2021年6月28日月曜日

今話題のVONDITA-X(ヴォンディータエックス)を聴く!

 オヤイデ電気の新時代を告げる電源ケーブル
今話題のVONDITA-X(ヴォンディータエックス)を聴く!

インパクトのある広告でも話題になったVONDITA-X。一体どんな音がするのかオヤイデファンならずとも気になる所なのではないでしょうか。

VONDITA-Xのパッケージ写真

VONDITA-Xのパッケージ写真

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今回も私の愛聴盤のクラシックとジャズのCDを聴きながらオヤイデ電気の他の電源ケーブルと比較しつつ音質レポートをします。

オーディオ雑誌に掲載された写真家・平間至氏撮影のVONDITA-X広告

試聴CD1
ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」指揮:レナード・バーンスタイン バイエルン放送交響楽団(PHILIPS)
無限旋律。ワーグナーの生み出すオペラはとうとうと流れ、いつ果てることもなく永遠に続いていく大河のようだ。騎士トリスタンと王妃イゾルデの道ならぬ愛とその悲劇を描いた「トリスタンとイゾルデ」はヴェルディやプッチーニのオペラのようにわかりやすいアリアが随所に散りばめられてはいない。ひたすらに繰り返される旋律の中に登場人物が心情を吐露して行くオペラだ。まるでワーグナー自身の不実の愛と重ね合わせるかのように・・・・
                

                
「第1幕 前奏曲」 比較のために始めに聴いたBLACK MAMBA-Σ V2(ブラックマンバ・シグマ・ブイ2)は弦楽器群の重層的な厚みのあるオーケストレーションを聴かせる。全体に照明を落としてゆったりと歌わせるところや左右への音の広がりは申し分なく、チェロやコントラバスの低域が充実しているため安定感を感じさせるものだ。
 
オペラの前奏曲はこれから始まる物語をオーケストラの演奏だけで説明するもの。このBLACK MAMBA-Σ V2が聴かせる「トリスタンとイゾルデ」は愛の喜びよりもこのオペラの悲劇性をより強く印象付ける再生に私には聴こえた。
VONDITA-Xに変えるとバイオリンがきれいに伸びきりその楽器の一音、一音が、磨かれた美しさの中にくっきりとした輪郭を描く。中高域が強く感じられる分、BLACK MAMBA-Σ V2の時に感じた弦楽器の重層的な音の厚みはやや後退し、全体に明るい響きとなる。また中高域が強く感じられることと関係してバイオリンだけでなくフルートなどの管楽器群が消え入る余韻も美しく耳に残る。
BLACK MAMBA-Σ V2がこの楽曲を全体の音のうねりとして聴かせるのに対して、VONDITA-Xは各楽器の存在をはっきりと主張させる聴かせ方のためBLACK MAMBA-Σ V2よりもホールの前方で聴く音のイメージだ。結果としてVONDITA-X で聴く「第1幕 前奏曲」はBLACK MAMBA-Σ V2の悲劇性に対して愛の喜びが勝っているように感じられる。

「第3幕 前奏曲」 曲の中盤、もの悲しいバイオリンの旋律をイングリッシュホルンのソロが引き継ぐ。VONDITA-Xではこのイングリッシュホルンがビロードのような、なめらかな質感を感じさせなんとも美しい響きに包まれる。まるで水を打ったように静まり返った海の上を天から一条の光が照らし出すようだ。ここに官能が立ち上がる・・・
おそらくバーンスタインもこのイングリッシュホルンの演奏はことのほか気に入っていたに違いないと思わせる素晴らしい演奏であり再現。

