「NRF-005Tを弦アース周りに貼ったら、凄い弾きやすくなったんですよ~」
なーにー!盲点だった!
確かにエレキギターの構造というのは、弦アース周りが常に帯電状態になっているので、ペグ~弦~ブリッジに渡って電界ノイズを内包している可能性が高いと思っていました。
でも”音が変わる”じゃなくて『弾きやすい』って一体どういうことなんだろう?!気になって夜も眠れない!!
ということで、早速試してみました!
弦アースについて
前置きとして、エレキギターの電気回路について軽くご説明したいと思います。
「弦アース」とはピックアップや金属パーツなどから混入してくる外来ノイズを、人間の体を通じてアースに落とす機構で、主にエレキギターから出力されるノイズを低減させる目的で備わっています。
(イケベ楽器店WSR様ブログ内における記事で、弦アースの機構について説明されていますので是非。)
エレキギターを弾いてる人なら自然と理解されてると思いますが、弦に触れていないと「ジー」っていうノイズが出てくるけど、弦を触ると「スッ」とノイズが消えますよね。まさにそれです。
弦アースが繋がっている箇所
触ってノイズが落ちれば弦アースが繋がっていることになります。
ちなみに弦アースに繋がっていない箇所を触った場合、逆にノイズが増えることが多いです。
【弦アースが繋がっている箇所】
- ペグ
- 弦(コーティング弦の場合、触っても通電しない場合があります)
- ブリッジ
- サスティンブロック
- (裏通しに使う)ストリングブッシュ
- キャビティ内のシールディング
- コントロール内のコールド回路全般
- ジャック
※塗装や絶縁を施している箇所の場合、触れてもノイズが減らない場合があります。
ノイズ対策に力を入れているメーカーの場合、「ピックアップのポールピース」も弦アースに落としている場合があります。まずはご自身の状態を確認してみてください。
(ポールピースのアース処理についても、池部楽器WSR様で紹介されていました。画像も下記ブログより拝借しております!)
検証!
ではNRF-005Tを貼り付けてみましょう!
クルーソンタイプのペグ裏に貼り付け。 四角いペグなので、ロトマチックより貼りやすいですね。 |
テールピースに貼り付け。 曲面なので少しシワが気になるけど、綺麗に貼り付けできました。 見た目が気になる人は弦交換する時に裏側に貼っても良いかも。 |
コントロール内部にも貼り付け。 特に電気を溜める性質のある「コンデンサー」「ドータイト面」に貼り付けました。 |
音出ししてみると・・・
「音が整理されて、弾きやすくなった!」
「低音が筋肉質になって、音の実音感も増した!」
「耳に痛い高域が抑えられ、歪み方が滑らかになった!」
そして、肝心な演奏性ですが、、、本当に弾きやすくなってる!
感覚的にですが、発音のひっかかりが取れた印象です。何もしていない時はフレームレートが低い(24fps)から、NRF-005Tを貼り付けた後はヌルヌル(60fps)になったような、1音1音の繋がりに対してもたつきが無くなってるような感覚に近いですね!
これに伴って出音の印象もかなり変わっていました。
まず低域~高域にかけて音の濁り・滲みが薄まったのが体感でき、タッチコントロールの反応が良くなっただけでなく、寧ろミスタッチも目立ちにくくなった気がします。チートか。
ちなみに弦アースが通電している箇所は何処も同じような変化でした。貼れば貼るほど変化は感じられましたが、ある程度貼ったところで指数関数的に変化が収まっていく印象です。
パルシャットは「存在しないノイズ」や「磁気ノイズなど直接的に抑制できないノイズ」まで落とすことは出来ないので、ノイズ抑制効果にも限度はあります。まずは自分が満足するところまで貼ってみてください。
結果は・・・
確かに弾きやすくなった!
何故、電界ノイズ抑制が弾き心地の改善に繋がるのか考察してみました。
「弦アース起因の電界ノイズを抑えた結果、ノイズフロアが下がり、S/N比が改善されたから。」と考えられます。
弦アースに混入するノイズレベルはシグナルレベルに関係なく、環境に比例して一定です。
入力レベルが大きい時(コードストロークやアタック成分など)のノイズレベルは気になりませんが、弱く弾いた時や音を伸ばしている時はS/N比が悪くなっていると言い換えることもできます。
これを読んで「じゃあミスタッチが目立ちやすくなるんじゃない?」って思われるかもしれませんが、無処理時と全く違和感ないのです。これが驚き。
またアタック直後に比べてサスティン(余韻)はレベルが落ちていきますから、ノイズ抑制効果によるS/N比の改善は影響しているかもしれません。
もう一つ、高次倍音は基音に比べてレベルが落ちていきますから、ノイズ抑制効果によるS/N比の改善は影響しているかもしれません。たかが「可聴域帯(30Hz~20kHz)におけるノイズを平均-4db抑制(旭化成㈱様提出のエビデンスより)」といえども、高次倍音において数dbのノイズ抑制は大きな効果に繋がっている可能性が考えられますよね。
(倍音についての説明は、下記ブログ「倍音とは何か」が非常に分かりやすかったです。倍音の意味がよく分からない方は閲覧をオススメします!)
というわけで・・・
実はサスティン+倍音と弾き心地の関係性は密接なのかもしれませんね。
確かに弾きやすさって組み込み精度やネックプロファイルだけじゃなく、倍音が豊かなギターは弾きやすい気がする・・・。
いかがでしたか?
NRF-005Tは原音に対して影響を及ぼさないだけあって、ギターらしさを失うことはなく、むしろ貼った後の方が生々しいギターサウンドへ変化したように思います。
でもエレキギターってS/Nの悪い楽器なので、出したい音の方向性によってはS/N比や弾きやすさを改善しない方が好みっていう方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、今回の検証結果から筋肉質な低音が得られるので、きっとギタリストの好きな音に変化する可能性が高いと思います。
「なんかこのギター、音がぬるい気がする・・」
という漠然に感じていた悩みも、もしかしたらNRF-005Tで改善できるかもしれません。
オペアンプに貼り付けするとちょっとしたモディファイ並みの効果が・・・ |
パルシャットは絶縁性が高いので、基板のパターン保護にも使えます。 しかも電界ノイズを抑制できるとなると、、、デジタル物のエフェクターなどには最適かもですね! |
他にもケーブルに巻き付けたり、アンプのパーツやエフェクターのオペアンプに貼り付けることでも改善効果が得られます。根本的なノイズを抑制することで音作りもしやすくなると思います。是非色んなシチュエーションにお試しください!
【 オンラインショップはこちらから 】 他にもどんな使い方が効果的だったか、是非レビューに投稿してくださいね~! |
以上、原田でした~。
使用者レポートも参考になります!こちらも併せてご覧ください!
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