ラベル 本多 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 本多 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年6月16日月曜日

特殊なオープンバレル端子を圧着しよう!

こんにちは、本多です

 緊急で動画を回してるんですが…ってテンションでこの記事を書いています

先日お客様からのお問い合わせで、ある端子の圧着について確認をしていたんですが、「丸端子だと思っていたものが、実は丸端子のフリをしたオープンバレル端子だった!」という事件がありました

危うく「裸端子用の圧着工具でいけますね~」なんてお気楽な案内をしてしまうところでした、マジで危険

今回は一先ずその端子についてと、加工に使用する圧着工具についてご案内します

ちなみに、手前味噌ですが5年前にこういう記事も書いてますので一緒にチェックいただけると幸いです

オープンバレルを圧着しよう

さて、今回問題になった端子がこちらのシリーズ

TL12-110S8 スリーブ付きファストン端子 Sサイズ

TL12-205M8 スリーブ付きファストン端子 Mサイズ

TL12-250L8 スリーブ付きファストン端子 Lサイズ

オーディオテクニカから出ているスリーブ付きファストン端子です

パッと見で丸端子かな?と思いますが、よーく見ると筒のセンター部分に切れ目があることに気づきます

これが、以下のように変形します

完全にオープンバレル端子やないかい!

誰だよ、丸端子みたいに気楽につかえるって言ってたの... 

普通オープンバレル端子といったら、

こういうやつじゃないですか!

完全に欺かれた気持ちです…


とりあえず、ものは試しにとNH1裸圧着端子・裸圧着スリーブ用手動圧着工具)で圧着できるかやってみました

あれ、意外といけるんじゃ…

そんな事はありませんでした、

ありませんでした!


ちなみに、

上手くいったと思ってもこの様にはみ出す始末…

結論:裸圧着端子用圧着工具だけでは加工できません!

じゃあどうするのと、もちろん専用工具を使うわけです

オープンバレル用の圧着工具「P-706」です!
先に紹介したブログ記事に出ているやつですね

こちらを使用して、
これを、
こういうハート型へ加工して、
こんな感じに圧着して、
最終的にはこの様に加工するわけです

が、やっていて気付いたことがありまして、

TL12シリーズの端子はいきなりP-706で加工しようとすると筒の部分がP-706のダイスよりも大きいためか、ハート型へ上手く変形せずに潰れてしまうんですね

微妙な力加減でなんとか加工できなくもないですが、高価な端子を無駄にはしたくないと思いますので、私が何個もダメにして見つけた失敗しにくい方法をここにのこします

①裸圧着工具で凹ます
結局使うんかい、といったところなんですが、ハート型へするために中心部を内側へ凹ますのに裸圧着工具が一番やりやすかったんですね

TL12シリーズは2.0sqか5.5sqぐらいのダイスで潰してあげると良いです

②ラジオペンチで加工する
ラジペンで少しずつ凹ましていくのも有りでした
むしろ裸圧着工具を持っていない人が多いと思いますので、こちらの方が確実かもですね

前の記事でも書いてますが、このハート型に形成するのが、オープンバレル端子の加工において一番重要な作業です

ハート型に形成したら、電線を挿入し、大きめのダイスから圧着し、以下の状態になるまで一つづつダイスを小さくしながら圧着していきましょう

キレイに圧着できるとめちゃくちゃ気持ちいいですよ!






はい、という訳で今回は特殊なオープンバレル端子とその圧着方法についての紹介を行いました

この端子のことを調べても同じ様に苦戦した方の記事しか出てこないんですよね
メーカーサイトにはどこにもオープンバレル端子だって書いてないんですけど、実際につかってみると紛うことなきオープンバレル端子でした、本当に有難うございました!

