2025年9月15日月曜日

WL1とWL2の違いとは?絶縁電線の基礎知識と選定ポイント

今週のサンデンは、WL1とWL2に違いについてのお話です。

 制御盤や機械内部の配線に欠かせない「絶縁電線」。

その中でも「WL1」や「WL2」という名称を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

現場から型番指定で要求されることも多いこれらの電線ですが、両者には明確な違いが存在します。


●WLとは

一般的に車両用ケーブルを指します。

配電盤、制御盤などの内部配線、モーター用口出線としての使用の他に、

新幹線、在来線車両、地下鉄車両、産業用車両等

車両の電気配線(旧JRS規格のWL1)としてもご使用頂けます。


●WL1・WL2とは?


「WL1」「WL2」とは、主に制御盤や機械内部配線に使用される絶縁電線の種類を示す分類です。

これはJIS(日本産業規格)に基づいた分類で、電線の絶縁体の種類や厚さ、耐熱温度に違いがあります。


▶ WL1:標準的なビニル絶縁電線


絶縁体:PVC(ポリ塩化ビニル)

耐電圧:600V

使用温度範囲:最大60℃

特徴:柔軟性が高く、加工しやすい

主な用途:一般制御盤、端子台配線など


WL1は、コストパフォーマンスに優れた標準的な絶縁電線です。比較的熱の発生が少ない環境であれば、十分な性能を発揮します。

絶縁体が薄く、取り回しも容易なため、盤内配線などに多く使われています。

WL1のショッピングページはこちら


▶ WL2:耐熱性を高めた高性能電線


絶縁体:厚手のPVCまたは耐熱PVC

耐電圧:1500V

使用温度範囲:最大105℃

特徴:高温環境に対応、安全マージンが大きい

主な用途:モーター周辺、発熱機器近辺、密閉盤内など


WL2は、WL1よりも高温環境に強く、安全性の高い用途に適しています。

絶縁層が厚く、耐熱性・絶縁性ともに優れており、信頼性が重視される機器や、海外輸出向け機械にも多く採用されています。

取寄せ等、お問い合わせはこちら


WL1とWL2、どう使い分けるべき?

以下のような判断基準をもとに、選定を行うのが一般的です。


判断基準 推奨タイプ 理由

常温環境(~60℃) WL1 コスト重視・標準仕様

高温環境(60℃超) WL2 発熱機器や密閉空間でも安心

規格対応(PSE、UL等)WL2 一部の法規制に準拠しやすい

柔軟性重視 WL1 絶縁が薄く、施工性が良い

安全マージン重視 WL2 耐久性が高く、トラブルを予防


注意すべきポイント

使用環境を確認すること

 → WL1で対応可能な場所にWL2を使うとコスト高、逆にWL1では温度に耐えられない場所も。


佐々木でした。

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秋葉原直営店に是非お越し下さい。
皆様のご来店をスタッフ一同お待ちしております。

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2025年9月9日火曜日

スピーカーケーブルは何故シールドされていないの?

 


こんにちは、葛下です。



ギターやラインケーブルに使われているいわゆるシールドケーブルってご存じですよね。


その名の通り、被膜の内側に外部導体、いわゆるシールドと呼ばれる部分があり、外部からのノイズ対策がされております。




では、スピーカーケーブルを見てみましょう。


アンプとスピーカーを繋ぐケーブルなのですが、2本の平行ケーブルでシールドはされておりません。

EXPLORER V2


余程高級品のスピーカーケーブルでシールドされている物もありますが、大抵のスピーカーケーブルはシールドされていません。


音響の為のケーブルなので外部からのノイズ対策は合った方が良いに決まっているのに、なぜスピーカーケーブルってシールドされていないのか…


不思議じゃないですか?



