こんにちは。
重度の冷え性持ちで、いつでもれいとうパンチが放てそうな男、鈴木です。
2023年も残すところあとわずか……皆様は幸せなクリスマスをお過ごしでしょうか。
今年は暖冬ということもあり、12月にも関わらず気温が22℃以上の日もあったりと、なかなかに珍しい年末だったように感じます。
世間ではインフルエンザも大流行中とのことなので、皆様体調管理には十分お気を付けてお過ごしください……
さて、本年最後のサンデンは一周まわって復習ということで、電線を選ぶ際の基礎の基礎、「SQ」に焦点を当てていきましょう。
電気機器の配線を選ぶ際、「○○SQ(sq)」という文字をよく見かけると思います。
私もオヤイデ電気に入社する前は某家電量販店で8年間程オーディオ機器の販売などをしていたのですが、店頭に在庫していたスピーカーケーブルや電源ケーブルのスペック欄にもよく記載されていたと記憶しております。
とはいえスピーカーケーブルの場合、使用する環境によって「これ以上の太さは絶対に必要!」と強制されることもありません。当時の私はあくまでも「この数字が大きくなるほど太い電線なんだなー」くらいの認識でした。
しかし、これが機械の設計などで「〇〇A(アンペア)以上を流したいけど、必要な電線の太さがわからない……」となると話は変わります。
必要なスペックに対して電線の太さが足らないと、最悪の場合は発火の原因になるからです。
そんな時に関わってくるのが「SQ(スケア)」なんですね。
●今更聞けない? 「SQ」ってなに?
SQ(スケア)とは……日本の電線の寸法規格、JIS規格及びJCS規格に規定されている電線の太さの単位のことを指します。
一般的には「撚り線」の太さを表す場合に使われる単位で、「単線」の場合はシンプルに直径の「mm」で表します。
SQの部分が具体的にどういう意味かといいますと、断面積の単位である平方ミリメートルを意味する英語「square millimeter(スクエア ミリメーター)」の頭の部分、「sq」だけをとってるんですね。
ちなみに記載に関しては大文字の「SQ」や小文字の「sq」以外にも、「mm2」と表すことがあります。読み方に関しても「〇〇スケア」以外に「〇〇スケ」など、少しだけ略して呼ぶこともあります。
このSQの数字というのは、数字が大きくなるほど太い電線を表します。
オヤイデお馴染みの換算表に記載されている外径を比較していただければわかる通り、「0.08SQ」よりも「0.3SQ」の方が太い電線、という感じです。
で、皆さんは換算表に記載されているSQの数字を見た時、なんでこんなにわかりにくいんだ?って思ったことはないですか?
アメリカなどで電線の太さを表す際に使用されるUL規格「AWG」のように、小数点以下の数字がない方がわかりやすいのでは?
例えば「1SQ」「2SQ」「3SQ」…数字が大きくなるほど太くなる…みたいな。
そんなシンプルな表記にできないことには理由がありまして、「SQ」が文字通り断面積を表していることが関わっているのです。
●SQは実物の電線から計算できる
来店されるお客様で、「電線の実物持ってきたけど、これが何SQかわからないんだよね。」ってことがたまにあります。
太い電線であれば被覆に記載してくれていることもありますが、細身の電線ではそうもいきません。
しかし!
そんな時でも大丈夫。SQは断面積ですので、計算で求めることができるんです!
とはいえ、それでもちょっとした小道具が必要となります。
それがこれ、「78935 / マイクロメーター」!
これがどういうものかといいますと、0~2.50mmまでの厚さを0.01mm単位で測定できてしまうという優れものです。
オヤイデ電気では販売こそしておりませんが、秋葉原直営店には常備しております。ちなみに市場では6,000円くらいで手に入るようです。
これをどう使うかというと……下記の通り!
1. SQを知りたい電線の被覆を剥きます。
2. 撚ってある芯線をばらして1本だけを取り出し、マイクロメーターで挟みます。
3. マイクロメーターをバイスの容量で絞めていくと、右側の数字がわかります。今回の場合は大体「18」の所に線がありますね。
4. この細い芯線1本が直径「0.18mm」の太さということがわかりました。
ってな感じです。マイクロメーターの出番は終了! ありがとう! また会う日まで!
1本の直径がわかったところで、お次はその電線に合計何本の芯線が入っているかをひたすら数えます。
今回の場合は「30本」でした。
この「何㎜の芯線が」「何本入っている」までわかれば、あとは算数の問題です。
まずは芯線1本の断面の面積を求めていきましょう。芯線の断面は基本的に円になっていますので、「円の面積=半径×半径×3.14」で求めることができます。
今回の場合だと直径0.18mmの半径は0.09mmなので、
0.09×0.09×3.14=0.025434
これが芯線1本分の断面積となります。
最後にこの数字に、電線の「芯線の本数」を掛けていきます。
0.025434×30=0.76302
つまり、今回調べた電線の断面積の合計は「0.76302 square millimeter」ということがわかりました。
これを先ほどの換算表で近い物を探しましょう……「0.75SQ」がありましたね。
つまりこの電線は「0.75SQ」の撚り線ということがわかりました。
つまり弊社の「Bx-s0.75sq(30/0.18)」の最後の部分は、0.18mmの芯線が30本入っているっていう意味だったんですね。
●まとめ
今回のサンデンは電線の基礎の復習「SQ」について説明致しました。
SQとはJIS規格に規定された電線の太さの単位で、電線の断面積を意味しています。
また下の計算式で求められます。
SQ=「芯線1本の半径」×「芯線1本の半径」×3.14×「芯線の本数」
今回のサンデンを通して、電線の太さって計算すればわかるんだー、くらいに覚えておいていただけると幸いです。
とはいえ小道具がないと非常に厳しいので、お持ちの電線の太さを知りたい場合は店頭でお調べもできます。お気軽に店頭スタッフにお声をお掛けください!
今回はここまで!それでは皆様良い年末を!
鈴木でした。
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https://oyaideshop.blogspot.com/2023/12/sq.html基礎の基礎を復習しましょう。今更聞けない? 「SQ 」ってなに?