というわけで、今回紹介した方法で是非加工にチャレンジしてみて下さい



それではまたどこかで、

本多でした

2025年4月14日月曜日

銅についてのあれこれ【初級編】


  花粉症じゃないと10年くらい言い続けてますがくしゃみが止まらないし目が痒い、本多です。でも花粉症じゃありません(真顔)

 本日のサンデンは電線の中身の素材についてざっくり書いていきます。

一般的に我々の周りに存在している電線の中身といえば、そう「銅」でできた銅線です。

電源線や通信線などひとまとめに電線と呼ばれるものには主に銅の線が使われています。

数ある金属の中からなんで銅なの?って疑問に思う人、がいるのかわかりませんが、銅を採用しているのには理由があります。


一番大きな要因としては電気伝導率が高いことが挙げられます。

効率よく電気を伝えられるという点が一番評価されている、というわけですね。

ちなみに貴金属の中で一番伝導率が高いのは銀です。銅は次点、その後に金と続きます。

じゃあなんで一番伝導率がいい銀をメインで使わないのか?と言うと、単純にコストがかかりすぎるからなんですね。(オヤイデ電気で取り扱っている純銀線も年々高くなっていってます…)

数値は資料によって変わりますが、銅の導電率を100%としているものをよく見かけます。

銀は105%程で銅と近い数値ですが、金は70%程、その下のアルミニウムは50%ほどになります。

数値だけで比べてみても圧倒的に銅を使用する方が効率的かつ経済的なんですね。

ちなみに、発電所から伸びる架空送電線などには、よりコストと重量を軽くするためにアルミの送電線が使われています。


また、銅は柔らかく加工がしやすいという点でも重宝される金属です。

我々の身の回りでも調理器具ですとか、トップの画像に出ている10円玉のような日本の硬貨など様々な形に加工されて色んな所で使われています。

ちなみに日本の硬貨は1円玉(アルミニウム)以外は全て銅です、知ってましたか?

黄銅(5円玉)、青銅(10円玉)、白銅(100円玉)などいろいろな金属との合金が使われています。

近年の真ん中が銀色の500円玉はニッケル黄銅と白銅を組み合わせた「バイカラー・クラッド硬貨」と言うそうです。


と、少々脱線しましたが、加工性の良さも電線として電線として使われている一つの要因として考えてよいでしょう。



さて、銅線も細か見ていくと色々と種類があり、銅線の素材となる銅には「硬銅」と「軟銅」とが存在しています。それぞれを電線として使用する際は「硬銅線」「軟銅線」と呼びます。

硬銅線

伸線により冷間加工された硬質の銅線です。引張強度が高く、腐食に強い特性があります。

架空送電線や避雷針など、屋外や湿度の高い環境で使用されることが多いです。


軟銅線

硬銅線を加熱して、冷却処理により発生する残留応力を除去した銅線です。柔軟性に優れており、手や工具で簡単に曲げたり成形することができます。

一般的に家庭などにある通信ケーブル、電源ケーブルなどに使用される銅線はこちらが使用されていることが多いです。


また、先の硬貨の例のように銅自体にも色々と種類があります。

黄銅や青銅などは他の金属との合金ですが、純銅(赤銅)は純度による呼び方の違いが存在しています。

オーディオを齧ったことがある方ならOFC(無酸素銅)やPCOCCなどといった名称を耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。

産業帯、つまりは一般的に流通している電線に使われている銅線にも実は「タフピッチ銅(電気銅)」という名称が付いています。


【タフピッチ銅とは!】

・タフピッチ銅(TPC:Tough-Pitch Copper、C1100)

純度の高い純銅と呼ばれる銅の一種を使用した銅線で、純度99.90%以上のものを指します。

導電性が高く、加工性に優れており、一般的に家庭などで使用される銅線の大半を占めます。

0.02~0.05%程度の酸素を含有しているので、高温環境下(600℃以上)では水素脆化※を起こすという欠点があります。

※水素脆化:金属に水素が吸収されて強度が低下し、もろくなる現象。


オンラインショップの商品ページにも実は記載がありますし、秋葉原店の店員からも実はよく飛び出すワードですので覚えておきましょう。



ここいらで今回のまとめをしておきましょう。


・銅線は電気導電率が高いから電線として一般的に採用されている。

・銅線は「硬銅線」と「軟銅線」で使用環境などによって使い分けられている。

・産業帯で使われる銅線は基本的に「タフピッチ銅」!


本当にざっくりとした記事でしたが、次があればはもう少し細かい話をできればと思います。


それではまた次回、本多でした。


2025年2月10日月曜日

柔らかい電線が欲しいのなら

 もう2月なんですか?

そんなことより最近寒すぎませんか?

