2023年7月28日金曜日

ギターオタクが選ぶシリーズ第2弾、『Sommer Cable / The Spirit XS』切り売り開始!

ギターオタクが選ぶシリーズ第2弾、『Sommer Cable / The Spirit XS切り売り開始!

Sommer Cable / The Spirit XS \800/m(税別)
【 商品ページはこちらから 】

2019年取り扱い開始直後から好評いただいている「The Spirit XXL」ですが、その弟分的な存在「The Spirit XS」が新登場!一体どのような違いを持っているのか、ケーブル屋目線で深堀解説しちゃいます!

Sommer Cableとは?


ドイツのシュトラウベンハルトにあるSOMMER CABLEは、ヨーロッパでトップシェアを誇るケーブル専門メーカーとして知られています。
OFC(無酸素銅)線による圧倒的な伝導率と独自のシールド技術、そして他に類を見ない「ケーブルのしなやかさ」が特長です。他メーカーと比べ、電気特性の驚異的な正確さと誤差の少なさが認知され、現在では115ヶ国以上で採用されています。
SommerCable GmbH(English) » http://info.sommercable.com/

The Spirit XSの特徴

Sommer Cableの定番ギターシールド「Spirit XXL」の細径モデルで、Spirit XSはパッチケーブル用に作られた製品です。

<Sommer Cable/Spirit XXLの解説はこちらから>

外径は5.8mmと約1.0mmも細くなっています。(Spirit XXLの外径は6.8mm。モガミやカナレの一般的なギターシールドは6.0mm)
Spirit XSは外径が細くなっているにも関わらず、Spirit XXLと同じ導体サイズ0.75sqを備えています。シース厚以外は全て同じ構造で、外径だけ細くなっているようですね。

しかもSpirit XS「Spirit XXLのシース厚を薄くしただけ」という仕様。
極力仕様変更しないことでSpirit XXLとの音質差異に配慮されており、静電容量はSpirit XXLと同じ76pF/mとなっています。



音色はSpirit XXLと似た部分がありますが、若干レンジが狭くなっている印象です。本当にシース厚だけなのだろうか?と思ったのですが、実はそれ以外にも変更点がありそうです。

それについては一緒に仕様を深堀していきましょう!


ケーブル屋目線でThe Spirit XSの特徴を挙げるとすれば「Spirit XXL譲りの導体構成」「特殊なシース」の2点が肝と言えます。

導体断面積はAWG18(0.75sq)と他では例を見ないほどの太さを使用しており、中音域の図太さを生み出しています。さらに素線構成が「0.15mm×42本」となっており、これが日本では珍しい導体構成で、ケーブルとしての個性を発揮していると言えます。細めの芯線を多く束ねることで得られる倍音が個性になっていることでしょう!

(上)Spirit XS (下)Spirit XXL
光沢の違いが分かりますか?

Spirit XSはシース厚が薄くなっているだけでなく、PVC樹脂もさりげなく変更されています。Sommer Cableにはケーブル表面がシルクのような質感を持つ「ZILKシリーズ」というのがあるのですが、そのZILKシリーズのPVC樹脂を採用しているようです。触っていてめっちゃ気持ち良いですよ・・・(電線オタクキモ過ぎ)

画像で分かる通りXXLは半光沢で、XSは無光沢です。
ZILKシリーズのPVCは、モガミやカナレの感触に近く、ゴム感を無くしたような印象です。
樹脂の性質そのものが音質に影響を及ぼすので、実はここがSpirit XXLとの音質差を最も生んでいると思われます。

(2024/2月更新)
実はSpirit XSのシースはSpirit XXLと同じ材質であるのが正しく、前回入荷したZILKシリーズと同じ質感のPVCだったというのは「不具合だった」との報告がありました。
個人的にはZILKシリーズの質感が好きなので、少し残念な気持ちもありますが、まあ仕方ないでしょう😅

断面を見ると、シース厚が薄いだけなのが分かります。


絶縁体は「発泡ポリエチレン」を使用しています。発泡ポリエチレンは誘電率が低く軽量化できる点にメリットがあります。写真では分かりにくいですが、左の発泡ポリエチレンより右の発泡ポリエチレンの方が発泡率が高く、発泡率が高い方が信号の減衰を抑えることができ、尚且つ軽量で、ギターケーブルに特化していると言えます。
ただし発泡率が高いと固体として硬度が柔らかくなる為、円形をキープしにくくなる恐れがあります。Spirit XSに関してはパッチケーブル用途として割り切ることで、敢えてジャケットの厚みを薄くし、耐久性<軽量化・細径化に取り組んでいます。

ちなみにシースが薄くなっているのでSpirit XXLよりも「タッチノイズ」が出やすくなっています。長物ギターシールドとして使う場合、ステージ用には不向きだと思われます。

(上)Spirit XS (下)Spirit XXL
剥いてしまえばどちらも同じに見えます。

もちろん外径が細くなっているので取り回しも良好です。
Spirit XSの重量は43g/mで、Spirit XXLより2割ほど軽量です。体感はそれ以上に軽く感じます。パッチケーブルの数が増えるほど重量が気になるものなので、少しでも軽いのは嬉しいですね。

音質傾向

Spirit XXLに似た音質傾向を持ちつつ、低域をカットしたようなスッキリ傾向。相対的に中~高音域の抜けが良くなるため、エッジ感・アタック感を強調。倍音感はSpirit XXL譲りの気持ち良さが得られ、クリーン~クランチ系の音色との相性は抜群。

プラグのすすめ

パッチケーブルを自作するなら下記のプラグがお勧め!

REAN / RP2RCF
https://shop.oyaide.com/products-rp2rcf.html


オヤイデ店舗オリジナル / P-6.3L
https://shop.oyaide.com/products/p-63l_6mm.html


如何でしたか?

ちょっとした違いなのに、Spirit XXLと音色の違いを強く感じました。
ギタリスト的にはSpirit XXLの方がビッグなサウンドになって気持ち良いので、Spirit XXLが好きな方はXSも試してみることをお勧めします。

もし自作に不安がある方はオヤイデ電気に問い合わせていただければ特注製作します!お気軽にご相談ください。

Sommer Cable / The Spirit XS \800/m(税別)
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【Sommer Cable / Spirit XXL 紹介ブログはこちら】



以上、原田でした。


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