2020年1月31日金曜日

ポタ研2020冬が2/8(土)に出展します。

お久しぶりです。オヤイデ電気の齋藤薫と申します。

暖冬が続いており、服選びが難しい気温ですね。
服を買うにもあまり気が乗りません。
買いたい時を逃すと一生手に入らない、なんてことも有ります。それはまずい!

そんな商品がたくさんあるイベントが開催されるんですよ!
その名も……


(略してポタ研2020冬!)
2月8日(土)開催!




ラ・ラ・ラ 言えるかな?IECコネクターの名前~!

 どうもおはこんばんにちは。
 小倉です。

 こんなタイトルを掲げておいて実はポケモンを一度もやった事がありません。ただあの歌だけすごく耳に残っている世代です。ちなみにポケモンの名前もあまり言えません。見た目的にはアブソルが好きです。

 なんて話はさておき。
 今回はIEC規格の話題です。
 一口にそう言われてもなんのこっちゃ?だと思います。もしくは特定のコネクターを思い浮かべる方もいると思います。

 おっと、そこのページ閉じようとしたギタリストのお兄さん、他人事じゃないですよ。貴方も日々使ってる筈です。

 要するに、

   
 こういうやつのお話。
 このオヤイデブログを読んでくださっている皆様であれば沢山嗜んでいらっしゃる、電源ケーブルのこっち側のお話。

 実はこれら、ちゃんと全部IEC(国際電気標準会議)が定めている同じ「IEC 60320」のコネクターの一種。そしてそれぞれその規格名が付いています。

 名前、言えますか?

2020年1月30日木曜日

【オヤイデ電気 秋葉原直営店】2月の営業時間のお知らせ

【オヤイデ電気直営店の詳細はこちらから】

【2月・営業時間のお知らせ】
★臨時休業日:なし
★8日(土)は「ポタ研2020冬」に出展いたします。

OPEN:10:00
CLOSE:19:00
定休日:日曜

15時までの注文で即日発送も可能です。(在庫要確認)
在庫品内外問わず、お客様のご要望に沿って御見積差し上げます。

<オヤイデ電気・直営店までの道順>

2020年1月27日月曜日

UEW/PEW/AIW それぞれのエナメル線の剥がし方


デペントKXを使ってAIWの被膜を剥がすことはできますか?」と言ったお問い合わせをいただくことがままあります。デペントKXはPEW用の剥離剤ですが、見た目だけだとエナメル線ならどれでも使えそうですよね。しかし、実際にはエナメル線ごとに好ましい剥離方法が異なります。
と言うわけで、今回はエナメル線主要3製品について被覆の剥がし方についてご紹介します!!



被覆の剥がし方

紙ヤスリで削る
最も汎用性のある剥がし方です。目が粗いほど一気にガツガツ削れますが、導体の表面もザラザラに削れてしまうので外径寸法に細かな指定がある場合には注意が必要です。
左から100番(粗い)320番(普通)600番(細かい)で削っています。

予備ハンダの熱で溶かしてしまう
そのままハンダしてしまうだけなので簡単です。

被膜剥離剤(デペントKX)で剥がす
剥離剤に漬けてしばらくすると下の画像のように被膜表面がボコボコと膨らむので、それを拭き取れば導体を傷つけずにきれいに被膜が剥がせます。ただし、ちょこっとしか剥かない人にはコスパが悪いのが難点。



以上の三つが主要な剥がし方になります。
それではどのマグネットワイヤーにどの方法が適しているのか解説します。

UEW(ポリウレタン)

>>UEWの商品一覧を見る<<


耐熱130℃と他のマグネットワイヤーよりも耐熱温度が低いため、ハンダの熱でそのまま溶かして導通させることが可能です。ヤスリで削ることも可能ですが、被膜のある部分/ない部分がほぼ同じ色をしているため削れているのか外見から判別しにくい点からハンダの熱で溶かす方が安定します。尚、緑や赤の色付きUEWであれば被覆の有無が視認しやすいのでヤスリもアリです。