コタツから出たくない日々を過ごす本多です。


こう寒いと何でもカチカチになりがちです。

オヤイデのケーブルといえば二言目ぐらいに「硬い」と言い張る方がたくさんいらっしゃいますが、硬いのにも理由があるんですよ…

構造上、太くなればなるほど、本数が多くなればなるほど硬くなっていくのが電線の性ってもんです。

それでもやっぱり硬いと使いづらいよね…それも大いにわかりますとも。


「柔らかい電線が欲しいんですが…」は、オヤイデ電気で働いていて耳にするワードの中でもトップ10に入るんじゃないでしょうか(個人調べ)


そんな時、何をお客様にご案内するのか。

ビニール電線ですか?

ノンノン、勿論シリコン電線ですよ!


という訳で、本日はシリコン電線のお話です。



合成樹脂被覆シリーズ最後のお題目はシリコン樹脂です。いつシリーズしたのかとか野暮なことは言ってはいけません。


さて、シリコンといえば何を思い浮かべるでしょうか?

中学生男子の妄想はさておき、柔らかくて弾性がある素材を想像できると思います。

身近なものですと、シリコーンゴムとしては様々な場所のゴムパッキンやボールペンなどの滑り止めとして使われていたり、台所用品なんかでスクレーパーなどのヘラやターナー(フライ返し)、ボウルなどに使われているのを見かけます。


シリコンといえば耐熱性、耐寒性、耐候性、電気特性、撥水性、離型性などの多くの特性がある素材です。


電線の被覆としてのシリコンは、耐熱性、耐寒性、そして柔軟性に優れた品として機器の内部配線に重宝されている品です。



シリコン電線といえばオヤイデ電気!

先ずは弊社の稼ぎ頭を紹介します。


・RSCB 柔軟性シリコンコード

裸軟銅線にシリコーンゴムを押し出し被覆した銅線です。

-60℃180℃という幅広い耐熱耐寒性能を持っています。


そして何よりも柔らかいんです!ビニール電線なんか目じゃないくらいフニャフニャ!

シリコン電線を使うメリットはコレに尽きます。

実は柔らかさの秘密は被覆だけではありません。0.05mmや0.08mmといった極細の銅線を何十本も束ねてあることで、より柔軟な電線へと仕上がっているのです。


RSCBは、0.1sq/0.2sq/0.5sq/0.75sq/1.25sq/2.5sq/3.5sq/5.5sq/8.0sq/と、9サイズで展開しています。

8.0sq以外のサイズ比較

また、0.1sq~0.75sqまでは黒/赤/黃/緑/青/白の6色、1.25sq~5.5sqは黒/赤/青/白の4色、8.0sqは緑のみで在庫しており、細径であれば色数も多く選びやすいのもポイントですね。

0.1sq~0.75sqまでの色ラインナップ

1.25sq~5.5sqまでのラインナップ

RSCB 8.0sqは緑のみです

全てを1mから切り売り販売してますので、柔らかい電線が少しだけ欲しいそこのあなた!

オヤイデ電気にならあります!


お買い求めはこちらから~



さて、実はシリコン電線には亜種も存在しており、その辺も簡単に紹介しておきましょう。


・RSU

スズメッキ軟銅線にシリコンゴムを押出し被覆した電線で、耐寒性・耐熱性・柔軟性・難燃性に優れた電線です。

ちょっとファットなシリコン電線、RSUシリーズ。

こちらは30kV耐圧という恐ろしく高い耐圧値を持つ電線です。

もちろん、シリコンなので太いですが柔らかく、取り回しも良好。

AWG22 30kV / AWG16 30kV / AWG14 30kVの3種類を在庫しています。

こちらも1mから切り売り可です。


・UL3239

先に出てきたRSUの強化版的立ち位置のUL・CSA規格認定品です。

こちらも耐圧は10kV以上と耐圧値が高めです。

UL3239F AWG22 10kVUL3239G AWG22 20kVUL3239G AWG14 20kV の3種類に加え、弊社オリジナルでAWG22 50kV耐圧という極太耐圧ケーブルもございます。

芯線に対するシリコン被覆の厚さがすごい…



最後にシリコン電線のデメリットになると思われる部分も隠さず紹介!


それはめちゃくちゃホコリが付きやすい、ということ。

静電気が起こりやすく、電線を切っているときに触るとたまにバチッと来る事があります。(私の体質のせいなのか、季節柄なのか…)

静電除去剤やエタノールなんかで拭いてあげると綺麗にしやすいです。

まぁ内部配線なんでそんなに気にならない部分でしょうが、クリーニングの際等の参考までに。



やっぱりRSCBしか勝たん。


それではまた次回、

本多でした。


2024年11月25日月曜日

ニシチューブをこう使う!

