2021年5月10日月曜日

H-KIVとKIVとIVとIEと

 世の中には名前の似ているものって色々ありますよね?

ほんのちょっとの違いで、全然違うものもあるし。

「あとうかい」と「かとうあい」なんてその最たるものではないでしょうか?

「カフェオレ」と「カフェラテ」だって同じものに見えるけど、

実際は違う飲み物だし。

電線の名前にも似たものっていっぱいあるんですよ。

そんな名前の似ている電線の違いを紹介していこうと思います。

今週も「週刊サンデン」にお付き合いください。





以前にもこんなブログを書いたんですけど、読んでいただけました?

CVとCVSとCVV。おまけにCVVS


この4種類なんて、似すぎじゃないですか?
どこが違うかは、ブログをぜひ読んでみてください。

で、今週お話するのはタイトルのとおり「H-KIVとKIVとIVとIE」になります。
まずは「H-KIV」と「KIV」から。



①KIV




いわゆるビニール電線。600V以下の電気機器の配線に使用されます。

KIVの「K」は電気機器用の機器のK、「I」はIndoor、

「V」はVinylの略なんですけど、なんで「K」だけ日本語?

ずーーっと「機器用」だと思っていたのですが、検索したところ

「可とう性」のKという意味だという話もあるようです。

どちらが正解なんでしょうか?

「可とう性ってなんですか?」ということについては、のちほどIVのところで!

ビニールですので耐熱温度は60℃。極々一般的なビニール電線ですね。

オヤイデ電気の在庫サイズは2sqから22sqまでの6サイズ。

0.75sと1.25sqは取り寄せになりますが、200m巻になります。


②H-KIV




さきほどKIVと同じく600V耐圧のビニール電線です。

どこが違うかというと、頭に「H」が付いているところ。

この「H」はHeat resistantの訳です。日本語にすると耐熱性という意味になります。

そうです。H-KIVがKIVの耐熱仕様になります。

耐熱温度は80℃。

H-KIV以外でも頭に「H」が付くものは耐熱性のものになります。

例:H-VFF、H-VCTF、H-VSFなど


③IV


アルファベットの意味はKIVと同じで、Indoor Vinylの略になります。

スペックもKIVと同様で600V耐圧の耐熱60℃。「まったく一緒じゃない?」って思いましたよね?そうなんです、まったく一緒なんです。

それではどこが違うのか?素線構成に違いがあります。


KIVとIVで同じ5.5sqで比較します。

・KIV5.5sq 70/0.32(正確には5.626sq)

・IV5.5sq 7/1.0(正確には5.495sq)


KIVはビニール被覆の中に0.32㎜の銅線が70本入っていますが、

IVは1.0㎜の銅線が7本しか入っていません。

当然ですが細い線がたくさん入っているほうが柔らかくなります。

使用用途もKIVは主に電気機器の配線に、IVは配電盤や制御盤の配線や、

スイッチやコンセントの渡り線などに使用します。


あー、もう一つKIVとの違いを忘れてました。

IVには撚線(よりせん)と単線の二種類があります。




撚線 IV2.0sq


単線IV2.0㎜


特に間違いやすいので同じ2.0というサイズを載せましたが、

・IV2.0sq(7/0.6)

・IV2.0㎜(1/2.0)

中に銅線が7本入っている撚線タイプと、中に銅線が1本しか入っていない単線タイプの2種類があることもIVの特徴かもしれません。

お買い求めの際はお間違いのないように、お気をつけください。

在庫サイズは撚線が1.25sq~5.5sqと、単線は1.6㎜と2.0㎜です。この他に耐熱仕様の

H-HIVの0.8㎜と1.0㎜もございます。


④IE

正確にはEM-IE/F。「EM」はエコマテリアルの略。

こちらはオヤイデ電気では在庫しておりません。

見た目はIVですが、IVが被覆がビニールですがIEは耐燃性のポリエチレン製です。

ハロゲン含まないので、燃やしてもダイオキシンやハロゲンガスを発生させません。

頭にEMが付いている物は全てこのエコケーブルです。



写真は昭和電線さんのHPからお借りしましたが、見た目はIVと一緒ですね。
サイズにもよりますが、少量で取り寄せたことがあった記憶があります。
お探しの方いらっしゃいましたら、サイズと色をお知らせください。
お見積りいたします。

似た名前のケーブルでご不明の点、またお探しの商品がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ちなみに冒頭の「カフェオレとカフェラテ」ですが、コーヒーとミルクで作るのがカフェオレで、エスプレッソとミルクで作るのがカフェラテだそうです。

以上、根津でした。
それではまた来週!







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