皆さん、こんにちは。
ご存知の方もそうでない方も、オーディオボヘミアンこと近藤です。
月刊Stereo誌におきまして、約一年間連載しておりました「オヤイデ近藤のオーディオボヘミアン」をこちらに場を移しまして、徒然なるままに続けていければと思っております。
新しいものを作って試してみたり、色々な方のお宅に訪問してみたり、はたまたどなたかとオーディオについて語り合ってみたり。そんな内容で進めていければなと夢は膨らむばかりです。
さて、記念すべく第一回目は「オーディオ専用屋内配線 EE/F-S2.6 V2 」でスピーカーケーブルを作ってみました。つまりハイクオリティーな単線のスピーカーケーブルを作ったということです。
ここを読まれている方は、もちろんご存じだとは思いますが一応おさらいとして、単線というのは導体が針金のような1本線になっています。撚線とは、極細の線を束ねて1本の線にしたものです。つまり、その導体の構造上の理由から電気の流れ方が変わり音質も変化するということです。
一般的には「単線のケーブルは撚線のものに比べ定位がしっかりし固めの音質」なんて言われてたりします。「定位がしっかりする」には同意しますが、「固めの音質」に関してはあまり同意はしませんが。
兎にも角にも、単線と撚線では音質の世界観が全く違うということです。
そして、一度どハマりすると「この曲は単線じゃなきゃ聴きたくない!」というのが出てきます。それぐらいの魅力が「単線」には秘められています。
ということで早速試聴を。
曲は僕の大好きな映画であり「KILL BILL」でお馴染みのクエンティン・タランティーノ監督の処女作である「Reservoir Dogs」よりこちらを。
「音の張り出し感がハンパない、、、」
そう、待っていたのはこの感覚。特にこのヴォーカル帯域の張り出し方は、絶対撚線では得られません。ギターの艶感も素晴らしい限りです。
この特性を予想しつつ選択した金メッキバナナプラグ「GBN 」も功を奏したのか濃厚なサウンド、絵で例えるなら油絵とも呼べるものになりました。
濃厚と言えど、低音は無駄に膨らまず逆に程よき量感に落ち着き、油絵の如く距離感は薄らいだものの、それを補って余りある独自の世界観は「単線マニア」の皆さまにはたまらないのではないのでしょうか。
過去、Stereo誌の「ボヘミアン」では同じく単線である「FF-20 V2」でもスピーカーケーブルを作ったことがあるのですが、太さとシールディングの効果もあってかより濃厚な張り出しサウンドを求めるならば、是非今回のものをおススメします。
撚線とは全く異なる世界観を持つ単線。今回の実験を経て、真剣に単線もののスピーカー専用ケーブルを作りたいと思いました。
夢は膨らむばかりですね。
近藤
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