前回凄くニッチな内容でブログデビューさせて頂きました。
小倉です。
(前回記事:http://oyaideshop.blogspot.com/2019/02/gnd-47.html)
何人かのお客様からも案の定ニッチと言われました。
だからこそ面白いだろうと信じて続編です。
さて、前回はエフェクトボードのスイッチャーへ、新製品アースケーブルGND-47を接続し、単純なその効果、『エフェクターにおける機器間の電位差の解消』の効果を試させて頂いたところで区切らせて頂きました。
しかし、これだけだと、果たしてアース線接続さえすれば何でもいいのか、それともGND-47が良かったのか分からない、という訳で、
前回用意した中の、
こっち。
これの出番です。
これを、GND-47で接続した時と比べて音質比較していきます。
まず最初にGND-47とそれぞれの仕様をもう一度まとめてみましょう。
- GND-47(0.7m):
5N純銀1.0mm単線
+
PFA(高性能フッ素樹脂)被覆&シルク編組スリーブ
+
専用シルバーロジウムメッキY端子
+
XLPE(架橋ポリエチレン)被覆
+
こう見ると色々違いがあり過ぎるように見えますが、上記比較用、物としては弊社からEntreq社製仮想アース用ケーブルとして出ている『3398E』シリーズに近い仕様のものとなっています。しかし製品そのままでは1.8mものとなり、長さにまで大きく差が出てしまうため、長さを合わせたものを用意して頂きました。
前回、GND-47を接続した時は単純な音のブラッシュアップに繋がったような印象で、素直に好印象な結果となりました。
接続位置は前回記事を参照願います。
http://oyaideshop.blogspot.com/2019/02/gnd-47.html
接続位置は前回記事を参照願います。
http://oyaideshop.blogspot.com/2019/02/gnd-47.html
そして、比較用として意気揚々と3398アースを接続し、ミュートスイッチ解除、一音目適当にコードを鳴らしてみると…
ジャリイイイィィィン……
『エッッッッッ!!!!????』
思わず声に出してしまいました。
音の感じが全然違う。
引いている自分の個人の感じ方ではまず、GND-47接続時より音の重心が比較的高い結果に。
オーディオや、リケーブルを普段から嗜んでいる方々からしても、意外な結果なのではないかと思います。何故なら、ラインケーブルや低電圧での電源ケーブル、自作リケーブル等々においてよく言われるのが『銅線より銀線の方が高域が伸びて比較的重心が高く聴こえる』といったセオリー。
しかし、たった一音目からその法則を裏切ってくるアースケーブルの世界。
これは新たな沼の予感です…
加えて、GND-47と比べていきますと、音質のブラッシュアップというよりは、歪みの乗りがアースケーブル無しの時と比べても増した印象。間違ってゲイン触ってしまったかと疑いましたが、ツマミの位置はそのまま。もう一度GND-47に戻してから、この比較用の3398-16に戻してもやはり重心が高く、ざらつくような刺さる音になった印象。最近復活した某バンドのフレーズが似合いそうなジャリジャリ感。嘘っぽく笑う少女に捧ぐか煩い音楽に夢中なはいからさんに捧ぐか。そんな音になりました。
ここまでの結論からすると、
アースケーブルの線材でも出音は変わる結果になりました。
アースケーブルの線材でも出音は変わる結果になりました。
しかし、私の中で疑問が浮上します。
『やはり線の質が違い過ぎないだろうか???』
まず、銅線・銀線の違いは勿論ながら、
片方は単線、もう一方は撚線。
片方はPFA被覆、もう一方は架橋ポリエチレン被覆。
既製品(3398E)に似せたとはいえ、流石に差が多すぎる。
と、いう訳で。急遽実験材料追加です。
こちら。
またY端子は先程の3398の時と同じ金メッキのものです。
では線は?
