ブログでは主にシンセサイザー関連や録音関連にまつわることを取り上げていこうと思っております。
みなさま末永くよろしくお願いいたします!
早速ですが表題についてです。
せっかくケーブル屋にいるのだから「敢えて」ちょっと無茶なチョイスをして
どうなるのかという実験的なことをやっていこうかなと思います。
今回はミキサーです。
そろそろ買い替え時と数年前から思っているものの買い替えタイミングを逃し続けている
Mackie 1604VLZ3です(発売から16年も経ってました...)。
このミキサーの電源を変えてみます。
弊社のラインナップからこちらの4本選んでみました。
手前からL/i50 HBE、BLACK MAMBA-Σ V2、TUNAMI GPX-R V2、VONDITA-X(ヴォンディータエックス)です。
この4本、メッキはそれぞれ異なりますが、電極はすべてベリリウム銅を使っています。
ベリリウム銅による解像度アップやキレの良さなんかがでたら良いなという狙いです。
とは言え、本来の使用用途としてTUNAMI GPX-R V2とVONDITA-X(ヴォンディータエックス)は
オーディオ向けなのでそのあたりがどんな影響を与えてくるか未知数です。
(そもそもこのクラスのミキサーに繋ぐ電源じゃないですね)
テスト環境としてなるべく色んなマシンを入力し、最終的な2mixはフルレンジに近い音を出そうということで
シンセベース(アナログ)、リード・パッド(ウェーブテーブル・FMシンセ等)、
ビート(808のサンプルをサンプラーから出しました)を入力しました。
ちなみに808のサンプルは全部入りの価格がバグってる(常時95%オフ)でお馴染みのSamples from marsのものです。
電源変更前の感想としては、低域の量感やベースの粘りとかは良いけれど
欲を言えばもう少しシャキッと解像度があがったら良いかなと思いました。
分離がイマイチでのっぺりしている感があります。
それでは1本目L/i50 HBEから。
うちの設置状況ではあまり目立たないですが、まずもって見た目がいいです。
「流れてます良い電気」感があります。(裏のケーブルを見て懐かし~と思った方はややオヤイデマニアです)
出音ですが、レンジが広くなり分離も良くなりました。決してエフェクティブな感じでなく高域も自然に伸びます。
Auxでリバーブとディレイをかけてますがエフェクトのノリも良いというか、見通しが良くなった分、
エフェクトのかかり具合を感じやすくなりました。奥行きも少し広く感じます。
もうこれで良いのでは?と企画倒れな思いがよぎりました笑。
強いて言えばですが、もうちょい解像度があがればなお良しというところです。
全体的には楽器を並べて混ぜて気持ち良い質感でした。
お次はBLACK MAMBA-Σ V2。
単純に試聴した順番も関係していますが…
L/i50 HBEの方がガッツがあり力強さが目立った為、少し落ち着いた印象です。
とはいえ単体でビートだけを聴いてみるとしっかり量感もあります。
低域すっきり分離良好。トランジェントの正確性と言いますか、スピード感が目立ちます。
ギター・ベースアンプ用途のL/i50 HBEと比較するとやはりモニターライクというか
全体的に見通しが良く、ミックス作業に向いていると思います。
3本目はTUNAMI GPX-R V2。
(とても良い意味で)拍子抜けしました。てっきり低域がつーん、派手目な情報量ばりばり~
となるかなと思ってました。が、細かいところまでよく聴こえるのにうるさくないというか
気持ち良く低域〜高域までくっきりはっきり描写されます。
そういう意味では2mixの情報量が増えてる感じがします。左右の広がりも先の2本より広く感じます。
情報量と書きましたが、恐らくこれはオーディオの世界で言う表現力ということなのでは?と思います。
わかりにくいかもしれませんが、808のやや長めのディケイのキック(ヒップホップやトラップで良く鳴ってるアレです)で「ブゥーン」の「ゥ」の部分がよく聴こえます。
(↑伝わるか不安ですが要は普段気にしないところが聴こえるということです)
最後はVONDITA-X(ヴォンディータエックス)。
本体価格に対して6割の価格の電源ケーブルを使うってまずないですよね苦笑。
全体的にマイルドな質感です。先の3本に比べるとアタック感が薄くなった感じは否めませんが
楽器が音楽的に鳴ってるなぁと思いました。冷たい音はより冷たく、暖かめの音はより暖かく。
質感が濃く聴こえます。意外なところで、ミニマルでローファイなもの作る時に合いそうです。
情報量というよりはひとつひとつの描写が長けてるように感じたのでひとつずつソロにして聴くと、
なぜか全体で聴くよりも魅力的に聴こえます。不思議だ...
これもQBT処理の妙なのでしょうか。
ということで16チャンのミキサーには合ってないということですね。
(当たり前のことですがやってみて初めてわかることもあります苦笑)
結果的に4本それぞれの良さや設計の意図がまさかややくたびれ気味のミキサーで
確認できるとは思いもしませんでした。
逆に言えば設計にブレがないからこその結果とも言えます。
あと、これは4つすべてのケーブルに言えますが無音時のノイズが減りました。
Busに歪み系のエフェクターを繋いでいたり、アナログシンセが複数接続されていたりで
仕方ないかなと諦めていたのですが、恐らく元々使用していた電源ケーブルが
ノンシールドなのかと思われます。シールドやツイスト大事。
BLACK MAMBA-Σ V2、TUNAMI GPX-R V2、VONDITA-X(ヴォンディータエックス)に関しては
Rentio様にてレンタル出来るので(2023年10月26日現在)、もし機材を買い替えるほどでもないけれど、
もう少しチューンナップを試したいという方は是非お試しください!
次はシンセに直で良い電源使ってみようかな~ミキサーのノイズ対策もしようかな~。
ご高覧いただきありがとうございました!
Yでした。
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