BELDEN正規輸入代理店「トモカ電気」企画!
U.S.A製「8470」「9497」がスポット入荷!
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音響用スピーカーケーブルのデファクトスタンダード。 8470/9497を知らずしてスピーカーケーブルを語るべからず! |
はじめに
BELDEN正規輸入代理店「
トモカ電気」は東京・秋葉原にある音響・映像・照明の総合商社です。BELDEN製品はベルデンから納品されたケーブルを卸しているだけなので、正規輸入代理店はロットや工場を指定することはできません。
また以前より「BELDENには偽物がある」「中国製は品質が悪い」という噂が吹聴されており、正規代理店としても本件に関する問い合わせが多いと相談を受けておりました。本件については
過去ブログで結論づけておりますので併せてご覧いただけますと幸いです。
こういった背景がありまして、トモカ電気様より「U.S.A製を入手したので、販売してもらえないか?」というご案内をいただき、今回はスポット的に取り扱いさせていただく運びとなりました!
※U.S.A製の販売は在庫限りとなります。
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黒い樹脂ボビンも少し形状が違いました。 でも見た目じゃ分からないですね~。
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U.S.A製との違い
オヤイデ電気直営店にある在庫とU.S.A製を比較してみましょう。
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(上)U.S.A製8470 (下)中国製8470 |
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(上)U.S.A製9497 (下)中国製9497 |
色が微妙に違います。
スマホやモニターによって違いが分からない方もいらっしゃると思います。肉眼で見ても、色の差はほとんどありません。
もし両方を購入された(所持している)場合、取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
※色の違いはあくまで今回のロットに限った話ですので、必ずしも色に違いが出るわけではございません。
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(上)U.S.A製8470 (下)中国製8470 |
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(上)U.S.A製9497 (下)中国製9497 |
導体の状態を観察してみましたが、こちらもほぼ一緒でした。
素線径は実測「U.S.A製:0.29mm」「中国製:0.285mm」と、わずかに中国製の方が細いようです。伸線の公差なのか、メッキ厚の差なのかは判断できませんでした。
それ以外に違いは見つからず、撚り線構成のクオリティはどちらも同じ。メッキ表面の状態も違いが分からなかったです。
また音質に大きな影響を与える「絶縁樹脂」の品質に関しても、硬さや質感に違いはありませんでした。
音質傾向
肝心の音質ですが・・・ほとんど違いを感じませんでした😓
電線構造が同じなので音質傾向が一緒なのは当たり前ですが、わずかに音質は違うかな?といった印象でした。(ザラザラとした高域の質感と、倍音の出方に差があるかも?という程度。)
過去のブログでは「U.S.A製8470は音が良かった」と書いていますが、
前回納品されたU.S.A製とは品質が全く異なっていました。(特に絶縁樹脂・メッキの品質が全然違います。ちょっと残念。)
今回のロットはたまたま音質が似ていたのか、全世界のベルデン工場において品質統制の流れがあるのか、色々憶測をめぐらすことはできます。
重ねて提言させていただきますが、同じ工場・同じ原産国であっても、品質が毎回同じとは限らないというのは電線業界の常識です。
故に「入手ルートを統一したからといって、音質や品質が安定する」という理由には繋がらない旨をご留意ください。
※「どのロット・原産国の音が良いか」という話をするつもりはなく、あくまで「製造毎に違いは出て然るべき」ということをお伝えしておきます。あとはお客様のご判断にお任せしたいと思います😉
ベルデン社のケーブルスペックは常に更新されています。
100年以上の歴史がある8470でも、スペックシートは2025年にも更新されており、ここ数年で「導電性が向上」「耐熱仕様(+105℃)」に更新されています。※一部スペックシートから削除された項目もあります。
UKCA/CEやRoHS規制も近年始まった取り組みですので、20~30年前と比べて樹脂やメッキ液が変更されていてもおかしくありません。というか「耐熱仕様になった=樹脂材の仕様変更があった」となるので、樹脂材の変更前後で音質の違いは確実に出ているとも言えます。
「同じ型番だから、いつまでも同じ品質」なんてことは絶対にありえませんので、過信は禁物です。
●Belden / 8470 Specification
●Belden / 9497 Specification
8470 or 9497 違いについて
改めて、8470と9497の違いについて、簡単にご説明させていただきます。
2種類の違いは「ツイストピッチの違い」のみとなります。
使用している電線はどちらも同じ「UL1007規格 AWG16」をベースとしていますが、導体構造はベルデン独自の構成となっている点は大きな特徴です。(日本で販売されているUL1007をツイストしても、同じ音にはなりません)
9497は外来ノイズの影響を抑えるために「ツイストピッチ」を狭くしています。
ツイストピッチが狭くなると、真っ直ぐ伸ばした時のケーブル長が長くなりますので、導体抵抗が増えていることも考慮しなければなりません。
またツイストペア構造によりループアンテナ効果を抑制できますので、低域の締まりやノイズ感の抑制などにも影響を及ぼしますが、その反面で原音忠実から離れていく傾向もあります。
※相対的に”中音域が強調されて聞こえる”という特徴から、ギターアンプ用スピーカーケーブルとして定評があります。
8470はツイストピッチが広いので、真っ直ぐ伸ばした時のケーブル長との差が少なくなります。これにより導体抵抗の上昇を抑えられますので、9497よりも電気的なロスの少ない原音忠実な特性を得ることができます。
※「じゃあ平行線を使ったら良いのでは?」と思われるかもしれませんが、平行線の場合はツイストペアのように磁気影響を相殺できないため、かえって外来ノイズの影響を受けやすくなります。ですが、電線のポテンシャルを発揮するには何もしていない平行線の方が理想的です。何事も一長一短ですね。
さいごに
電線オタクであれば「U.S.A製の音ってどんなもんだ!?」と気になりますよね?
今回はトモカ電気様のご厚意により、U.S.A製8470/9497を販売させていただけることになりました!
”原産国”が異なる”同一型番”が”同時期”に在庫しているという珍しい機会です。
もし興味がある方はお早めにお買い求めください!
【U.S.A製】
【通常品(現在は中国製が多く入荷する傾向にあります)】
以上、原田でした。
おまけ
U.S.A製の8470/9497ラベルを貼っておきます。
意外と細かくスペックも載ってますね。
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9497 MADE IN THE U.S.A |
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8470 MADE IN THE U.S.A |
https://oyaideshop.blogspot.com/2025/09/beldenusa8470-9497.html?m=0【BELDEN正規輸入代理店企画】U.S.A製のスピーカーケーブルが入荷!【8470 & 9497】