前回述べた経緯の通り、アクロリンクの二種類のスピーカーケーブルがやってきた際、その中の7N-S4000というモデルは、弊社のTUNAMI NIGO V2というスピーカーケーブルの5.5sqの二芯とほぼケーブル構成が一緒で、また銅素材と芯線加工以外の外装ケーブル加工の工場が同じ事もあり、ほぼ同条件にて導体比較ができるため、実際に同条件にて比較試聴してみました。
ちなみに他に留意する相違点としては、TUNAMI NIGO V2が集合撚り,7N S-4000が同心撚りで素線を撚っています。
今回は弊社のSRBNバナナプラグ(特別仕様銀下ロジウムメッキ)を付けて3m物での比較試聴となります。
まずは弊社のTUNAMI NIGO V2ですが、レンジが広くて低域寄りのパワー感がとてもあります。 レンジが広くて厚みのある音と言いましょうか。とはいえ以前のPCOCC-Aを使用した初代TUNAMI NIGOと違い、102 SSC導体に変わったV2になってからは太すぎて中高域が引っ込むという事はなく、程良い力感があって中高域もバランス良く鳴り、細かい音もよく聞こえます。
弊社のフラッグシップのスピーカーケーブルで実際国内海外でも長年良く売れています。
あとオヤイデ製品全般の特徴なのですが、音場よりも音像が立つ傾向の音です。 音が面で前に飛んでくる感じとでも言いましょうか。例えて言うとハイエンドオーディオの潮流の中でも、新しい流れのMajikoやYG Accoustic社のスピーカーに代表されるようなドライでモニターライクな出音だと思います。
さて一方アクロリンクの7N-4000はというと、正直驚きました。
レンジはとても広いのですがどの帯域においても癖がありません。とは言え低域もしっかり下まで出ています。高級なケーブル程、高級な機材を活かすために癖が無いとは良く言いますが実際に体験すると驚きます。 そしてその癖の無さは音の解放感に繋がります。音が解放されるのです。
こちらはハイエンドオーディオの中でも王道と呼ばれる類いの音ですね。 スピーカーで例えて言うならばAvalonでしょうか? 音像よりも音場が立つ傾向で、音の左右の広がりや奥行きがとても良く感じられます。
アクロリンクの7Nケーブルは音が柔らかいとよく言われますが、実際聴いてみると音が滲む感じではなく細かい音も良く聞こえる割に長く聴いていても疲れない音という感じがします。これは癖の無さというか、7N銅特有の歪みの無さと銅線に被せる絶縁体の選択の良さに起因していると思います。
勿論歪みの要素を上手く使って音を調整しているケーブルは多々あるのは重々承知していますが、それらとは無縁の感じの音です。
このケーブルはある程度容量があってレンジが広いスピーカーを色付けをせずにナチュラルに鳴らすにはとても良いケーブルだと思いました。音源ソースを演者やエンジニアの想定通りの音を届けている様な出音です。
個人的には音の出口に近いスピーカーケーブルには色付けの無い自然な音がするスピーカーケーブルのほうが色々なタイプの音楽に対応する事ができるので良いと思っているのですが、本当にナチュラルで力強い音がします。 低域と中高域の音のスピード感のバランスが圧倒的に素晴らしいです。また音の立ち上がりが素直で良いため、ダイナミックレンジの再現性も優秀だと思いました。本当に7N銅は凄いと正直思いました。
次は7N-S1054ケーブルですが、このモデルは1.25sq.の細めの導体を4本使っているクアッド構造のスピーカーケーブルとなります。クアッド構造のケーブルはノイズ防御の働きを持たすため、基本的に対面の同色の二本を合わせて2.5sq.として使うので、上の7N-S4000の約半分のサイズの銅導体を使用している事になりますが、4本組のクアッド構造なのでバイワイヤリングにも対応する仕様ともなっています。
基本スピーカーケーブルは、長尺使用の際、細くなるほど低域が弱くなる印象があるのですが、このケーブルの特徴のクアッド構造も含めて念頭に入れて実際聴いてみましょう。
確かに音域のレンジは7N-S4000程広くは無いのですが、Hi-Fi スピーカーケーブルとして十分なレンジを持っています。