ちなみに剥離剤でも剥がせないことはないので △ としました。詳しくは過去の記事をどうぞ。


上記リンクの記事でも記述がありますが、デペントKXはPEW用の剥離剤です。試される場合は自己責任でお願い致します。

PEW(ポリエステル)

>>PEWの商品一覧を見る<<




オヤイデのYouTubeより。

PEWに関しては推奨商品でもあるデペントKXを使用するのが好ましいです。しかし、ちょっとした工作程度であれば瓶を買うよりヤスリで削る方が手軽ですね。尚、デペントKXは開栓してから時間が経つにつれて主成分が揮発してしまうため、使用される際は長くとも半年程度で使い切るイメージで冷暗所に保管してください。

AIW(ポリアミドイミド)

>>AIWの商品一覧を見る<<



耐熱温度も高いためそのままハンダ付けする事はできません。また被膜剥離できる薬品は存在するものの、下記の理由からオヤイデでは販売する事が出来ません。

・『毒物及び劇物取締法』の定める劇物に該当するため、オヤイデでは取り扱い/販売ができない。
・加熱するための機械設備の必要性、ロットが大量になる等の理由から、一般個人が手軽に扱える規模で流通していない。
これらを踏まえ、個人の工作~小規模の案件であれば手作業で被膜を削るのが現実的な選択肢となります。もしも「設備もあり、大量に使用する」と言った企業様で剥離剤をお探しの場合は専門業者への仲介も承りますので一度ご相談ください。

おまけ

 たまにラベルなどが紛失したり、ど忘れしたり、担当者が変わったりで手持ちのエナメル線が上記の何なのか分からなくなることもあるでしょう。
という訳で3種類を並べて撮影してみました。
AIW/PEW/UEW
画像だと分かりにくいのですが、PEWとAIWはどちらも濁ったような濃いめのオレンジ色、UEWだけが明るめの薄オレンジ色です。PEWとAIWは販売スタッフでも見た目だけでは判別しづらいため、購入時の情報は保管しておいてください。尚、オヤイデではボビン上部にラベルシールを貼っているのでそちらを見れば判別可能です。




↓お問い合わせはこちらまで↓

直売店舗 TEL:03-3253-9351 FAX:03-3253-9353

本社 TEL:03-5684-2151 FAX:03-5684-2150(24h)

 E-mail:webshop@oyaide.com 

2020年1月20日月曜日

業界最軽量のストリッパー

早いもので、2020年も始まってもう20日が過ぎました。
暖冬、暖冬と言われてますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
2020年3回目の月曜日。今週の週刊サンデンは、新作工具の紹介です。


さっそくですが、こちらの商品ご存じですか?



ワイヤーストリッパー、ご存じですか?
ケーブル剥くのに使用する便利アイテム。普段カッターや、ハサミで剥いている方も多いかと思いますけど、大変便利で一度使用したら手放せなくなるでしょう。

で、こちらのP-970。たくさんある世の中のワイヤーストリッパーと何が違うかと言いますと、

業界最軽量!


上のイラストにもありますように、従来品の半分程度の軽さになっています! 
使用できるケーブルサイズは、撚線で0.3sq~2.0sq。
単線であれば、0.65㎜~2.0㎜まで!
「でも、他のサイズに使用したい時は使えないじゃん?」
って方、おっしゃるとおりです。
そんな方にはこちら。




こちらのP-978は、撚線であればAWG24(0.22sq)~AWG16(1.38sq)まで。
単線であれば、AWG22(0.64㎜)~AWG14(1.63㎜)まで使用可能です。

もっと細いものに使用したいという方にはこちら。




撚り線であれば、AWG32(0.035sq)~AWG24(0.22sq)まで。
単線であれば、AWG30(0.25㎜)~AWG22(0.64㎜)まで使用可能です。


先端にはカッターも付いていて、またプライヤーも付いておりますので、電線の曲げや被覆の除去にも使用できます。


裏側には、スケールも付いていますので、別にスケールを用意する必要もありません!

