり易いのではないでしょうか。そこにそれぞれの機器の特徴が集約されているのであれば、機器を選ぶ際、どこに重点が置かれているのかを意識することで、もしかしたらベストチョイスが出来るかもしれない。まあ僕ならデザインで選びますが  笑。

いやいやそういうことではありません。実は機材を選ぶ他にも気にしなきゃいけない要素がまだあるのです。だから敢えてここでご説明させて頂きたいのです。電気と音の関係をより明確にするために。そうです、機器と機器を繋ぐ、そう!ケーブルの存在を知って頂くために!

…なんて息巻いておりますが、すみません、実は今までの話は全て余談です。電気と音の関係に密接にかかわる要素、分かり易いですよね、ケーブルです。

え?ケーブルがどうしたの?機材を繋いでるだけじゃん、と思ったそこのあなた、まあ間違ってない。確かに機材の音は出ます。機材の特徴も出ます。

ですがケーブルの音質傾向もしっかりと耳に届いているということを覚えて帰って頂きたい。しかも電気と音の関係においてこれ程シンプルで分かり易いものもないんじゃないでしょうか。導体(電線)に絶縁体、シールド(マイナス極)があって外装(シース)で出来ているそれが、ケーブル。ケーブルには太さや硬さ、容量、材質の違いがあります。そんなケーブルの導体を音声信号が流れることで音が出ます。スピーカーの素材の話でも触れましたが、ケーブルに於いても、容量(導体の太さ)や素材の違いでそれが音質に反映します。そこがケーブルを侮れないところであり、僕がオヤイデで仕事をしている最大の理由です。

エフェクターをご存知でしょうか?例えばロックギターをかき鳴らす音の歪み、あれ、ディストーション(だけではないですが)といって音響信号を増幅回路で増幅した後、クリッピング素子に過大入力として与えることで、意図的に歪ませる機器、あれがディストーションという所謂エフェクターというヤツです。

そしてディストーションは様々なメーカーから何種類も販売されていますが、同じ「ディストーション」にもかかわらず、各メーカーごとに特徴のある音を出すわけです。何で?解らないのでパカッと開けて回路を見ますが至ってシンプル。別の似たようなディストーションの回路と見比べても大差ありません。

じゃあ何が違うのか?そこがポイント。シャーシ(筐体)の材質が違う、接続パーツが違う、回路が違うなど、ちょっとした性格の違いがそうした組み合わせの違いから音質傾向の違いに結びついていることが解ります。何でもそうです。スピーカーでもアンプでもターンテーブルでも。そしてケーブルでも。

中でもケーブルは単純明快。しかもオヤイデさんはオーディオ用ケーブルのパイオニアと言っても過言ではない、創業60有余年の老舗電線屋。殊ケーブルに関しては他の追随を一切許さないというスタンスで駆け抜けて参りました。というかユーザー(皆さん)とのやり取りによる経験と実績が礎となって現在に至っているもんだから、いまだにユーザーのニーズをいち早く感じ取ることのできるスタンスなので、60年間、「要るものを要るだけをモットーに」やってきております。

また脱線しましたが、このように電気と音にケーブルは深く関わっていることを覚えて帰って頂きたいと、そう思っております。

要はケーブルの材質、構造、サイズでも音質は変化します。電気の通り道が狭く細ければ音も狭く細いというように。機器にはそれぞれ最適な電気容量があり、それに合わせたケーブルをチョイスしてあげないと思いもしない音質になってしまう恐れすらあるのです。

例えばギターとベースがあるとします。その音域は大体
ギター:6弦OF→82Hz~1弦23f→1,245Hz
ベース:4弦OF→41Hz~1弦23f→370Hz

と、当たり前ですが発音する帯域には差があることが分かりました。そこで過去にオヤイデで販売していた外径6mm位のQAC-202と少し太い外径8mm位のQAC-212というラインケーブルを使用し試聴をすると、QAC-202はギターに最適な周波数帯域をカバーしたものでした。しかしベースにそのケーブルを使うと高域の発音は良いのですが低域に物足りなさがある。そこで少し太いQAC-212を使用したところ、QAC-202の音質を踏襲したまま帯域だけがベースの発音帯域をカバーしたのです。そこでその少し太いQAC-212をギターに使用してみると、低域の豊かさはあるものの、ギターのオイシイ帯域がこもった感じに聞こえてしまいました。そうです、お察しの通り、それぞれの楽器の出力や周波数レンジにハマるケーブルをチョイスすることで、理想的な音質に近づくことができるということなのです。

そして先ほどから言っている通り、ケーブルにはサイズだけではなく、素材の違いや組み合わせでも音質傾向を追求することが出来るのです。その開発をオヤイデ電気は40年の間繰り返してきたといっても過言ではありません。その過程では国内外の高級オーディオメーカーの目玉の飛び出るような高級機器にあやかったような高級ケーブルが登場したり、どんな材料を使っても音はその材質に依存するものなので、塩漬けにした材料を使って作りました、みたいなオカルトチックなものが売られてたりすることで、いかにもマニアと名の付く人種が喜びそうなネタが横行してしまったもんですから、都市伝説的に「オヤイデの電源ケーブルで炊いたらご飯の粒立ちがいい」みたいな揶揄も聞こえてくるようにはなりましたが、そこは有名税じゃないですが、この業界を事実上リードしてしまっているので仕方ありませんが、性能の割に過度に高級なオーディオケーブルが横行してしまったことが、その代償として誤解を生むこともあるという実感もありますが、実は音の違いというものはデータ化できないとしても耳で聴いた音が、ロジカルに証明してくれます。

