USB Type-Cケーブルも自作したい!
「OTGって何?」
「プルアップ抵抗って?」
「ただハンダ付けすれば良いわけじゃないの?」
そんな疑問もサヨナラ!これでUSB Type-Cケーブル(USB2.0用)も自作できるようになります!
もし「他のUSB端子も自作したい!」という方は、併せて下記ブログをご参照ください。
【DIY講座】<<USB-Aコネクタ編>> |
【DIY講座】<<USB-Bコネクタ編>> |
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【DIY講座】<<USB-MicroBコネクタ編>> |
今回使うUSBケーブルはこちら!
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オーディオ用USBケーブルとして好評いただいている「ソリッドオーグラインUSBデジタルケーブル」を使用します!こちらはオヤイデ電気特注の特別仕様です!
(オーディオ用で作らない方は下記のケーブルでも製作可能です。)
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当ブログでは【CtoC OTG仕様】で製作します。
USB-Cコネクタは下記の組み合わせとなります。
【親機】USB-C(OTG接続用5.1kΩ) - 【子機】USB-C(通常用56kΩ)
【大事】通常タイプとOTGタイプでは、内部抵抗が異なります。 |
”USB On-The-Go”とは?
USB On-The-Go(略してUSB OTG)は、USB機器同士を直接接続するインタフェース規格のこと。OTG接続を行えば下記のような組み合わせも可能になります。
- 「OTG対応DAC/アンプとAndroid端末」
- 「Android端末とマウスやキーボード」
- 「Android端末と外付けSSDや外付けHDD」
- 「デジカメとプリンター」等
本来パソコンを介して接続する機器を直接駆動させることが出来る為、USB-C機器の拡張性を向上させます。
”通常(56kΩ)とOTG(5.1kΩ)の違いは何?
USB-C端子をUSB2.0規格で通信する場合、USB CtoC以外の組み合わせは「USB Type-Cレガシーケーブル」という扱いとなります。通常のUSBレガシーケーブルは両端異なる形状のコネクタタイプを使用していますので方向性を誤ることはないのですが、USB-Cの場合は内部抵抗値を参照して伝送方向を管理します。
具体的には「接続方法に応じてプルアップ抵抗・プルダウン抵抗をGNDと接続すること」が規定されています。コンシューマーにとっては分かりにくい仕様ではありますが、世の中にはDRP(Dual Roll Port)が搭載された機器が多く存在しているので、大概は方向を気にせずとも問題なく動作するようになっています。
【参考URL】
@IT(ITmedia様) 【USB】第5回 既存のUSBコネクターの問題を解消する新規格「USB Type-C」とは
【その他、接続例】
CtoC接続の場合
USB-C(通常用56kΩ) - USB-C(通常用56kΩ)
AtoC接続の場合
USB-A - USB-C(通常用56kΩ)
CtoB接続の場合
USB-C(OTG接続用5.1kΩ) - USB-B / MiniB / MicroB
充電用USB-Cケーブル
USB-C(通常用56kΩもしくは5.1kΩ) - 任意のUSBコネクタ(USB-Cは通常用)
【参考URL】
・USB Type-C Cable and Connector Specification
1:ケーブルの構造解説・剥き出し作業
ケ―ブルの被覆を約15mm剥く。
被覆を剥くと編組シールド+アルミテープが出てきます。ノイズ耐性抜群です。
編組シールドをほどきます。すると中から「ドレンワイヤー」が出てくるので探し出してください。
ドレンワイヤーとはアルミテープと編組シールドを導通させる為の線になります。
ドレンワイヤー以外の編組シールドを切り落とします。ハンダ付けスペースが狭い為、作業性を考慮してドレンワイヤーのみ処理します。
アルミテープを剥きます。この赤・黒が「電源線」になります。
紫のアルミテープを剥くと、緑・白の「信号線」と、ドレンワイヤーが出てきます。
ドレンワイヤー2本を撚り合わせます。最後にシャーシグラウンドと導通させ、シールド効果を発揮させます。
ここまできたら準備完了!合計5本の線を使ってUSBケーブルを作ります。
2:USBコネクタの半田付け
※通常タイプとOTGタイプの作り方手順は一緒です。
USB-Cコネクタの内部。全部で4つのパーツで構成されています。
【USB-Cの結線図】
1 :V(+5V) →赤
2 :D- →白
3 :D+ →緑
4 :G(GND) →黒
※表・裏の「V」「G」は繋がっています。
※画像をクリックで拡大できます。
※もし黒印が消えてしまった場合、チップ抵抗の値を計測して判別します。
まず製作を始める前に、「オーグラインUSBケーブル」を使用する場合、ほんの少しだけケーブル穴口径が小さいです。カッターやハサミで少し削るだけで使えるようになります。
なおコードブッシュは使用しません。
ケーブルにカバーを通しておきます。
本来ここで予備ハンダを乗せますが、こちらの基板には予備ハンダが乗っています。もし予備ハンダ量が少なかったら足してください。
結線図通りにハンダ付けを行います。
電線の剥き出し長は約2~3mm。ハンダ付け面と剥き出し長が同じ長さになるようにしてください。
※本体ブッシュはハンダ付け後に挿入してください。
USB-C端子を裏返して、シールド線をGND面にハンダ付けします。
シールド線はほつれないよう予備ハンダを行い、ハンダを浸透させておいてください。
※今回は基板側にも追い予備ハンダをしています。
本体ブッシュをコネクタ前面から挿入します。
オーグラインUSBケーブルのシースに限り、軽く被覆をしごくとシースが少し伸びます。基板側にシースを引っ張り、内部電線を保護することで、断線リスクを抑えることができます。
ちなみに見た目がチープなので、カバーを使用しないアレンジパターンも紹介!
クリアで基板が見えて逆にカッコいい(?)仕上がりになりました。
※裏技ですが「5V-GND間」にチップLED+チップ抵抗を入れて光らせることもできますよ。ゲーミング用とかに良いかもですね。
完成!
OTG端子側を「PANDUIT 9.5mm収縮チューブ 赤」にして、方向性管理しやすくしました。
如何でしたか?基板がついているのでハンダ付けは視覚的に分かりやすかったかと思います。
USB-C(USB2.0用)を自作する場合、何より気を付けないといけないのは「USBレガシーケーブルを製作する時、プルアップ抵抗・プルダウン抵抗の必要性を確認する」という点です。
コチラより仕様をご確認の上、安全に製作を行ってくださいね!
オヤイデ電気には外装用チューブも多彩に取り揃えております。是非好きな色で作ってみてください!
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オヤイデ電気直営店のPETチューブコーナー。 識別用途やオシャレだけでなく、複数のリード線を束ねる為に使用されたりもします。 |
以上、原田でした~。
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