全長が130㎜、幅が48㎜と大変コンパクトなサイズになっています。
従来品より、薄型化、小型化することで、さらなる持ちやすさを実現しています!

お求めはこちらから。

商品についてのお問い合わせは下記まで。


以上、根津でした。






2020年1月13日月曜日

意外と簡単!BNCケーブルの作り方。

こんにちは金木です!

今週の週刊サンデンはBNCケーブルです。
今回はあまり見かけないBNCケーブルの作り方を、
実際に製作しながら紹介します。



用意するもの
RG-58A/U  お好きな長さ
BNCP-58/U  2個    

BNCP-58/Uは6個のパーツに分かれています。
①シェル    
②中心コンタクト
③クランプ   
④ガスケット  
⑤ワッシャー  
⑥締付金具   

こちらがBNCP-58/Uの仕様書から抜粋した作り方です。
5工程しかありません!簡単そうですね!

では実際に制作していきます。


RG-58A/Uに締付金具、ワッシャー、ガスケットの順で通します。

8mm被覆を剥きます。

クランプを通し、シールド線をほぐします。

ほぐしたシールド線を折り返しクランプの端で切りそろえます。

絶縁体を3.5mm剥きます。

芯線に中心コンタクトをハンダ付けします。
この時ハンダが盛り上がらないこと中心コンタクトと絶縁体隙間がないよう気をつけてください。
画像は失敗して隙間が開いてしまいました。すみません。

シェルを装着し、締付金具をスパナ等で締め付けます。
シェルの矢印のへこみにもスパナが入りますのでスパナを2本用意するとより簡単です。

完成!


このように簡単に制作することができました。
絶縁体が思ったより溶けやすかったのでハンダ付けする際はお気をつけください。

オンラインショップはこちらから


以上!金木でした!

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秋葉原直営店に是非お越し下さい。

皆様のご来店をスタッフ一同お待ちしております。




営業時間:10:00~19:00

定休日 : 日曜日(年末年始)

☎ 03-3253-9351 FAX 03-3253-9353


メールでのお問い合わせは、こちらのアドレスより!


✉webshop@oyaide.com





2020年1月11日土曜日

『偽物Beldenが存在してる説』に終止符を打ちます。


『Beldenに偽物があるって本当?』
『オヤイデで売ってるベルデンは本物?』

この疑問を100%解決するべく、遂にオヤイデ電気が言及します!

偽物の情報源は?

1902年、イリノイ州シカゴでジョセフC.ベルデンによって設立され、100年以上の歴史を持つ世界を代表するケーブルメーカー”BELDEN(ベルデン)"。

一体、何故『Beldenの偽物がある』なんて話が挙がってきたのでしょうか?

下記画像の通り、「Belden 偽物」でインターネット検索を叩くと16,500件ヒットし(2020/1月現在)、某ネットショップが広めた噂だということは、一部のオーディオユーザーの間でも知られているようです。

さらに個人サイトでは『ツイストの巻方向が違う』『無いはずの印字がある』『ケーブルの色味が違う』と類似したスピーカーケーブルの写真を掲載し、しかも「オリジナルは音が良かった」という感想を述べており、実際見た目が違うケーブルを確認できてしまったので、何も知らないユーザー間では『本当に偽物があるのでは?』と疑心暗鬼になっているように思えます。

真相は?

正規輸入代理店より仕入れている商品であれば全てBELDEN社の製品であり、本物です。

主な日本の正規輸入代理店は2社。

●トモカ電気
トモカ電気 製品カタログサイト
http://www.tomoca.co.jp/


●完実電気
完実電気 公式ホームページ
https://kanjitsu.com/

また正規輸入代理店情報はウィキペディア上でも確認ができます。

もちろんオヤイデ電気は「正規輸入代理店」より仕入れを行っておりますので、弊社販売品は全て「本物」になります。

何故、外観が違う?