答えは双方に流れる電気信号の違いなのです。



シールドケーブルと言うのは微弱な電気信号を受け渡しします。


微弱な電気信号って、外来ノイズの影響を受けやすいのでシールドでノイズ対策をする必要があるのです。


一方スピーカーケーブルは、莫大な電流が流れる為、外来ノイズの影響は受けにくくシールドの必要性が無いのです。


考えてれば私が過去に持っていたベースアンプって500Wでしたからね。それだけの電流が流れているのです。




なので、シールドケーブルとスピーカーケーブルは根本的に目的が異なるのです。



シールドは、より優れた音質で信号を届けるか、スピーカーケーブルは大きな電流を安全で損失無く受け渡すか。



当然、ケーブルのつくりそのものも全く違ってきます。



大きな違いは外部導体(シールド)の有り無しの他、導体面積の違いです。


スピーカーケーブルはAWG14~20ぐらいのモノが多く、


シールドケーブルはAWG18~22と、太さが全く異なります。

さて、ここで重要になってくるのが、双方のケーブルには全く互換性は無いのです。



仮にシールドケーブルをスピーカーケーブルとして使用した場合、シールドケーブルは大電力の信号を受けきれず、最悪の場合焼けます。



逆にスピーカーケーブルをシールドとして使用した場合、電気的な危険は無いのですが、シールドがされていない分、外来ノイズを影響を受け易いです。



シールドが付いている高級スピーカーケーブルを使用する分には全く問題ありませんが、高いお金を払ってまでそこまでするメリットはありません(笑)



普通にスピーカーケーブルとして使って下さい。




スピーカーケーブルとシールドケーブル。それぞれに合ったモノを使って下さい。



特に楽器のセパレータのアンプに使うスピーカーケーブルって、シールドと同じ6.3φフォーンプラグが付いてますのでどっちでもええやん!とか言って使い回しは絶対に止めて下さい。



使って良いヤツ


見た目には絶対に判りませんからちゃんと目印を付けて使い分けするようにして下さいね。大事な機材が壊れますよ!




以上葛下でした。



タメになったね~!(笑)




秋葉原直営店

  • 9月の営業時間

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本社


2025年9月8日月曜日

極細だけど極細過ぎない平行ケーブルが登場!


店頭で「細い平行ケーブルください」

と言われる事が多々あります。

そのような時は


 こちらをご案内する事がありますが

「細すぎる(笑)」そう言われます。

その次にちょっと太めの...

こちらをご案内しますと

「太さは良いんだけど、色分けされてるのが良いんだよね...」

ではこちらは、どうでしょうか?

「これは、太過ぎる...半分くらいのサイズが欲しいんだよね」

と今までは、この様なやりとりが多かったのですが

ちょうど良いサイズが登場しました。


色分けされていて「0.08sq」より「細過ぎない」
色分けされていない「0.18sq」と違い「識別が出来る」
「0.3sq」の約半分のサイズで「ちょうど良い」
ありそうで無かった仕様が詰まっているケーブルが新登場!

サイズ感の比較ですが、上記の通りになります。
今回、新登場したH-PVC0.14sq 極細平行ケーブル
耐熱:80℃
耐圧:50v以下

模型や工作などの限られたスペースへ、また配線を目立たせたくない箇所へ最適。

照明器具/テープLEDやリード線等多くに使用されています。


H-PVC0.14sq 極細平行ケーブル」の

切り売りは赤/黒のみとなりますが

「他の色の組み合わせが欲しい!」

その時は是非、ご相談ください!

以上、丸山でした。


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2025年9月5日金曜日

【BELDEN正規輸入代理店企画】U.S.A製のスピーカーケーブルが入荷!【8470 & 9497】

BELDEN正規輸入代理店「トモカ電気」企画!
U.S.A製「8470」「9497」がスポット入荷!


音響用スピーカーケーブルのデファクトスタンダード。
8470/9497を知らずしてスピーカーケーブルを語るべからず!

はじめに

BELDEN正規輸入代理店「トモカ電気」は東京・秋葉原にある音響・映像・照明の総合商社です。BELDEN製品はベルデンから納品されたケーブルを卸しているだけなので、正規輸入代理店はロットや工場を指定することはできません。

また以前より「BELDENには偽物がある」「中国製は品質が悪い」という噂が吹聴されており、正規代理店としても本件に関する問い合わせが多いと相談を受けておりました。本件については過去ブログで結論づけておりますので併せてご覧いただけますと幸いです。

過去ブログ:『偽物Beldenが存在してる説』に終止符を打ちます。

https://oyaideshop.blogspot.com/2020/01/belden.html

こういった背景がありまして、トモカ電気様よりU.S.A製を入手したので、販売してもらえないか?というご案内をいただき、今回はスポット的に取り扱いさせていただく運びとなりました!
※U.S.A製の販売は在庫限りとなります。

