2021年4月24日土曜日

『MMCX』『2ピン(0.78mm)』メタルシェルコネクターがリニューアル!自作Tipsもあるよ。【自作リケーブルユーザー必見】

自作リケーブルユーザー必見!
メタルシェルコネクターがリニューアルしました!

MMCXメタルシェルコネクター ver.2 ¥1,430(税込)
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カスタムIEM 2pin(0.78mm)メタルシェルコネクター ver.2 ¥1,320(税込)
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Ver.2の改良点①:ブラスト処理

カバー表面を「クリアーアルマイト処理」から「ブラスト処理」に変更しました。
非常に細かな凹凸を付ける表面処理を行い、滑り止め効果を付与しています。これによりグリップ力が向上し、力の入りにくい小さいコネクターながらも容易な脱着を実現しています。

さらにブラスト処理の恩恵により、識別ラインの密着性が格段に向上しました。
従来の識別ラインは「アルマイト処理→塗装」という順序で製造していた為、塗装面が剥き出しとなり、爪で剝がれやすいという欠点を抱えていました。
Ver.2は「塗装→ブラスト処理」という順序になった為、塗装面がブラスト処理により保護され、塗装面の強化も実現しています。

ちなみに2015年発売当初から「溝を切って、そこに色を塗れば良いのでは?」という声を頂いておりましたが、「カバーの外径を最大限まで細くしている」「生産工程数」等を考慮し、今回の仕様変更案に至りました。

Ver.2の改良点②:穴径の拡張

カバー穴径が3.0mm→3.5mmへサイズアップしました。
オヤイデ電気で一番人気の「オーグライン撚り線」でリケーブルを製作する時、3.0mmでは「2本+収縮チューブ」が限度でしたが、3.5mmであれば「4本+収縮チューブ」も容易に取り付けすることが可能です。(精密導体1022SSC撚り線であれば8本もいけます・・・!)

さらに断線予防として従来よりも広く「C面取り加工」を施しています。
MMCX/2pinコネクタを耳周りでグッと曲げることが多い為、リケーブルの断線理由はコネクタ根元付近が大多数となっています。C面取り加工があれば負荷を分散でき、断線リスクも抑えることができます。

半田付け時のコツ

カスタムIEMのボディ(黒)はPOM(ポリアセタール)で成形しており、半田付け時の高温で軟化する場合がございます。しかし実は超簡単な方法で軟化を防ぎ、耐熱樹脂(PEEK等)と同じような感覚で作業することができます。

それは・・・ヒートクリップです!

ヒートクリップとは・・・
アルミ製のクリップで部品を挟むことで放熱し、半田ごての熱から部品を守ることができます。
一般的に「IC」「トランジスタ」の足に使ったり、
「耐熱性能の低い被覆のリード線」に使用することが多いです。



画像のように2pinを挟むことで、POMの軟化を防ぐことができます。
ピンを温めて半田付けをする際「ピン→POM」と熱が伝わる前に、「ピン→ヒートクリップ」と熱を逃がしてしまえば問題がないわけですね。

しかもヒートクリップのメリットはこれだけではなく、半田付け時の作業性にも貢献します!

このようにバイスにヒートクリップを固定することで、コネクタを直接バイスで固定しなくても作業しやすくなります。むしろコネクタを直接バイスで挟んでしまうと、熱で軟化したPOMを潰してしまう可能性があり、意図せずボディが変形してしまうことも考えられます。

ぶっちゃけ、ヒートクリップ単体でも辛うじて固定できちゃうんですけどね笑
苦肉の策ですので、机が焦げないように注意してください!





MMCXコネクタも同様に固定できます。
MMCXはねじ山の上から固定すると安定しますね。センターピンの周りに高性能樹脂のPTFE(白)が充填されていますが、PTFEでも熱を与えすぎるとセンターピンとの密着が甘くなり、ピンが抜ける・曲がってしまうといった失敗もあります。
そんな時もヒートクリップを使っておけば放熱対策はバッチリですね。

過去ブログでもヒートクリップを紹介!
こちらも併せてご覧ください!



ver.2コネクタは「オヤイデ電気店舗オリジナルリケーブル」にも採用されます。
高品質な線材を使用したプレミアム・リケーブルをカスタムしませんか?
【 オーダーはこちらから 】
※なお、店舗オリジナルリケーブルに使用するMMCX/CIEMコネクターは「2021年4月24日受注分」よりver.2となります。

ブラスト処理のカバーは梨地に近い見た目になるので、オヤイデ電気のプラグと相性はかなり良くなりました!
従来のアルマイト処理よりも統一感のあるデザインに仕上げることができそうです。

如何ででしたか?

メタルシェルコネクター発売以来、市場では類似品や偽物が多く出回り、Amazonにはオヤイデ電気のリケーブルを意識した激安多芯編みリケーブルが登場したり、国内からライバルメーカーが多数登場したりと、ここ数年は波乱万丈でした。ですが、この外観と仕様はオヤイデ電気が発祥でしたので、後発品にデザインを流されたくなったのが本音です。なるべく原型を残しつつ、自作ユーザーの声を反映させた仕様に落ち着くことができましたので、より一層ご愛顧いただけますと幸いです。

また2pin(0.78mm)のボディー樹脂(POM)も敢えての現状維持です。耐熱樹脂にするだけでも若干音質が変わってしまうので、これはこれで”オヤイデの音”ということでご容赦ください。必ずしも耐熱=良い音ってわけじゃないですもんね。今後ラインナップを拡げることがあれば、耐熱樹脂の音も含めて検討したいとは思っております!

今後もお客様の要望があれば商品づくりに反映して参りますので、気兼ねなくご意見お聞かせください。そして自慢のリケーブルが完成したら店頭やTwitterで見せてくださいね!


最後まで読んでくれた人にフライング情報!
”新作リケーブル用線材”が夏頃に完成予定。乞うご期待!


オヤイデ本社前にて撮影。春の陽気が気持ち良かったのでつい・・・笑

以上、原田でした。

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