~フラットケーブル~
例えば、スダレタイプですとこの様に途中が接着されていません。 |
例えば、スダレタイプですとこの様に途中が接着されていません。 |
すべてのクリエーターのためのプロフェッショナルユースを目的としたオヤイデ電気の自社ブランド "NEO"
その中でも世界中のクリエーター、特にDJ業界で広く使用されている、ハイクオリティオーディオケーブルシリーズ"d + Series"
今回はNEOブランドの看板商品といっても差し支えないであろう"d + Series"のご紹介です。
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d + Series
音楽ソース、音響機器など、時代と共にその環境も刻々と変化していきます。
DJ、PCオーディオという2つの異なるジャンルにおいて、現代のニーズに併せたハイクオリティでプロユースなラインナップをこれまでも展開してきました。
d +RCA Series
d +USB Series
プラグタイプは、"TypeA to TypeB"、"TypeC to TypeB"、"TypeC to
TypeC"、"TypeA to C"の仕様をラインナップ。
d +XLR
d +TXM
片側TRSフォーンプラグ、もう片側がXLR3ピンオスプラグ仕様。
d +XFT
片側TRSフォーンプラグ、もう片側がXLR3ピンメスプラグ仕様。
d+TS
d +TRS
d+RTS
片側がRCAプラグ、もう片側がTSフォーンプラグ仕様。
d+RXM
片側がRCAプラグ、もう片側がXLR3ピンオスプラグ仕様。
d +MYR
片側が3.5mmステレオL型プラグ、Y字に分岐し、もう片側はRCAプラグ×2仕様。
d +MYTS
片側が3.5mmステレオL型プラグ、Y字に分岐し、もう片側はTSフォーンプラグ×2仕様。
d +C7
IEC C7型採用のメガネ電源ケーブル。
その他にもセット品であるd +RCA for TurnTableやd +DJsetなどがございます。
この中でもRCA SeriesとUSB
Seriesは、多くのユーザーに支持されてきました。ステージ上でも映える緑色のケーブル=オヤイデ、という印象を持ってる方も少なくないのではないかと存じます。
そんなRCA SeriesとUSB
Seriesには通常仕様であるClassBタイプの他に、上位グレードが存在します。
(※USBはTypeA to TypeBのみ上位グレードがあり、その他のTypeはClassBのみ)
"Class A"と"Class S"です。
ではこれら3種類は何が違うのか?
それらは音にどう影響を与えるのか?
ご紹介致します。
🟢Class B🟢
RCA
USB
※TypeA to TypeB仕様の場合
🟠Class A🟠
RCA
USB
🟣Class S🟣
RCA
USB
各スペックを確認すると、ざっくり各Classの特色が見えてきますね。
大きく分けるとすると【導体】【シース】【端子】【アウターカバー】。
このあたりにそれぞれ違いがあるのがお分かりかと存じます。
【導体】
ClassBには高純度の無酸素銅が使用されています。
それと比較してClassAの場合は、オヤイデ電気オリジナルの精密導体102SSCが採用されていて、通常のOFCよりもより表現力豊かな出音が期待できます。
そしてClassSにも102SSCを採用していますが、ClassAよりも太い導体サイズを採用しています。
これにより、より低域や情報量が増し迫力のあるサウンドに仕上がります。
【シース】
ClassBにはPVCが採用されています。
それと比較してClassAとClassSでは、Thermoplastic Elastomersを採用しています。TPEと呼ばれていますね。
こちらはオーディオ用にチューニングしたエラストマーでして、PVCと比較しても優れた電気特性を発揮します。
【端子】
ClassBとClassAには24K金メッキを採用しています。
金メッキらしい、豊かな中低域と安定感が特徴と言えるでしょう。
それと比較してClassSでは、プラチナロジウムメッキを採用しています。
高い解像度と中音域の押し出しが魅力です。
【アウターカバー】
ClassBではシースと同様PVCを採用しています。
それと比較してClassAとClassAでは、アルミニウムを採用しています。
これにより、制振性に優れたサウンドとシールド効果を得られるでしょう。
私個人的にまとめますと・・・
🟢Class B🟢は、付属品からの買い替えやエントリーモデルとしては最適!
緑白のバランスがかわいい!DJ業界ではオヤイデと言えばコレ!
🟠Class A🟠は、一番バランスに優れた高いポテンシャル!
その特性上、実はレコーディング用途にも合っていたり!?
🟣Class S🟣は、とにかく派手なサウンド!高解像度高レンジで全部見える!
といった感想です。あくまで個人の見解なのでご参考程度にお願いします。
ご自身の用途にあったd+をお買い求めください!
以上!
三浦でしたー
夏休みはやっぱり短い、あと1週間ぐらい欲しい…
そんなことを考えながら先週地元から戻ってきました、本多です。豚骨ラーメンが食べたい。
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前回のサンデンでフッ素樹脂の電線について電線屋目線で色々と書かせて頂きました。
この感じで色々と他の素材も紹介できそうですので、今回は「ポリエチレン系樹脂」の被覆についてお話してみようと思います。樹脂シリーズ。
個人的に好きな被覆材です。それでは行ってみましょう!
~ポリエチレン系樹脂について~
ポリエチレン(PE)はプラスチックの一種で、世界で一番作られている合成樹脂のことです。
絶縁性が高く、比較的柔らかい部類の樹脂だそうで、電線の被覆に使われるのはそれらも理由のひとつなのかなと推測します。
逆に硬めのポリプロピレン(PP)などもよくきく素材の名前かなと思います。◯印◯品のケースなんかはPPが多いですね。
さて、電線の被覆の話に戻りまして、オヤイデ電気で実際に扱っている電線を見ていこうと思います。確認したところそんなに数は多くないですが、やはり素材的な使いやすさからよく見る名前が並んでいました。
・BX-S:架橋ポリエチレン
出たー!いつも言ってますがみんな大好きBX-S!
