2017年5月27日土曜日

何だかんだ言って金めっき最高!

入梅の候差し迫る今日この頃、午後のひと時、みなさま如何お過ごしでしょうか。ごきげんよう、オヤイデ電気です。

梅雨時というのはアレですよね、何かこう、じめっとして尚且つ暑くて身体に熱がこもりがちというか、気持ちよくないというか、不快感がね、要らねーなって思います。何ていうか、湿気ってやつは人間の身体にもプラグの電極にもコンセントの端子にも色々と影響を及ぼします。

プラグの電極やコンセントの端子といえば金属。金属というのは典型金属元素と遷移金属元素を合わせ81元素から構成された物質。定義としては展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体で、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称とのこと。そしてそれらの掛け合わせが合金。普段目にする金属は大体合金。どうでもいいけど。

我々が取り扱っているプラグだ何だというのも訳あって合金の素材を使い、訳あってめっきをかけたりしています。例えばリン青銅の電極に金めっきをつける。


「ん?おやおや?? じゃあどんな訳があってわざわざリン青銅に金めっきをつけるっていうんだい?そこの若いの!」

…まあ若くもないんですがお答えします。電極というのは、真鍮でめっきがついていないものもあれば、銅製でニッケルめっきや金めっきがついているものも多く見かけます。じゃあ何で真鍮(黄色っぽい銅+亜鉛合金。黄銅)は無めっきのものがあるんだろう? 端的な答えではありますが、真鍮は電気伝導性が高く経年や使用状況によって所謂さびや変色はあるものの、他の銅合金と比べると性能が落ちにくい特性があります。だからかどうかは知りませんが、真鍮無めっきの端子は多く存在します。

え?全く答えになっていない? そうですね、リン青銅に金めっきのお話しをしなきゃいけなかった。まあ大体余談が8割なのでお許しを。

じゃあそもそもめっきが無くても使えるのに何で電極にはめっきがかかっているものがあるのでしょう。大体お察しがつくとは思いますが、銅素材の錆防止と導電効率の低下の抑制を目的としているのがめっきの役目。

大体の家電製品のプラグの端子にはニッケルメッキが施されていますよね。あれはまさしく経年劣化を防ぎ、永く使用するための処理です。また楽器やオーディオ機器に使われるコネクター類の端子にもニッケルメッキは多く使われており、抜き差しの頻度の高いシチュエーションでも下地の銅素材を守る役目を果たしているのです。

といっても外気に晒された状態で暫く放置していれば如何にニッケルメッキといえども表面が曇ってきたり錆びたりしてしまいます。その対策じゃないですが、そこで登場するのが金めっきです。金めっきといえば兎角成金趣味だなんだと誹謗中傷の的にされがちですが、金属の特性としてとても優れた側面を持っています。それがイオン化傾向(多い=錆びやすい・少ない=錆びにくい)の少なさです。

とりわけ金は銀・銅に次ぐ高い電気伝導性を有し、且つイオン傾向が最も少ないため、経年劣化(錆)に強い金属なのです。でもちょっとお高い。いくら表面に薄く張られためっきといえども貴金属には変わりありません。だから余程のことがないと金めっきは採用されないんじゃないかと思っています。

ところが我々はよく金めっき処理が施された各種プラグ・コネクター・コンセントなんかを目にします。そうです、この記事にご興味を頂いているあなた、きっとあなたも音楽に興味がおありなんじゃないですか? 巷に出回っているオーディオ機器なんかに付属しているイヤホンとかRCAケーブルなんかは金めっきのもの、あるんじゃないですかね。大体金めっきかニッケルめっきでしょう。

オヤイデさんでも売ってます。ニッケルのものから金、銀、ロジウム、パラジウム、プラチナ等々。 …え?金、銀、ロジウム、パラジウム、プラチナって、完全に貴金属じゃん、しかも金銀は兎も角、他の貴金属って導電効率も大して良いわけじゃないって言うじゃない! 一体どういうこと?!なんでオヤイデはそんなめっきを使うのさ! と、ここからがやっと本題。

電極に金めっきをつけたもの、幾つかの製品がオヤイデ電気にもあります。ギターケーブルならForce’77、RCAケーブルならPA-02 TR V2、電源プラグ・コネクターだとP/C-079、コンセントならSWO-GX-U。これら金めっき端子の製品たちはケーブルの持つそれぞれの個性に付加された要素です。

今日はその金めっきにスポットを当てたお話しを聞いて頂きたいが為にペンを執らせて頂いております。金めっきというと前述した通り、耐腐食性であったり導電性であったりと、いい感じの性能を発揮してくれる頼もしい材質。そしてオヤイデ電気はその性能と共に「音質」という側面での金めっきの性格というアイデンティティをひとつひとつの製品に与えているということを皆様に改めて知って頂きたい。

(オーディオ界において)一般的に金めっきの「音質」はファットでウエット、レンジが広いが重心が低く、且つ解像度が高い…みたいなことが言われてたり言われてなかったりします。実際聴感上は艶やかに低域を表現し、嫌みのない中高域を実現する、何ともリスニング的には心地よい材質だと感じます。

しかしこの感じ、あくまでも感じです。判らない方には判らない。けど、判る方法もあります。例えばですが、金、銀、銅、錫など様々な金属が同じ姿かたちで存在するとします。例えばそれが鈴だった場合、奏でられる音質はそれぞれに異なります。つまり、響き方が違うということです。そりゃ、硬さも比重も違う材質であれば響き方が同じになる筈がありません。

その点金は柔らかく重い。じゃあ音は?…そうなんです。同じように柔らかく重たい芳醇ともいえる心地良い音色なのです。これが材質の響き。その響きは電気振動にも反映されるとしたらどうでしょう?ちょっと意識して聴いてみてください。 …ほら、ニッケルめっきのそれとはちょっと響きというか音質に変化を感じませんか? 変化を感じた方、それが材質による音質の変化です。それが判ったらさあ、この沼に足を踏み入れる資格があるも同然!

私は何も難しいことを言いたくてグダグダペンを走らせている訳ではなく、あなたが金を選択することによって得られる快感について、その快感を共有したいのです。金といってもカネじゃないよ、カネで快感を共有したいって話じゃないですよ!

音楽を聴くって私にとっては快楽なんですよね。一方ちょっと音楽制作をかじったりもするのですが、作っているときは快楽とかじゃなくて分析という側面が頭の大半を占めています。そういう時には金にはあまり用がないかも。でも一番音楽にとって大事なのはリスニング。聴くことです。だから聴くにあたってどうやったら心地よいのかということが最重要課題。そこでリスニング環境を整えるべく、改善する要素として金めっきを使用した製品を用いるんですね。

音楽のどこをどう出したいか、そのためにレコードプレイヤーはこれ、アンプはこれと、あれこれチョイスするにつれ、じゃあケーブルは金めっきのこれ、電源も金めっきで「あぁ、これ気持ちいいじゃん」というところに追い込んでいくのです。そんな金めっき製品を全国の気持ちいい音楽を聴きたいあなたたちにお勧めしたい!だから今日は金めっき記念日。






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