2020年7月30日木曜日

オヤイデ店員がオントモムックに出会ったら。~真空管イコライザーキット改造編~

 どうもおはこんばんにちは。
 小倉です。

 突然ですが皆さんは音楽之友社様のONTOMO MOOK STEREO編をご存知でしょうか?
 なんて言わなくてもきっとご存知ですね、つい最近弊社オヤイデ電気ともコラボで電源ケーブル自作セットを出させて頂いたばかりですし、あの時もあっという間に完売。

 その他有名メーカーとコラボレーションした様々な自作キットがハイコストパフォーマンスで手に入ったり、オーディオ情報満載のムックもあったりのお得なシリーズです。自分も毎度中々気になっては居たのですが、手を出せずにいました。

 そんなある日。

 本社からメモと共にA4サイズの箱が。
 メモには、

 『ブログネタにどうぞ』

 と一言。

 一体何かと思ったら、こちら。



 Luxman社様コラボレーション、真空管内蔵グラフィックイコライザーキットじゃありませんか!

 なんとも嬉しいご厚意、すぐ本社へ『やります!』と連絡をして、早速持ち帰り。

 勿論、このオヤイデ電気ショップブログに載せる以上、ただ組み上げるなんて事はしません。
 改造するべき点をチェックすべく、いざ開封。



 ????????????????

 回路全部組み上がってる!!!!!!!!

 なんの前情報も無しで開けてしまった自分も自分ですが。笑
 なんとて配線済み、後はネジで止めるだけの超親切設計ではありませんか



 確かにこれなら初心者の方や、ハンダ付け経験のない方でも気軽に購入し、楽しむ事が出来ます。

 しかし、ここはオヤイデ電気ショップブログ。
 何もせずに終わらせる訳にはいきません。

 策を頭の中で練りつつ、先ずは軽く組んで音出し。



 真空管の温かみが確かに付与されて、尚且つイコライザーの効きも良く、これは調整もしやすい、

 ですが、全く繋がない時と比べると、少し解像度が落ちた印象。それもその筈、繋ぐ時点で接点も増えるのでその接触抵抗は必至。尚且つ真空管の風合いの付与で帯域のバランスも少し解像度を担う部分からは逸れたように感じます。

 勿論、それをイコライザーとして弄り、さらなる音の良さを求めるのがこのムックの醍醐味。あまり電子工作に自信のない方でもそこのバランスを調整出来る意味ではとてもいいキットです。手軽に置けるサイズ感も最高ですね。

 しかし、自分としては、もうちょっと解像度が欲しい、尚且つその上で帯域を弄れるものにしたい!と思い、策を練りまして。

 まずパッと見替えられそうなのが、


 ここのフラットケーブル。というかパッと見の配線部分はここしかありませんね。勿論替えていきます。

 そして、もう一個気付いて替えたい箇所。
 それはここ、



 そう、このジャンパー線です。
 基板にくっついているとはいえ、これも配線は配線。こんな短い部分変えても変わるの?と思えるような所ですが、ざっと基板を見たところ、アース側、マイナス側をこのジャンパー線で通してあるところが多そうです。この基板の角には筐体へアースを落とすためのジャンパー線もありますし、散々エフェクターの筐体アースについて、

  アース実験その①:http://oyaideshop.blogspot.com/2019/02/gnd-47.html

  アース実験その②:https://oyaideshop.blogspot.com/2019/03/gnd-47.html

  アース実験その③:https://oyaideshop.blogspot.com/2019/05/gnd-47.html

 上記ブログでGND-47と遊んできた自分としては、
『変わる気がする…』
 と思ってしまいまして。

 今回はオヤイデ流改造方法としてこの二種類の配線部分を替えていきます。

(*尚、このキットの冊子部分では、その他真空管は勿論、抵抗やコンデンサといったパーツの改造例も載っているので、是非手に取ってみてください。)

 先にご注意を。
 配線や素子の外し方によっては基板のランド(半田付けする円形の部分)が剥がれ、修復不可になる場合もございます(実は自分も何箇所か誤って剥がしました…)。 
 その場合お客様自身での改造による破損は一切責任を負えません。道具を揃え、改造は自己責任の上で行って頂きますよう、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

 さて、ではまずはフラットケーブルから。

 まず基板から線を外す為、ソルダーウィック等を使って基板のランドからハンダを吸い取ります。
(両手が塞がる為ハンダ作業写真はありません、すみません)

 そうして線を外し、今回は3398-22を一本ずつ順番に付けていきます。



 フラットケーブルではない為、順番を間違えない様に注意します。

 太さはほぼ同じくらいで、綺麗にハンダが取れれば基板の空いた穴にすんなり差し込んでいけます。この時、ハンダを盛り過ぎて隣り合わせのランドとくっつかないように注意しましょう。

 そうして全部付け終えたら、次はジャンパー線の交換に移ります。

 解像度が欲しい、そして尚且つ同じようにジャンパー線として使いやすいもの、としてここでは4N純銀単線0.5㎜を使っていきます。

 まずは外してみると、



なんととても親切にジャンパー線の長さが表記されています。勿論裏面で半田付けする事になるので、少し長めに必要ですが、目安としてとても分かりやすいです。


 そうして純銀単線を再配置。
 被覆ついたままでもPFA被覆は薄い為やりやすいです。

 繰り返して総取っ替え。


 場所によってはちょっと長めに取って挿し易くしたりしました。
 ここでもランドを剥がさぬよう要注意です。上手く誤魔化してますが基板相手に慣れてない自分はそれでも数箇所剥がしました…泣

 そうして再び筐体へ組み上げ完成。配線替えの効果や如何に!


 ……割と思った通りに変えられました!
 解像度が上がり、それでも真空管の質感やイコライザーの調整具合はそのまま、ブラッシュアップすることが出来たかなと思います。
 ランド剥がれも上手く修復出来たようで良かった…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 さて、如何でしたでしょうか。
 実はこのLuxman社様とのコラボキット、この他にも2種類存在します。

 既にお持ちの方や、何処かで在庫を見つけた方は手に取って、このワイヤー部分でのアプローチをしてみては如何でしょうか。ある程度腕に自信は要りますが、思っていた以上に効果が得られたように思います。

 それではまた。
 Get New WIRE for Your FUN!!!!!!!

 小倉でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