実際弊社で試聴用に使っているFostexのブックシェルフ型の2ウェイスピーカーの持っているレンジ感にはとても良い感じにはまっています。 低域の重心が少し上に上がってちょうど良い感じで低域が出る感じになっていて、面白い事に7N-S4000より聴感上は低域を感じる事が出来ます。
音色的にも本当に好ましい感じの音という感じで、音楽を良く捉えられる割に聴き疲れのしない音で音楽を聴いていて楽しさを感じられます。実際弊社のスタッフ達に聞かせた際にこちらを選ぶ若手スタッフも多かったです。
その点7N-S4000だと低域が自然にすごい下まで伸びているので、低域がしっかり再生出来るスピーカーに向いていると思います。逆に言うとスピーカーの限界低域再生能力が本当に低い帯域までないと、7N-S4000では低域は非力に聞こえるかもしれません。
そして7N-S1054の中高域の音の出方はと言うと、上下左右や奥行き含めた音の位置や音色の再現の正確性をとても感じます。これらは7N銅の特色であり、7N-S4000でも感じられました。
最後に7N-S1054をバイワイヤリングで使う際の注意点ですが、一本あたり1.25sq.の太さで素線自体が結構細いのでバナナプラグやYラグを選ぶ際に注意しないと、線を切る恐れがあるので、選択の際にはとりあえず弊社販売員にご相談下さい。 残念ながら弊社のGYTやSPYTとは合わないですが、ねじ止め式のSPSLやSRBNは問題なく使うことが出来ました。
今回アクロリンクの2種のスピーカーケーブルセールは、元々ケーブルの切り売りのみを考えていたのですが、今回の試聴に使用した物の音の良さに感心して完成品もバナナプラグ仕様のみで台数限定ですが2メートルペアと3メートルペアを各種急遽製作して直売店とウェブショップにて今回限りの特別価格にて販売する事にしました。
各種の値段は以下の通りで、更に驚きのプライスとなっています。
ケーブルの自作が面倒な方や7N銅ケーブルを直ぐに自宅で試してみたい方は是非この機会にてご購入下さい。
こちらは7N-S4000の2mペア物が税込特価\39,710、3mペア物が税込特価\50,380にて限定販売いたします。
これらは税込定価ベースでは通常\80,960と\109,560円相当の物になりますので、とてもお買い得な商品として提供さしていただきます。
こちらは7N-S1054の2mペア物が税込特価\32,945、3mペア物が税込特価\41,250にて限定販売いたします。
ご注文はこちらから【2020年1月6日(月)10:00発売】
Acrolink 7N-S4000 Anniversario w/特別仕様SRBN
Acrolink 7N-S1054 Anniversario w/特別仕様SRBN
この値段での御提供は、台数限定の今回の特別仕様のみとなっていますので、売り切れの際はケーブル代以外は通常の値段での製作の御提供となります。 何卒ご了承下さい。
これは元々バナナプラグのサイズの規格に統一規格がないためで、弊社のバナナプラグはドイツ製のWBT製ターミナルポストの穴径サイズに合わせて設計、製造されていますが、中国製等のコストが低いターミナルポストを使用した機器には穴径が少し小さい物が実際多く、挿入の際に入りにくい事が度々ありますが、逆にこれら小さな穴径に対応する様に製作すると今度は通常の穴径のターミナルには緩くなってしまうため、今回は通常のサイズの物に合わせて一個一個調整しています。きつめの際には力を入れて挿入すると入りますので、何卒ご了承下さい。
またケーブルの方向性はケーブル上の印字の矢印の方向に信号が流れる様に機器に接続して下さい。
最後に試聴後の感想ですが、アクロリンクの高純度銅のケーブルは、セルフアニール現象というのが謳われてますが、普段エージングについて疑いがちな私でも、確かに弊社を含め他社のケーブルよりも使用後の変化量が大きいと感じられました。 具体的には良い方向に音が馴染む感じになって行く経過が特に感じられました。
これも7N銅のせいなのでしょうか?
今度菅野社長に聞いてみます。
長文お付き合いして頂き、誠に有難うございました。
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