正規輸入代理店から仕入れたとしても、同じ型番で違う外観が納品されることは何度もあります。見た目が変わる背景には2つの理由があります。
  1. 製造工場やロットによる外観の変化
  2. 正規輸入代理店独自の商品(ケーブル)が存在する。

●製造ロットの差による外観の変化

明らかに色味が異なりますが、どちらも本物です。
こちらはスピーカーケーブルで有名な「8470」ですが、色が違いますねぇ。
実は上下で「製造工場が違う」のです。下記画像はBeldenのボビンに貼られているラベルシールで、原産国やLOT NUMBERが確認できます。

≪MADE IN MEXICO≫

≪MADE IN CHINA≫
代理店からは「Beldenは世界中に多くの工場を所有しており、代理店としては納品されたケーブルを卸しているだけなので、ロットや工場を選択することはできない」という公式回答を得られております。お客様にはこのような事情をご理解頂けますと幸いです。

技術的な話になりますが、工場出荷基準が「データシートのスペックをクリアしていること」が条件であれば、外観の変化が起きても仕方ないと言えます。
更にはデータシート上では「電気特性」と「マテリアルのサイズ指定」しかない為、実際に音質の差を生んでいる「絶縁材料のクオリティや染料の違い」「銅母体・メッキの品質の違い」について記載はなく、これが音質への影響(いわゆる本物と偽物という識別・認識)を生んでいると言えます。

逆に言えばデータシートと異なる仕様を見つけた場合、偽物または不良品であると言えるでしょう。

【 BELDENのデーターシートを確認する。 】

※私はデータシート(仕様書)が大好きなのですが、この気持ち分かる人いますか?笑
全てのケーブルの仕様書を確認し、ケーブルの構成から本質や目的を知ることができるので、本来の目的からケーブル特性を生かした流用方法まで思いを巡らせて妄想します。また仕様書のクオリティで企業の技術レベルを推測できる時もあります。これぞオタクですね。


●正規輸入代理店独自の商品(ケーブル)が存在する。


完実電気」のHPを見ると、Beldenのデータシートには存在しない型番のみ取り扱っており、これが「代理店独自の商品(ケーブル)」となります。

オヤイデ電気も在庫品している「STUDIO 718EX」は完実電気オリジナルのケーブル。

STUDIO718EXのラベル
ラベルシールを見て分かる通り「CUST PT#STUDIO 718EX」という表記があり、Beldenのカスタム品であることが分かります。ちなみに今回の在庫はMADE IN MEXICO。

他にも「STUDIO497Mk2」は9497に相当するスピーカーケーブルになるのですが、やはり仕上がりや音質は若干違います。もし「9497」をカスタム品と同じ工場で作ったら同じ音質(近い音質)になるのでしょうか?気になるところです。

何故、偽物と呼んだ?

何故”偽物”という概念が生まれたのかという点において、私の推測ですがこの「工場による品質の差」が要因であると予想しています。

過去数年間に渡って8470の「MEXICO製」「CHINA製」「U.S.A製」を都度試聴してきましたが、どれも音が違っていたからです。
※この情報を公開すると原産国の問い合わせが増え、余計な情報を与えてしまうことになりかねないのですが、これを機にお客様には正確な情報をお伝えし、偽物問題に対して認識を改めてもらった方が有益だと考え、ブログ掲載に至りました。

実際「U.S.A製8470」の音は良い音が鳴ってました。錫メッキ導体のスピーカーケーブルの中でも特段癖の無い素直な音で、\280/mであればリール買いしても良いと思わせるクオリティでした。
※ちなみに違いがあった点は被覆の硬さ、被覆の色味、導体との密着性、ツイストの具合etc...