 いきなりの冬に準備が間に合っていません、本多です

寒いったらありゃしない

オコタをそろそろ出しましょうかね~

さて、個人的今年最後のサンデンの更新。

最近は素材についてなどをちょい真面目な感じに書いてきましたので、今回は産業帯製品の役立つ使い方をライトな感じでご紹介できればと思います。

使うのはニシチューブ

画像はニシチューブNPM 10mm

西日本電線製の収縮チューブですね。

素材はエチレンプロピレンゴムで、可とう性、弾力性を有し、耐寒性、耐トラッキング性、耐水性、電気特性が優れている収縮チューブです。

収縮率が50%以上で、収縮した際に収縮前の2倍の厚みがでます。

そのため、一般的には電線などの接続部や端末の保護、釣り竿などのグリップ素材、滑り止めなどに使われますが、使い方は様々です。

ケーブル自サッカーの諸兄においては、ケーブルの保護や厚み出しに活用されていますよね。

細径のケーブルもニシチューブで厚みを出せばカシメやすいし製作が楽に!

私も主にケーブルの保護や厚みだしで頼りまくっているニシチューブ。

自宅ではニッパーやペンチの柄を保護したり、細い精密ドライバーの柄を太く+滑りにくくして使いやすく加工してます(写真を取り忘れました…)


そんなニシチューブ、個人的に是非ともおすすめしたい使い方があるんです。

それは、ハサミの持ち手の修理

何言ってるかわかんないと思いますので実際に処理したものを御覧ください!

これだけだと分かりづらいので処理を行う前の状態がこちら




持ち手が割れちゃってるんですね。

黒いハサミは随分前に100均で購入した私物ですが、使っているうちに持ち手が割れました。

青い方はおなじみHOZANのヘビースニップ、も会社で使っているものがいつの間にか持ち手が割れていることに気付きました。

最初はビニールテープで張り合わせていたんですが、使っているうちにズレてきて更にベタついてくるもんだからブチ◯レて剥がしました。

そのままでも使えなくはないのですが、握った際の違和感が気になります…

どうにかして輪っかを繋げたい。

そう考えながら割れている部分を触っていてふと思いつきました、

「これニシチューブに通せばいい感じの硬さで固定できんじゃね?」と。


やり方は以下の通りです。


私物のハサミは持ち手のグリップの太さがだいたい5mmくらいですので、ニシチューブの6mmを使うことに。

ヘビースニップは少し太いのでワンサイズ上の8mmを使いました。

長さは割れている箇所によりますが3cm~5cmほどでカット。

割れている部分から先ず片側の方へチューブを通します。


この際にグリップを曲げすぎて折っちゃわないようにご注意ください。

チューブが長すぎると通すのが億劫になるので注意です。

片側に通しきったら両側へ跨るようにチューブを移動させます。
刃に近い箇所が太いのでチューブを広げながらねじ込みます。

あとはヒートガンで縮めるだけ!

うぉ、いい感じです!

しっかりと割れた部分をホールドしつつ、弾力があるのでグリップ感を損ないません。

割れの位置によっては外れたりもします(実際に会社のヘビースニップはたまに外れます)が、テープでやっていた時とは段違いな使いやすさ!

かっちり処理したい方は割れた箇所を接着剤で固める+ニシチューブで保護、でより強固に固定してくれそうです。



はい、至極簡単な記事でしたが実用性は案外高いのでは?と思いますので、是非真似してみてください。

最後にいちばん大事なことを言っておきます。


ニシチューブはヒートガンじゃないと収縮しきれない


それではまた次回、本多でした。

2024年9月23日月曜日

架橋ポリがすき

 夏休みはやっぱり短い、あと1週間ぐらい欲しい…

そんなことを考えながら先週地元から戻ってきました、本多です。豚骨ラーメンが食べたい。



前回のサンデンでフッ素樹脂の電線について電線屋目線で色々と書かせて頂きました。

この感じで色々と他の素材も紹介できそうですので、今回は「ポリエチレン系樹脂」の被覆についてお話してみようと思います。樹脂シリーズ。

個人的に好きな被覆材です。それでは行ってみましょう!