古河電工のBX-Sはポリエチレンを照射架橋させた耐熱電線です。
豊富なサイズと色展開で電子機器の内部配線などに広く使用されています。
ん?でもポリエチレンはポリエチレンですが「架橋」ってワードがひっついてますね。
~架橋とは~
簡単に言えば読んで字のごとく橋を架けること。
化学の世界では高分子同士が化学結合で結ばれる化学反応のことを指します。
分子間で橋を掛けたように結合することによって樹脂自体の特性を変化させ、機会的特性や耐久性を向上させる効果があります。
つまりは強化型ポリエチレン、ってことですね!
この架橋度合いで柔軟性を出したり耐熱性を上げたり、色々と調整ができるようですね。
個人的には何と言っても被覆の丈夫さが売りだと思います。
はんだごてを当て続けても全然溶けません。320℃のはんだ槽に1分浸しても融解しないほどの熱耐性を謳っています。(※電線としての定格は90℃です。)
実際のところ400℃くらいに設定したはんだごてを当ててもちょっとやそっとじゃ解けないです。
これは電子工作を行う人達にとって、作業性を考える上でとても大事なポイントだと思います。
丈夫な被覆を持っていますが、普通のビニール電線と同じように扱えるくらい取り回しが良いのもポイントですね。
また、前述しました通り色数やサイズ展開も豊富!
標準10色の色展開に加え、メーカーカタログを覗いてみるとサイズはなんと13種類もあります!
ちなみに、オヤイデ電気で在庫しているのは0.08sq~2.0sqまでの間で7種。
実際は0.035sqなんていう細いサイズから、1.4sqなんていう巷であまり見かけないようなサイズまでラインナップしているみたいです。
いろんな需要があるので、そこに向けて対応している感じなんでしょうね。
更に、一口にビーメックスと言っても色々と種類があります。
難燃性を持った「ビーメックス-NF」、難燃な上に燃やしても煙が出ない「ビーメックス-NFS」、耐熱温度が125℃までパワーアップした「ビーメックス-ER470 R」、さらに耐熱温度が150℃まで上がった「ビーメックス-ER500」。
そしてそれらに加えて耐圧が600Vもある「600V ビーメックス」シリーズなども存在しています。
正直実物を見たことがないんですが、600Vのビーメックスは普通に需要がありそうですね。600Vですと外径が太くなりそうですが。
(データで比較すると、通常の0.75sqで外径2.14mmに対し、600V ビーメックス-NFの方は2.74mmあります。普通の1.25sqが2.67mmですので、単純にワンサイズ上の外径サイズになると考えてもらえると良いのかなと思います。)
最近はロットの関係で、サイズによっては切り売りでの常時在庫ができなくなっている色もありますが、私が電線屋で働き始める前にも後にも売れ筋の架橋ポリ電線であることに違いはありません!Love BX-S!
・UL3239 柔軟高圧線シリーズ:架橋難燃ポリエチレン
産業帯からもう一種類。住友電工製の柔軟性高圧電線です。
ピンクと白が可愛らしい電線ですね。
比較的近年になってからの取扱品ですが、10KV以上の高耐圧に加え、UL規格電線というハイスペック具合から、コチラも売れ筋と言っても過言ではない電線です。
サイズはAWG22(≒0.3sq)のみですが、ワンサイズ下のAWG24も作れるようです。
また、在庫品は10kVと20kVのみですが、他にも3kVや6kVもあるようですので、ロットはかなりデカイとは思いますが、ご入用の際はお見積もりから是非ご相談下さい。
・オヤイデ3398シリーズ:XLPE
最後は自社製品から!102SSC導体を採用した機器用内部配線材です。
オヤイデ電気のオリジナル電線にも実はポリエチレン系の被覆が採用されています!
~XLPEとは~
"Cross Linked Polyethylene"の略称でして、ポリエチレンを架橋し分子構造を網目構造した素材です。
お、架橋しているということは、つまりはこれも架橋ポリってことですね!
ビーメックスと比べると同じ架橋ポリでも3398シリーズのほうが若干柔らかいように感じます。
コチラは定格で300V耐圧に対応してますので、機器の電源周りなどにもお使いいただけます。もちろんはんだごての熱にも強いので作業性も抜群です!
サイズは元々#22、#18、#16の3種(各白黒2色)だけでしたが、#18の赤が増え、#14(黒のみ)が加わり、気付いたら#24(白、黒)が仲間入りして、色数は流石に勝てませんが、ビーメックスに近いサイズ展開にいつの間にかなっていました。
他にもツイストされた3398-16TW、四つ編みされた3398-22 2対4編組ケーブルや8本で編まれた3398-22 4対8芯ケーブルなど、亜種も存在しています。
性能は変わりますが、1芯シールドの3398-SYも中心導体の絶縁体はXLPEですので、はんだ付けしやすいですね。(※アウターシースはPVCで熱に弱いのでご注意下さい。)
また、3398シリーズは弊社の様々な製品の素材として採用されていますので、お手に取られたことがある方も多いかもしれませんね。
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はい、というわけで今回はポリエチレン被覆の電線、もとい架橋ポリ電線を紹介してみました。
とりあえず内部配線で迷ったら架橋ポリ!
耐圧とか耐熱とかの条件で躓いたらフッ素などの別の樹脂!
これだけ覚えておいて頂けると、この記事を読んでいるあなたの電線ライフが少し豊かになると思います、たぶん!
この流れで行くと次はシリコン辺りかな?はたまた別の素材を探し当ててくるのか…
それではまた次回、本多でした。