しかし『直輸入しないと良い品質のケーブルが手に入らない』という根拠も不十分で、直輸入すれば必ず毎回同じ工場で製造したケーブルが届くのか?音質・品質が維持されるのか?という確証までには至らないと考えます。
※ケーブル屋だから分かることですが、ベルデンに限った話ではなく、同じ工場で長年製造していたとしても、ロット差だけで品質や外観が変わるケースは多々あり、過信は禁物です。

本国アメリカでは・・・

どんなに探しても偽物があるという話は一切出てきません
むしろ日本の情報を見つけた海外のユーザーが「これは何だ?!」と情報を求めている記事もチラホラ。日本語が読めないと事実確認も苦労しそうです。

検索地域の設定を「アメリカ合衆国」に設定すると、アメリカ圏の情報を調べることができます。

海外のユーザーにとっては本当に紛らわしい問題ですよね。
フォーラムの記事はこちら

結論

オヤイデ電気で販売しているBELDENは全て本物。
偽物の定義も存在しない為、入手経路から事実確認をすべし。
ただし製造工場やロットによって音が違う物もあった。


余談になりますが・・・
BELDENの高品質ツイストペアケーブル「88760」という2芯シールドケーブルがあるのですが、これはUSA製以外見たことが無いです。つまり型番に応じて製造する工場が決まっている可能性が高そうです。8470のような売れ筋製品ほど複数の製造ラインを持っており、実際このようなシチュエーションが起きる型番はごく一部であると考えられそうですね。

【 在庫しているBELDEN製品はこちらからチェック! 】


このように消費者が分からない要素が存在するのは精神衛生上不安ですよね。
そういった時は全て日本製に拘っている&品質が安定している「オヤイデ電気製品」を検討してくださいね!と自社製品をお勧めしてこのブログを締めくくりたいと思います。笑

【 ケーブル全て日本製に拘るオヤイデ電気製品はこちらからチェック! 】


以上、原田でした。

2020年1月10日金曜日

残りあと僅か!連休のお供に!!


買わない理由が見当たらない!
6,930(税込)で電源ケーブルのスタンダードを手に入れるチャンス!!!

はじめましてオヤイデ電気事務方担当(オーディオ好き)です。50代は半ばを過ぎましたが、中学生の頃からオーディオを趣味にしております。好評発売中の弊社でも取扱いございますONTOMO MOOK「音質アップを狙うなら電源環境を改善せよ!特別付録オヤイデ電気製電源ケーブル・キット 福田雅光・著」があまりに良かったので、主に音質面から私がこの商品について紹介させていただきます。

オヤイデ電気では音楽之友社さんより不定期で何度かケーブル・キットを出させていただいていますが、今回の目玉はなんと言っても、導体に102SSCを使用したオヤイデの最新ケーブルAXIS-303を搭載していること。そして、このONTOMO MOOKのためだけに新たに製作した電源プラグとインレットコネクターです。プラグ電極にはリン青銅、コネクターは真鍮を使用。このケーブルを監修された福田先生が音質にこだわった結果、敢えてのプラグとコネクター別素材での無メッキ仕様となっています。

電源ケーブルの製作はいくつかの工具さえあれば誰でも簡単に作ることができます。私はオヤイデに入るまで自作をしたことがなくケーブル製作は2度目でしたが、問題なく製作できました。自作は楽しいです。はじめての方も是非チャレンジしてみて下さい。

ケーブルが出来上がったらさっそく試聴といきたいところですが、エージングのため250時間ほど通電しました。そして、今回の試聴では音質を比較するためにAXIS-303 GXを選びました。昨年発売されたばかりのこの完成品ケーブル、ONTOMO MOOKと同じケーブル部材であるAXIS-303を使用しています(※AXIS-303 GX3芯、ONTOMO MOOKAXIS-3032芯と設計の構成は若干異なります)。金額的にも両者が近いこともあり、この比較は興味が湧くところです。

今回のプラグとインレットコネクターの無メッキ仕様に関連して私にとって忘れられないオーディオ体験があります。それはオヤイデの先輩からお借りしたケーブル:TUNAMI NIGO V2(導線:102SSC)にプラグ:AP-029(黄銅・無メッキ)、コネクター:AC-029(黄銅・無メッキ)という自作品です。このケーブルをはじめて聴いた時は衝撃でした。
その音のエネルギー感とともに自分のステレオからこんなに深い低域が出るのか、今まで自分は何を聞いてきたのかと言う驚きがありました。なので、今回の導体102SSC+プラグ/コネクター無メッキ仕様も私にとっては納得の選択であり、期待が高まります。

