こんにちは、本社新人アルバイトです。
[オヤイデ基礎講座]、第4回ではTSケーブルの作成をご紹介し、これだけでも楽器系であれば相当な種類の楽器に使えるケーブルが作成できるようになりました。
ただし、実際音楽を作っていくうえで一般の方々でもよく使うコネクターはまだまだあります。
というわけで今回はその中の一つ、
2芯シールドケーブルを使用した、はんだ付けでのXLRケーブルの作成
をやってみましょう。
TS、TRSなどよりはXLR、という呼び名は聞いたこともある方も多いのではないでしょうか。
主にはマイクを接続する際に使用するあの3ピンの丸いコネクターのことです。
また、前回のTSフォンはほぼ楽器やレコーディングで使用する機会が主なコネクターでしたが、今回のXLRコネクターは近年ホームオーディオの機器にも使用されていることが多いコネクターです。
今回はマイク向けに3m一本での作例としていますが、これをより短い長さでLR2本分に応用してしまえばオーディオ用ラインケーブルも勿論作成できます。
また、オヤイデ製完成品のXLRケーブルは元々何種類かありまして、それと似たようなものを作っても自作としては面白みがないため、今回は楽器向け2芯ケーブルQAC-222Gを使用してXLR仕様のケーブルを作ってみました。
確かにこのケーブルの基本の音質傾向としてはギター・ベース向けではありますが、それを活かしてアンプからのマイク録りのためのケーブルとして使ってもよし、近年見かけるボーカルエフェクターを多用するようなスタイルで活動されている方には音質的にも、見た目的にも赤でステージ映えしてよいのではないでしょうか?
(ちなみに実際にQAC-222Gマイクケーブルをプロのレコーディング現場で使用いただいた例はこちら)
それではやっていきましょう。
[続きはこちらから]
※こちらの内容はオヤイデ電気コーポレートサイトの自作・工作集にも掲載しております。ぜひそちらもどうぞ。
今回使用する部材

・OYAIDE/NEO QAC-222G 3m
・Neutrik NC3FXX-B XLRコネクター(メス) ×1
・Neutrik NC3MXX-B XLRコネクター(オス) ×1
用意する工具

・ペンチ
・ニッパー(金属用)
・ピンセット
・テスター (音でチェックできる機能のものが好ましいです)
・はんだごて (高めの温度が細いこて先で使えるもの推奨)
・はんだ
・バイス (各プラグ固定用)
作業手順
※製作にあたり個人の責任で行ってください。

今回使用するNeutrikのXLRコネクターは、写真左のようにそれぞれパーツがバラバラに入っています。
失くさないように注意しつつ、その中のブッシュ部分をケーブルの両端から通します。今回ケーブルにあらかじめ通す部品はこれだけです。
ケーブルを端から20mm程剥きます。慣れてくるともう少し短く作れますし、なるべく剥く長さは短い方が耐久性は出るのですが慣れていない方はこのくらい長く剥いてしまいましょう。



露出したシールド線の編組を丁寧にほどき、一か所に束ねます。
今回のQAC-222Gをはじめ、オヤイデブランドのシールドケーブルは外来ノイズを出来るだけ抑えるためかなりしっかりと組んであるシールドのものが多いです。テスターの棒の先や針状のものをつかって根気よくほどきましょう。



2つの芯線を固めている樹脂層を取ります。写真のようにまず芯線を傷つけないよう大まかな切れ込みを入れ、一周切り切れていない部分などを先で切るような順番で切ると綺麗に取れます。この場合にやはり刃先まできちんと切れるヘビースニップが便利です。


2本の芯線を両方とも端から3~4mmほど剥きます。これで、剥く作業は片側分完了です。
勿論反対側も同様に行います。



両方剥き終えたら各線束に予備はんだをしていきます。
予備はんだとは、ケーブルを任意の場所にはんだ付けする前に、ケーブルにあらかじめはんだを染み込ませる、またはコネクター側のケーブルを付ける位置にあらかじめはんだを盛っておくことを指します。
この時、なるべく元々の線束より太くならないよう最低限のはんだの量を染み込ませます。
また、この時シールド線の束のみ長くなってしまっていたら、あらかじめ切って長さをそろえておくとよいでしょう。



今度はコネクター側に予備はんだをします。
写真を参考に各はんだ付け部分に少量のはんだを盛ります。
こちらも盛りすぎてしまうと後々はんだ付けをする際に溶けにくくなって失敗する原因にもなりますので注意しましょう。