~ポリエチレン系樹脂について~

ポリエチレン(PE)はプラスチックの一種で、世界で一番作られている合成樹脂のことです。

絶縁性が高く、比較的柔らかい部類の樹脂だそうで、電線の被覆に使われるのはそれらも理由のひとつなのかなと推測します。

逆に硬めのポリプロピレン(PP)などもよくきく素材の名前かなと思います。◯印◯品のケースなんかはPPが多いですね。


さて、電線の被覆の話に戻りまして、オヤイデ電気で実際に扱っている電線を見ていこうと思います。確認したところそんなに数は多くないですが、やはり素材的な使いやすさからよく見る名前が並んでいました。


BX-S架橋ポリエチレン

出たー!いつも言ってますがみんな大好きBX-S!

古河電工のBX-Sはポリエチレンを照射架橋させた耐熱電線です。

豊富なサイズと色展開で電子機器の内部配線などに広く使用されています。


ん?でもポリエチレンはポリエチレンですが「架橋」ってワードがひっついてますね。


~架橋とは~

簡単に言えば読んで字のごとく橋を架けること。

化学の世界では高分子同士が化学結合で結ばれる化学反応のことを指します。

分子間で橋を掛けたように結合することによって樹脂自体の特性を変化させ、機会的特性や耐久性を向上させる効果があります。


つまりは強化型ポリエチレン、ってことですね!

この架橋度合いで柔軟性を出したり耐熱性を上げたり、色々と調整ができるようですね。


個人的には何と言っても被覆の丈夫さが売りだと思います。

はんだごてを当て続けても全然溶けません。320℃のはんだ槽に1分浸しても融解しないほどの熱耐性を謳っています。(※電線としての定格は90℃です。)

実際のところ400℃くらいに設定したはんだごてを当ててもちょっとやそっとじゃ解けないです。

これは電子工作を行う人達にとって、作業性を考える上でとても大事なポイントだと思います。


丈夫な被覆を持っていますが、普通のビニール電線と同じように扱えるくらい取り回しが良いのもポイントですね。


また、前述しました通り色数やサイズ展開も豊富!

標準10色の色展開に加え、メーカーカタログを覗いてみるとサイズはなんと13種類もあります!

ちなみに、オヤイデ電気で在庫しているのは0.08sq~2.0sqまでの間で7種。

実際は0.035sqなんていう細いサイズから、1.4sqなんていう巷であまり見かけないようなサイズまでラインナップしているみたいです。

いろんな需要があるので、そこに向けて対応している感じなんでしょうね。


更に、一口にビーメックスと言っても色々と種類があります。

難燃性を持った「ビーメックス-NF」、難燃な上に燃やしても煙が出ない「ビーメックス-NFS」、耐熱温度が125℃までパワーアップした「ビーメックス-ER470 R」、さらに耐熱温度が150℃まで上がった「ビーメックス-ER500」。

そしてそれらに加えて耐圧が600Vもある「600V ビーメックス」シリーズなども存在しています。


正直実物を見たことがないんですが、600Vのビーメックスは普通に需要がありそうですね。600Vですと外径が太くなりそうですが。

(データで比較すると、通常の0.75sqで外径2.14mmに対し、600V ビーメックス-NFの方は2.74mmあります。普通の1.25sqが2.67mmですので、単純にワンサイズ上の外径サイズになると考えてもらえると良いのかなと思います。)


最近はロットの関係で、サイズによっては切り売りでの常時在庫ができなくなっている色もありますが、私が電線屋で働き始める前にも後にも売れ筋の架橋ポリ電線であることに違いはありません!Love BX-S!




UL3239 柔軟高圧線シリーズ架橋難燃ポリエチレン

産業帯からもう一種類。住友電工製の柔軟性高圧電線です。

ピンクと白が可愛らしい電線ですね。

比較的近年になってからの取扱品ですが、10KV以上の高耐圧に加え、UL規格電線というハイスペック具合から、コチラも売れ筋と言っても過言ではない電線です。

サイズはAWG22(≒0.3sq)のみですが、ワンサイズ下のAWG24も作れるようです。

また、在庫品は10kV20kVのみですが、他にも3kVや6kVもあるようですので、ロットはかなりデカイとは思いますが、ご入用の際はお見積もりから是非ご相談下さい。




オヤイデ3398シリーズXLPE

最後は自社製品から!102SSC導体を採用した機器用内部配線材です。

オヤイデ電気のオリジナル電線にも実はポリエチレン系の被覆が採用されています!