黒い樹脂ボビンも少し形状が違いました。
でも見た目じゃ分からないですね~。

U.S.A製との違い

オヤイデ電気直営店にある在庫とU.S.A製を比較してみましょう。

(上)U.S.A製8470
(下)中国製8470

(上)U.S.A製9497
(下)中国製9497

色が微妙に違います
スマホやモニターによって違いが分からない方もいらっしゃると思います。肉眼で見ても、色の差はほとんどありません。

もし両方を購入された(所持している)場合、取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
※色の違いはあくまで今回のロットに限った話ですので、必ずしも色に違いが出るわけではございません。

(上)U.S.A製8470
(下)中国製8470

(上)U.S.A製9497
(下)中国製9497

導体の状態を観察してみましたが、こちらもほぼ一緒でした。
素線径は実測「U.S.A製:0.29mm」「中国製:0.285mm」と、わずかに中国製の方が細いようです。伸線の公差なのか、メッキ厚の差なのかは判断できませんでした。

それ以外に違いは見つからず、撚り線構成のクオリティはどちらも同じ。メッキ表面の状態も違いが分からなかったです。
また音質に大きな影響を与える「絶縁樹脂」の品質に関しても、硬さや質感に違いはありませんでした。

音質傾向

肝心の音質ですが・・・ほとんど違いを感じませんでした😓
電線構造が同じなので音質傾向が一緒なのは当たり前ですが、わずかに音質は違うかな?といった印象でした。(ザラザラとした高域の質感と、倍音の出方に差があるかも?という程度。)

過去のブログでは「U.S.A製8470は音が良かった」と書いていますが、前回納品されたU.S.A製とは品質が全く異なっていました。(特に絶縁樹脂・メッキの品質が全然違います。ちょっと残念。)

今回のロットはたまたま音質が似ていたのか、全世界のベルデン工場において品質統制の流れがあるのか、色々憶測をめぐらすことはできます。

重ねて提言させていただきますが、同じ工場・同じ原産国であっても、品質が毎回同じとは限らないというのは電線業界の常識です。
故に「入手ルートを統一したからといって、音質や品質が安定する」という理由には繋がらない旨をご留意ください。

※「どのロット・原産国の音が良いか」という話をするつもりはなく、あくまで「製造毎に違いは出て然るべき」ということをお伝えしておきます。あとはお客様のご判断にお任せしたいと思います😉



ベルデン社のケーブルスペックは常に更新されています。
100年以上の歴史がある8470でも、スペックシートは2025年にも更新されており、ここ数年で「導電性が向上」「耐熱仕様(+105℃)」に更新されています。※一部スペックシートから削除された項目もあります。

UKCA/CEやRoHS規制も近年始まった取り組みですので、20~30年前と比べて樹脂やメッキ液が変更されていてもおかしくありません。というか「耐熱仕様になった=樹脂材の仕様変更があった」となるので、樹脂材の変更前後で音質の違いは確実に出ているとも言えます。

「同じ型番だから、いつまでも同じ品質」なんてことは絶対にありえませんので、過信は禁物です。

●Belden / 8470 Specification

●Belden / 9497 Specification

8470 or 9497 違いについて

改めて、84709497の違いについて、簡単にご説明させていただきます。


2種類の違いは「ツイストピッチの違い」のみとなります。
使用している電線はどちらも同じ「UL1007規格 AWG16」をベースとしていますが、導体構造はベルデン独自の構成となっている点は大きな特徴です。(日本で販売されているUL1007をツイストしても、同じ音にはなりません)

9497は外来ノイズの影響を抑えるために「ツイストピッチ」を狭くしています。
ツイストピッチが狭くなると、真っ直ぐ伸ばした時のケーブル長が長くなりますので、導体抵抗が増えていることも考慮しなければなりません。
またツイストペア構造によりループアンテナ効果を抑制できますので、低域の締まりやノイズ感の抑制などにも影響を及ぼしますが、その反面で原音忠実から離れていく傾向もあります。
※相対的に”中音域が強調されて聞こえる”という特徴から、ギターアンプ用スピーカーケーブルとして定評があります。