「愛の死」(ソプラノ:ヒルデガント・ベーレンス) トリスタンが亡くなりイゾルデが後を追って自死する際に歌われる曲。
BLACK MAMBA-Σ V2で聴かれるイゾルデは端正な歌声。王妃としての貴高く凛とした佇まいを死の間際まで持ち続けた姿に胸を打たれる。VONDITA-Xに変えると「Mild und leise wie er lächeit(おだやかに静かに彼がほほえんで)」と静かに始まる歌い出しからして声の伸びやかさが違う。その声は生気にあふれ、運命に翻弄され死を選ばざるを得なかったというより、むしろ愛ゆえに積極的に死を選んだ一人の女性の姿が浮かび上がる。ケーブルひとつでこれほどまでに音楽が変わるのかと今さらながらに驚く。
また、VONDITA-Xでは明るい音色や声の伸びやかさが影響してフォルテシモで声を張った、きつい発声の部分でも声が硬くなることなく発音が聴き取りやすい。最後のクライマックスでオーケストラが盛り上がってソプラノが後ろへ下がった時もBLACK MAMBA-Σ V2のようにソプラノがオーケストラに埋もれる感じがない。
まるで舞台上にライトを浴びてたたずむイゾルデ役のヒルデガント・ベーレンスが歌いだす時の頬のふくらみやその濡れた唇が、目の前に見えるようだ。


試聴CD2
「マイ・マリリン~生誕75周年記念アルバム」デヴィッド・クライン・クインテット(enja)
1962年に36歳の若さで没したマリリン・モンローはその演技や肉体だけでなくコケティッシュな歌声でも世界中の男性を虜にした不世出のハリウッド女優。テナーサックスのデヴィッド・クライン率いるクインテットにミリアム・クラインがボーカルで参加しているこのCDはそんなマリリン・モンローへのリスペクトにあふれたアルバム。
                

このCDを私が普段常用しているAXIS-303GX(アクシス303ジーエックス)を使ってVONDITA-Xと聴き較べてみた。

AXIS-303GXはどちらかというと音色が明るく、軽やかな傾向なのでミリアム・クラインの声は少し華やいだ感じになり、ビブラートをかけた時の声のゆらぎがチャーミングだ。また声が明るく華やいだ感じになることと関係して、ボーカルの位置が比較的高い所に定位する。全体を通してすっきりとクールな再現がこのケーブルの持ち味と思うが、ここでの再生ではもう少し落ち着いた雰囲気が欲しいところ。
 
VONITA-Xに変えると音の重心が下がり、曲全体がゆったりとして落ち着いた雰囲気に変わる。特にボーカルやテナーサックスの再現にAXIS-303GXにはない、濃やかな音のたたずまいや声の密度感を感じる。それが決して音の暗さにつながることがなく、ゆったりとした雰囲気の中に美しい中高域を聴かせる。
またボーカルエコーがきれいに整ってくるのでボーカルや各楽器の定位が定まり声の位置がAXIS-303GXよりも下がって、横への音の広がりよりも奥行き方向への立体的な音像感をより強く感じさせる再現。
このディスクが本来もっている品位の高さも感じさせ、豊かな音の響きの再生となった。



VONDITA-Xを聴いた全体の印象をまとめますと・・
これまでのオヤイデ電気の電源ケーブル、特にTUNAMI V2BLACK MAMBA V2を使った製品は音のエネルギー感を打ち出したものであったが、このVONITA-Xはエネルギー感よりも中域の周波数帯域を厚めにしてボーカルを生き生きと美しく、品位を感じさせる製品に仕上げている。だから「トリスタンとイゾルデ」のような40年前の録音にも新たな息吹を与えたのだ。
このような音の電源ケーブルは今までのオヤイデ電気にはなかったものだし、他社の製品でも私は聴いたことがない。発売になったばかりの電源タップのMTB-4MTB-6と共にオヤイデ電気の新しい時代の音と言える製品だ。



2021年625日発売

最後にお知らせです。
VONDITA-Xをレンタルしてご自宅のシステムで試聴することができます(現時点)有料にはなりますがこの機会に是非ご自身の耳でVONDITA-Xの音をお確かめください!お得な特典もあります。
 
以上、オヤイデ電気事務方担当(オーディオ好き)でした。

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