2025年4月14日月曜日

銅についてのあれこれ【初級編】


  花粉症じゃないと10年くらい言い続けてますがくしゃみが止まらないし目が痒い、本多です。でも花粉症じゃありません(真顔)

 本日のサンデンは電線の中身の素材についてざっくり書いていきます。

一般的に我々の周りに存在している電線の中身といえば、そう「銅」でできた銅線です。

電源線や通信線などひとまとめに電線と呼ばれるものには主に銅の線が使われています。

数ある金属の中からなんで銅なの?って疑問に思う人、がいるのかわかりませんが、銅を採用しているのには理由があります。


一番大きな要因としては電気伝導率が高いことが挙げられます。

効率よく電気を伝えられるという点が一番評価されている、というわけですね。

ちなみに貴金属の中で一番伝導率が高いのは銀です。銅は次点、その後に金と続きます。

じゃあなんで一番伝導率がいい銀をメインで使わないのか?と言うと、単純にコストがかかりすぎるからなんですね。(オヤイデ電気で取り扱っている純銀線も年々高くなっていってます…)

数値は資料によって変わりますが、銅の導電率を100%としているものをよく見かけます。

銀は105%程で銅と近い数値ですが、金は70%程、その下のアルミニウムは50%ほどになります。

数値だけで比べてみても圧倒的に銅を使用する方が効率的かつ経済的なんですね。

ちなみに、発電所から伸びる架空送電線などには、よりコストと重量を軽くするためにアルミの送電線が使われています。


また、銅は柔らかく加工がしやすいという点でも重宝される金属です。

我々の身の回りでも調理器具ですとか、トップの画像に出ている10円玉のような日本の硬貨など様々な形に加工されて色んな所で使われています。

ちなみに日本の硬貨は1円玉(アルミニウム)以外は全て銅です、知ってましたか?

黄銅(5円玉)、青銅(10円玉)、白銅(100円玉)などいろいろな金属との合金が使われています。

近年の真ん中が銀色の500円玉はニッケル黄銅と白銅を組み合わせた「バイカラー・クラッド硬貨」と言うそうです。


と、少々脱線しましたが、加工性の良さも電線として電線として使われている一つの要因として考えてよいでしょう。



さて、銅線も細か見ていくと色々と種類があり、銅線の素材となる銅には「硬銅」と「軟銅」とが存在しています。それぞれを電線として使用する際は「硬銅線」「軟銅線」と呼びます。

硬銅線

伸線により冷間加工された硬質の銅線です。引張強度が高く、腐食に強い特性があります。

架空送電線や避雷針など、屋外や湿度の高い環境で使用されることが多いです。


軟銅線

硬銅線を加熱して、冷却処理により発生する残留応力を除去した銅線です。柔軟性に優れており、手や工具で簡単に曲げたり成形することができます。

一般的に家庭などにある通信ケーブル、電源ケーブルなどに使用される銅線はこちらが使用されていることが多いです。


また、先の硬貨の例のように銅自体にも色々と種類があります。

黄銅や青銅などは他の金属との合金ですが、純銅(赤銅)は純度による呼び方の違いが存在しています。

オーディオを齧ったことがある方ならOFC(無酸素銅)やPCOCCなどといった名称を耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。

産業帯、つまりは一般的に流通している電線に使われている銅線にも実は「タフピッチ銅(電気銅)」という名称が付いています。


【タフピッチ銅とは!】

・タフピッチ銅(TPC:Tough-Pitch Copper、C1100)

純度の高い純銅と呼ばれる銅の一種を使用した銅線で、純度99.90%以上のものを指します。

導電性が高く、加工性に優れており、一般的に家庭などで使用される銅線の大半を占めます。

0.02~0.05%程度の酸素を含有しているので、高温環境下(600℃以上)では水素脆化※を起こすという欠点があります。

※水素脆化:金属に水素が吸収されて強度が低下し、もろくなる現象。


オンラインショップの商品ページにも実は記載がありますし、秋葉原店の店員からも実はよく飛び出すワードですので覚えておきましょう。



ここいらで今回のまとめをしておきましょう。


・銅線は電気導電率が高いから電線として一般的に採用されている。

・銅線は「硬銅線」と「軟銅線」で使用環境などによって使い分けられている。

・産業帯で使われる銅線は基本的に「タフピッチ銅」!


本当にざっくりとした記事でしたが、次があればはもう少し細かい話をできればと思います。


それではまた次回、本多でした。


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