8470はツイストピッチが広いので、真っ直ぐ伸ばした時のケーブル長との差が少なくなります。これにより導体抵抗の上昇を抑えられますので、9497よりも電気的なロスの少ない原音忠実な特性を得ることができます。
※「じゃあ平行線を使ったら良いのでは?」と思われるかもしれませんが、平行線の場合はツイストペアのように磁気影響を相殺できないため、かえって外来ノイズの影響を受けやすくなります。ですが、電線のポテンシャルを発揮するには何もしていない平行線の方が理想的です。何事も一長一短ですね。

さいごに

電線オタクであれば「U.S.A製の音ってどんなもんだ!?」と気になりますよね?
今回はトモカ電気様のご厚意により、U.S.A製8470/9497を販売させていただけることになりました!

原産国”が異なる”同一型番”が”同時期”に在庫しているという珍しい機会です。
もし興味がある方はお早めにお買い求めください!

【U.S.A製】

BELDEN / 8470【U.S.A製】 ¥847(税込)
https://shop.oyaide.com/products-8470-usa.html

BELDEN / 9497【U.S.A製】 ¥1,100(税込)
https://shop.oyaide.com/products-9497-usa.html


【通常品(現在は中国製が多く入荷する傾向にあります)

BELDEN / 8470(通常品) ¥418(税込)
https://shop.oyaide.com/products/p-2656.html

BELDEN / 9497(通常品) ¥660(税込)
https://shop.oyaide.com/products/p-384.html


以上、原田でした。

おまけ

U.S.A製の8470/9497ラベルを貼っておきます。
意外と細かくスペックも載ってますね。

9497 MADE IN THE U.S.A

8470 MADE IN THE U.S.A

2025年9月1日月曜日

ケーブル同士を繋ごう!

 こんにちは、葛下です。


よくお客様に「ケーブル同士を繋ぎたいんだけど」と相談されます。



そんな時、「ケーブル剥いて捩って繋いでも良いんでしょ?」なんてよく言われます。




はい、導通はします。


でも引っ張れば取れます。簡単に。


全くお勧め致しませんはい。


せめて半田付けをしましょう。


これなら安心です。


その後絶縁テープを巻くか、熱収縮チューブで絶縁すれば完璧です。


写真は布っぽい生地のアセテートテープを巻いてます。時が経ってもベタベタしないのでお勧めです。



あと繋ぐ方法としては、圧着端子を使う方法があります。


B型圧着端子

これはケーブル双方を突き合わせて圧着する端子です。

双方2か所圧着します。

突き合わせなのでほっそりと仕上がります。



P型圧着端子


こちらはケーブル双方を重ね合わせて圧着する端子です。

真ん中一か所を圧着します。

P方に比べて少し太くなりますが、端子部分は短くなります。


圧着端子はもちろん導通がありますのでしっかりと絶縁する必要がありますが、


2種類とも絶縁被覆付も端子もあります。


TGVB端子

TGVP端子


あと、突き合わせのB型で防水タイプも御座います。

SBシリーズ



こちらは熱収縮チューブが装備されていますので収縮させて防水します。



ただ、圧着端子はそれぞれに合った圧着ペンチを使用する必要があります。



そこで最後に圧着ペンチも半田も必要のない最強アイテムのご紹介

WAGO 221-2411


こちらはレバーを上げて被覆を剥いたケーブルを両端に差し込んでレバーを下げて固定るすだけ。


たったこれだけでケーブル同士を連結出来ます。


絶縁テープも要りません。そしてなんと何度でも使えます!



欠点は、ちとごつい…ちと邪魔?…


お値段が圧着端子は数十円に対して198円(税込み)と少しお高め…



とは言え、何度も使えますし高い圧着ペンチも必要ないのでそこは相殺出来ましょう。



こんな感じで、ケーブルを繋ぐアイテムは色々御座いますので、けっして捩って繋いだだけで放置しないで下さいね。




以上葛下でした。



秋葉原直営店

  • 9月の営業時間

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    オンラインショップ当日発送受付時間14時までとなります。

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    状況により、営業時間、対応期間は変更となる可能性がございます。


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