しかしなにぶん音の違いというのは聴くポイントに対し意識を強く持たない限り、分かりづらいものだったりするので、中には全然わからないと感じる人もいれば、敏感な人はこの帯域のここがこう変わったと感じる人もいます。ただ、好みの音がどういうものなのかということを追求していく過程で、自分はどういう感じの音質が好みなんだということに気付いてもらえれば、その一助としてケーブルが役に立つことになるでしょう。

●オーディオケーブルの歴史
そんなオーディオケーブル、歴史と呼べるものはあるのでしょうか? 良く知りませんが自分の知っている限りでは、オヤイデのブログで見たのですが、オヤイデ電気は秋葉原に店舗がありまして、電線屋を営んでいたのですが、さすが秋葉原、マニアの巣窟です。オーディオマニアの皆様の探求心と言いますか、オーディオを買いに来たお客様が付属ケーブルでは飽き足らず、産業用電線を漁り始めたらしいのです。そしてその風潮が次第に自然に定着するんですね。オーディオマニア恐るべしです。そうした流れを敏感に察知した先代のオヤイデ電気会長、故・小柳出一二が1976年、日本初、オーディオ向けに考案したオリジナル製品第1号のテーブルタップ「OCB-1」を発売したのが評判となり、あの電線屋(オヤイデ電気)に行けばオーディオ用のケーブルが作れるらしいぞと、噂が噂を呼びました。
そんな中、特にケーブルに拘ったと云われるオーディオ評論家の江川三郎氏が、オヤイデ電気で取り扱っていたリッツ線に着目。「電線によって音が変わる」ということを提起したことをきっかけに、オーディオ専用のスピーカーケーブル開発が始まり、1980年に誕生したのがリッツ線を使用した「OR-800」スピーカー・ケーブルということらしいのです。こうしてオーディオ専用ケーブルの開発に乗り出したオヤイデ電気は、オーディオ専用ケーブルメーカーのフロンティアとしての歩みを始め、前社長である村山智がオーディオ専用ケーブルの開発に拍車をかけ、オヤイデの定番商品をリリースし続けて、2008年にDJ用のブランドとしてNEO/d+シリーズをリリースしたのですが、これもまたロングセラーとなっており、様々なジャンル、チャンネルでオヤイデのケーブルを体験してもらうことが出来る状況となったのです。

このオヤイデの歴史というのは、大げさでなくオーディオケーブルの歴史の一端を担っているのは、すべてを誰かの真似ではなく、ユーザーの要望を基に開発してきた結果だからなんじゃないかと思います。実際。その証拠に他メーカーに追いかけられることはあっても、追いかけたことは一切ないですから(大きく出てますが 笑)。

●じゃあオーディオ用ケーブルの種類ってどんなのがあるの?
電源ケーブル
スピーカーケーブル
ラインケーブル(インターコネクトケーブル)
フォノケーブル
シェルリードケーブル
内部配線用ケーブル
USBケーブル
LANケーブル
SPDIFケーブル
BNCケーブル
ヘッドホン/イヤホンケーブル
などなど。こうした種類のケーブルでオーディオや楽器・機材を繋いでいきます。

●そしたら音質におけるケーブルの効果ってちゃんとあるんですか?
現状のサウンドシステムで何を求めるかによってケーブルの役割が決定付けられます。人間は感覚的に耳障りの良さや気持ちの良い音や、出音ひとつひとつの分離感を求める聴き方や、ライブ感を重視したり、荒々しさを求めたりと、リスナーによってポイントや聴き方が違うもので、本来出音をどうしたいかで、選ぶ機材やケーブルを選んで頂ければと思います。

まず好みのジャンルがあれば、そのジャンルにあった音質傾向の機器やケーブルを組み合わせて使用すれば相乗効果として、リスナーの希望に近付けることができるでしょう。またジャンルを問わずという場合でも、癖のないといわれる機器やケーブルをチョイスすることで満足のいく結果を得られるかもしれません。

というわけで音質に対するケーブルの効果と考えた場合、まずサウンドシステムありきという所からのスタートとなる筈です。

ちょっと待てよ!ケーブル変えても音なんか変わんねーよ!大体そんなのプラシーボに決まってるじゃんかよ!とおっしゃってる方、いないですよね?もし万が一いらっしゃったらもう一度この無駄に長い文章を見てみてください。どうして音質に変化が表れるのかということをいくつかの側面でご説明をしております。

実際体験したければ、100円ショップで売っているイヤホンとiPhoneに付属しているイヤホンを聴き比べてみてください。そして何が違うのかを検証して頂ければきっと何となくその理由がわかるような気がしてくることでしょう。

それから!以上のお話はあくまでもあーしろこーしろというお話ではありません。音響機器もケーブルも、使いたいものを使いたいところに適材適所に使うことで、効果を理想に近づけることが出来るのだと思います。

兎に角、殊ケーブルに於いては古今東西、大した進化のない中、オヤイデ電気はそこを技術とアイデアでカバーしております。うんちくや見た目だけではない、オヤイデ電気のケーブルの実力を是非、ご体感頂ければ幸いでございます。

またご質問等あればメールでも電話でも承っておりますので、お気軽にご連絡ください!

長っ!お疲れ様でーす。



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