各部分の加工もこれで完了なので、はんだ付けに入ります。
その際に、どちらでも問題なく使用はできるのですが、メーカー推奨としては印字の向きと信号が流れる向きを合わせてコネクターを付けます。
今回の場合XLRコネクターはオス・メスがあるので、信号の上流側であるメス側をケーブルの印字の頭側("QAC-222G"と書かれていた時の"Q"側)に付け、信号の下流側であるオス側をケーブルの印字の末尾側("QAC-222G"と書かれていた時の"G"側)に付けていきます。

まずメス(NC3FXX-B)側からはんだ付けをしていきます。
コネクターのはんだ付け部分を見ると、写真上のように小さく番号が振ってあります。
その中で、XLRコネクターの極性は規格がほぼこのように決まっており、今回のQAC-222Gでは、2番HOTを青色芯線、3番COLDを白色芯線、1番GROUNDをシールド線で付けていきます。
ご自身で判別できていれば、2番と3番は色が逆でも問題ないのですが、1番GROUNDがシールドであることは基本的に変わりません。
ただし、現代機器ではほぼありませんが、ヴィンテージ機器で稀にピン配置と極性がこれと異なる場合があるので、その場合は機器にある表記を見ながら極性を合わせてください。



バイス等にコネクターを固定し、はんだ付けをしていきます。まず利き手ではんだごて、逆の手でケーブルを持ち、自分から見て一番奥側の箇所から付けていきます。
(写真は右利きの場合、一番奥には2番HOT→青色芯線が来るのでそこを最初にはんだ付け)
そして、一番奥の1箇所を付けたら、あとはケーブルは固定されるので、残りの2箇所を奥側から順にピンセットで固定しながら付けていきます。
この時、はんだを足したりすることはありません。各予備はんだのみを溶かして付けていきます。

オス側も同様に行っていきます。
こちらにも、小さく番号が印字されているので、写真上のように極性配置と照らし合わせて付けていきます。
配置的には先ほどのメス側とは左右逆になります。



オス側のピン部分のパーツは、そのままだと写真と同じミニバイスではうまく挟むことが出来ませんが、写真のように付属のクランプパーツを一緒に挟むと固定が出来ます。
また、ピン自体を挟みながら作業すると、はんだ付けの熱でパーツの樹脂部分が溶けてしまい、ピンが斜めに歪んでメスに刺さらなくなってしまう失敗も起こり得るので、なるべく樹脂の部分でうまく固定できるように工夫しましょう。
こちらもまた奥側1箇所からはんだ付けします。
(写真は右利きの場合、一番奥には1番GROUND→シールド線がくるのでそこからはんだ付け)
その後も同様に奥から手前にはんだ付けをしていきます。
各はんだ付けの仕上がりとしてはこんな感じです。
芯線の被覆がやや溶けやすいのと、作例では写真撮影の都合上長めに熱をかけたので被覆が溶けて歪んでいますが、XLRコネクターではそれぞれの極が十分離れているので、多少このくらい溶けて線が露出してもほぼ問題はありません。
ただし、熱を加え過ぎるとはんだ付けした付近だけではなく剥いていないケーブルの部分まで熱が伝ってしまい、そちらが溶けてショートする可能性はあるため、短時間で素早くつけることを心がけましょう。
はんだ付けが完了したら、それぞれクランプパーツを付けます。
Neutrik社のコネクターのこのパーツは写真のようにスリットがついているため、ケーブルにあらかじめ通しておく必要はありません。
また、先ほどはんだ付けした各パーツの樹脂部分に丁度かみ合わさるような凹みがついているので、そこに合わせる形となります。



各端をハウジングに収めていきます。
それぞれオス・メスで勿論形状が違うため間違わないように注意するのに加えて、各ハウジングの中で向きが決まっており、それに対応した樹脂パーツ側の突起とハウジング側の溝があるため、それらをきちんと合わせて入れます。

正しくハウジングに入れられていれば、写真のようにメス側はコネクターの前面が平らに揃い、オス側は端から少しだけ奥にピンの端が来ます。
その後、あらかじめ通しておいたブッシュをハウジングへねじ込む形で固定します。
これにより先ほど通したクランプパーツが中で閉じてケーブルを固定する形なので、回して入れる際に少し抵抗がありますが、ハウジングに当たって止まるまでしっかり締めましょう。


これで一通りの作業は完了ですが、完成したら必ずテスターで確認しましょう。
同じ番号の極同士で導通していることは勿論、違う番号同士では導通していないことも確認します。
その際、XLRコネクターでは正面から見た時の配置がオス・メス・で左右逆になることにも注意しましょう。
テスターによるチェックでも問題が無ければ完成です。
皆様の自作の参考になりましたら幸いです。
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