~XLPEとは~

"Cross Linked Polyethylene"の略称でして、ポリエチレンを架橋し分子構造を網目構造した素材です。

お、架橋しているということは、つまりはこれも架橋ポリってことですね!


ビーメックスと比べると同じ架橋ポリでも3398シリーズのほうが若干柔らかいように感じます。

コチラは定格で300V耐圧に対応してますので、機器の電源周りなどにもお使いいただけます。もちろんはんだごての熱にも強いので作業性も抜群です!

サイズは元々#22#18#16の3種(各白黒2色)だけでしたが、#18の赤が増え、#14(黒のみ)が加わり、気付いたら#24(白、黒)が仲間入りして、色数は流石に勝てませんが、ビーメックスに近いサイズ展開にいつの間にかなっていました。

他にもツイストされた3398-16TW、四つ編みされた3398-22 2対4編組ケーブルや8本で編まれた3398-22 4対8芯ケーブルなど、亜種も存在しています。

性能は変わりますが、1芯シールドの3398-SYも中心導体の絶縁体はXLPEですので、はんだ付けしやすいですね。(※アウターシースはPVCで熱に弱いのでご注意下さい。)


また、3398シリーズは弊社の様々な製品の素材として採用されていますので、お手に取られたことがある方も多いかもしれませんね。



はい、というわけで今回はポリエチレン被覆の電線、もとい架橋ポリ電線を紹介してみました。


とりあえず内部配線で迷ったら架橋ポリ!

耐圧とか耐熱とかの条件で躓いたらフッ素などの別の樹脂!


これだけ覚えておいて頂けると、この記事を読んでいるあなたの電線ライフが少し豊かになると思います、たぶん!


この流れで行くと次はシリコン辺りかな?はたまた別の素材を探し当ててくるのか…


それではまた次回、本多でした。


2024年7月22日月曜日

暑い時期こそフッ素樹脂



 遅い梅雨明けとともに暑さが戻ってきて干上がりそうです、このまま痩せないかな…

数年前までは秋葉原の店頭に立ってたんですが、あの茹だるような暑さのおかけで痩せてたんじゃないか、という噂もある本多です。あの頃のスキニーはもう履けない。そして真相は闇の中。
本日のサンデンは電線に使われる素材にフォーカスしてお話してみようと思います。絶縁体やシースとしてPVC(ビニル)やシリコン、ポリオレフィン(樹脂)など様々な素材が用いられています。それは物体としての強度や耐熱性、耐薬品性など様々な特徴を電線に付与してくれる重要なポイントでもあるわけですが、今回はその中から「フッ素樹脂」について、オヤイデ電気で扱っている商品を交えながらお話できればと考えています。先ず持ってフッ素樹脂とは?フッ素(フッそ、弗素、英: fluorine、羅: fluorum、独: Fluor)は、原子番号9の元素である。元素記号はF[1]。原子量は18.9984。ハロゲンのひとつ。
また、同元素の単体であるフッ素分子(F2、二弗素)も、一般的にフッ素と呼ばれる。
(by wikipedia)

フッ素樹脂(フッそじゅし、fluorocarbon polymers)とは、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂の総称である。
耐熱性耐薬品性の高さや摩擦係数の小さいことが特徴である。中でも最も大量に生産されているフッ素樹脂はポリテトラフルオロエチレン〈四フッ化樹脂〉である。
また、フッ素ゴムは部分フッ素樹脂あるいはフッ素樹脂の共重合体をフォームに加工したものである。
尚、「テフロン」はデュポン社のフッ素樹脂やその加工製品商標である。(by wikipedia)
専門用語が多すぎて頭が沸きそう!
化学反応で作られた合成樹脂素材ってことですが、一口にフッ素樹脂と言っても色々と種類があります。
オヤイデで扱っているものですと、ETFT、FEP、PFA、PTFEが代表的ですね。
PTFEはデュポン社が初めに作ったフッ素樹脂素材です。その後PFAなどもどんどんテフロンの銘柄に加えられていったそうです。