まずは完成品のAXIS-303 GXから試聴。福田先生が今回のONTOMO MOOKでこのケーブルについて紹介して下さっているのでそちらも是非参照して頂きたいのですが、私の第一印象は低域から高域までの帯域バランスの自然さです。低域の支えがしっかりしているためウッドベースでは指の動きがまるで見えるよう。また定位の優れたソースでは立体的は音作りの再現にも過不足がなく、ピアノトリオがまるで眼前でプレイしているような印象を受けるのは導線102SSCの本来の性質をそのまま引き出す内容になっているからだと思います。音に色づけを感じることなく質感の滑らかさも備えているので、十分にリファレンス足りうるケーブルとなっていると思います。

そして本題のONTOMO MOOKです。音の色づけを感じず、素直な性質が機材の持っている音質をそのまま引き出しているのはAXIS-303 GXと同じ印象。AXIS-303 GXと異なるのは、帯域のバランスが全体に低域寄りの音に感じる点です。またメッキがないためか、音の肌合いにもう少しだけ滑らかさが欲しいと思わせる所はあります。このあたりは好みの問題であり、ニーズと使いこなし次第で、とてもいい結果をもたらしてくれそうです。

もう少し具体的に言いますと、女性ジャズボーカルのSACD、Lady KimLeft Alone(Eighty-Eighty’s)では、ボーカルが自然で更に落ち着いた雰囲気になりとても心地いいです。このディスクの特徴である音の温かみをとてもよく伝える再生となりました。
CDのソプラノ、リート曲ではやはり癖のない素直な鳴り方がとても好ましく、ホールエコーの繊細で空間に溶けていくような表現よりも、音の芯を感じさせるすっきりした所がこのケーブルの持ち味と感じました。

また低域寄りというのも、高域が不足するという意味ではないです。試しにオペラアリアのDVD AUDIOANNA  NETREBKOsempre libera(Grammophon)を聴いてみます。最高域まで綺麗に伸びたストレートな音を聴くことができます。音の滑らかな質感やソプラノのきらびやかな雰囲気という点では、私が普段よく使っているロジウムメッキを使用したプラグ/コネクターの電源ケーブルに一歩譲りますが、合奏部の音の分離感などはONTOMO MOOKのほうが上を行っているように感じました。

今回は私が好きなジャズとクラッシックのそれもボーカル曲を中心に試聴しましたが、ポップスなどの軽音楽にもとてもよさそうです。

まとめますと、①6,930円でリファレンスに準じる音質の電源ケーブルが得られる。②自作の楽しさを味わえる。③カスタマイズにより更なる音の変化を楽しめる。です。在庫も残り僅かとなっておりますので、お早めにお求め下さい!!

最後にひとつ。巷にはオーディオ用の電源ケーブルだけでもたくさんのものが溢れています。それぞれに音の個性があり聴けば聴くほどどれを選んでいいか分からなくなるのではないでしょうか。あげく、どんどんケーブルにお金をつぎ込んでいくことにもなりかねません。仮にすごい物量を投じて最高の情報量のケーブルを手に入れたとしても自分のシステムに合うのか、自分の好みに合うのかどうかは別問題ではないかと思います。

何十万円のケーブルよりも1万円のケーブルのほうが自分に合っているという結果をもたらすということは、高級オーディオの世界でもあると思うのです。そう考えたときこのONTOMO MOOKを手元に持っておられるとよいと思うのです。

とてもベーシックでありながらオーディオ的にきちんと設計されたONTOMO MOOKはオーディオの深みに足をとられそうになったときに正気に戻させてくれる道しるべになると信じています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
                             
オヤイデ電気事務方担当

お買い求めは「オヤイデ電気オンラインショップ」で!