っと、このまま行くと世にあふれるフッ素樹脂についての記事と同じことをやりそうなので軌道修正。
電線屋らしく、電線にフッ素樹脂を用いるメリットをご紹介します。

電線にフッ素樹脂を用いることで得られる恩恵はというと、以下が挙げられます。
耐熱性の高さ
丈夫さ
薄さ
順番に見ていきましょう。

①耐熱性
一般的なPVC(ビニル)電線は性能が良くても60~80℃ぐらいが限度ですが、フッ素樹脂は180℃~200℃以上の耐熱性を持っています。
一番強いPTFEで260℃もの耐熱特性を持っています。ビニルがドロドロに溶ける温度でも平気な顔してるという強力な耐熱素材です。

オヤイデで耐熱電線をお探しのお客様に、150℃くらいまでならシリコン、それ以上はフッ素樹脂系というのは定番の勧め方ですね。
また、逆に寒い温度にも強く(耐寒性)、PTFEで-180℃までいけるそうです。

以前他のスタッフが耐熱実験をした記事があるのですが、火で焼いても全くの無傷でした。
②丈夫さ
フッ素樹脂は熱に強いだけではなく、耐薬品性や摩擦に強い(摩擦係数が小さい)といった特性も併せ持っています。
耐薬品性については限られた条件下で一部の物質に対し弱いだけで、ほとんどの酸やアルカリ、有機薬品などに侵される事がないとのこと…強すぎですね。
また耐候性が高く、紫外線などの影響もほとんど受けないという部分も大きな魅力の一つだと言えます。
③薄さ
フッ素樹脂を電線に用いる場合、上記の特徴以上に個人的に重要なのではと考えているのが被覆の「薄さ」です。
めちゃくちゃ強い素材の上薄く形成して使用できますので、電線にした場合もその恩恵に預かることができます。

同じ導体断面積の電線でもPVCでは厚みが出て使用が難しいところでも、フッ素樹脂の電線なら同じ断面積でも薄く被覆を形成できるため、楽に配線できます。
また大きな耐圧値が必要な電線は自ずと被覆の厚みが通常の品よりも増すのですが、フッ素樹脂ですと厚みを増しすぎずに高耐圧の被覆を形成することができます。

わかり易い例として以下の電線を比較してみましょう
・ハイフロン
サイズ:3.5sq(45/0.32) 被覆:FEP 定格耐圧:600V

・KIV 
サイズ:3.5sq(45/0.32) 被覆:PVC(ビニル) 定格耐圧:600V

左の透明な方がハイフロン、右の青色がKIVです。

並べてみただけでおわかり頂けるかと思いますが、同じ断面積かつ同じ素線構成、定格も同じ600V耐圧なのに、仕上がり外径が全然違いますね。
正直わかりやすく見せるため極端な例を上げましたが、細い電線でも同じように同じ断面積でも外径を細く収めることができます。
メリットとしては狭い箇所へ太い断面積の電線を這わせやすくなること、でしょうか。

オヤイデ電気でも一時期流行った(?)電動ガンの改造は、フッ素樹脂電線のこのメリットが生かされた良い例だと思います。いいとこばっか推してもアレなのでデメリットも一応お伝えしておきましょう。物質としては色々とデメリットもあるようなんですが、電線として使う場合は個人的にそんなにデメリットはない気がしています。
強いて言えば、燃やしたりして高音になったときに有毒ガスを発生させる事と、素材としてはフッ素樹脂自体が柔らかいので被覆に凹みができやすい点、ですかね。
正直燃やすこともないでしょうし、配線材で使うなら凹みなどは気にもならないと思います。

一番のデメリットは、お高い電線なんです、ってとこですかね。
フッ素樹脂の種類でも価格の上下はありますが、=性能の差、と考えていただいても差し支えないかもしれません。
中でも安価なのはETFE、逆に高価なのはPTFEですね。
両者の一番大きな違いは耐熱温度でしょうか。
PTFEが260℃に対し、ETFEは150℃と、シリコーン電線と変わらないぐらいの耐熱温度です。
しかし、ETFEは機械的強度が高いので機器のラッピング配線などに使用されます。
ローコストでより強度の高い素材で配線するのにぴったりということですね。

つまりは適材適所で運用しましょう、という当たり前のことを口にしたところで、今回の締めとさせてください。

タイトルが全然用をなしていない事に気付いてしまった本多がお送りしました。