102SSC 1.05mm単線+フッ素樹脂チューブ1.5mmです。
よく弊社オンラインページや店頭でお求め頂いている方は疑問に思われるかと思います。
『102SSCの単線???』
これです。
DST-75、弊社のデジタル信号用75Ω同軸ケーブルです。
こちら、導体が弊社オリジナル導体102SSCであり、芯線が1.05mmの単線になっています。
つまり、これをひん剥いたものにフッ素樹脂チューブを被せた形になります。
シェバンニ(本多副店長)が一晩(一時間)でやってくださいました。
これで、銀の単線のアースケーブルと銅の単線のアースケーブルによる比較ができます。
という訳で家に持ち帰り早速。
一度この追加アースケーブルの仕様をまとめます。
- 比較用102SSC単線アースケーブル(0.7m)
+
フッ素樹脂1.5mmチューブ
+
金メッキ1.25Y-5端子
1mmチューブでは入りきらなかったことにより若干チューブ内で空間があるような状態ではありますが、線材のみに着目すればほぼ同じ太さの単線同士で比較ができます。
まずはもう一度GND-47を繋いだ状態で試奏。
やはり繋ぐことにより音がハッキリして良いです。買って良かった。
そしてこの102SSC単線アースケーブルを接続。
すると。
………やはり重心が高い。
これで今回の実験の中ではアースケーブルは『銀の方が重心が低く、銅の方が高域に寄る』という結果がほぼ確定。不思議です。
先に3398アースケーブルと比較すると、3398の時にもあった歪みが増す感じはそのまま、今度は3398よりも滑らかに倍音が伸びていく印象。先程の3398が所謂オルタナトーン向けの様な味付けになったのに対し、こちらは爽やか系ギターロック向きのような感触です。ギターボーカルでコード弾きする場合なんかに良さそうです。
時折オーディオの議論の中で時折『撚り線は雑味が出る』と言われてしまう(音質の好みの問題であり個人差があります)事もありますが、何となく今回はそれに沿ったような結果、今回用意した中の102SSC導体の二本で比べると撚り線の方が音に粗さが出ていました。楽器の場合どちらが良いかは好みが分かれそうですね。
では問題のGND-47との比較ですが、やはりGND-47を繋いだときの方が、アース線を繋いだことによる明瞭感はありつつ、その上で音の芯が残り、しっかり低域まで出てくれる印象でした。この102SSC単線の場合では、少し低域が引っ込んでいるように感じ、ある意味扱いやすい音へと変化してくれましたが、単音のアルペジオ等々ではさらっとしすぎてしまう様に感じました。
個人的な意見、もっと言えば自分のエフェクター構成上の話ではありますが。
線材比較編、簡単に結果をまとめてみましょう。
- GND-47では単純な音質のブラッシュアップに繋がり、音が明るくなり、芯もはっきりする
- 102SSC撚線のアースケーブルでは純銀単線と比べて重心が上がり、粗く刺さる音になった
- 102SSC単線のアースケーブルでも純銀単線と比べて重心は上がり、耳触りの良い音になった
この結果、信じるか信じないかはあなた次第です。
正直自分もアースケーブルを接続すること自体でここまで変わるとは思っていなかった上、線材による変化もかなり小さいものと思っていたもののその予想以上には変化してくれました。このスイッチャーにアース用ネジ穴が付いていたのは果たしてこんな日を見越していたのでしょうか。自分も「嘘だ変わるじゃん…」くらいに予想を裏切られながら実験をしていました。
ちなみに、今回自分が行った実験では楽器単体での結果になりますが、弊社のオーディオ担当の方にもアースケーブルの線材と音の傾向について相談してみたところ、通常のオーディオでもほぼほぼ似たような結果になるとのこと。銀のアースケーブルの方が重心が低い事も仰ってました。
摩訶不思議アースワールド。
近年になって注目されてきた領域ではありますが、まだまだ研究や実験が必要なようです。
しかし、自分はその中でもやはりGND-47、推せるプロダクトに仕上がっているのではないかと思います。少なくとも自分は使い続けようと思います。
皆様も是非手に取ってみては。
如何でしたでしょうか。
ひょんな発見と思い付きで進めてみたこのニッチ過ぎるネタ、なかなか自分ではやっていて面白かったので、ぜひ皆さんもやってみて頂きたいと思います。恐らく前回の背面のマークを見て同型機を持ってらっしゃる方は解ると思いますし、そうでないスイッチャーでも是非是非試してみていただきたいです。アース用のネジ穴が無い場合で適用するアイデアなんかも編み出してみてください。そして店頭でこっそり自分に教えてください。
さて、前回を比較的たくさんの方々に閲覧していただいているようで、やはり弊社ケーブルは機材好きの方々にも選んでいただいているのだとしみじみ感じております。しかし、そんなエフェクターフリークの方々、
皆が皆スイッチャー使って組んでいるわけが無い筈、
と、思うので。
このアースケーブルエフェクターに使ってみたシリーズ、まだ終わりにはしません(予定)。
直列繋ぎ編現在実験中です。
結果をこの場で公開できるのがいつになるかまだ未定ですが、私の直列繋ぎ勢も置いてきぼりにしたくない一心で試行錯誤を続けております。
私のこの不定火曜日のブログ更新自体は関係ない記事を間に挟むかもしれませんが、いつか直列編も形にしたいと思います。ごゆるりと少しだけお待ちください。
直列繋ぎ編現在実験中です。
結果をこの場で公開できるのがいつになるかまだ未定ですが、私の直列繋ぎ勢も置いてきぼりにしたくない一心で試行錯誤を続けております。
私のこの不定火曜日のブログ更新自体は関係ない記事を間に挟むかもしれませんが、いつか直列編も形にしたいと思います。ごゆるりと少しだけお待ちください。
それではまた。
Get New WIRE for Your FUN!!!!!!!
小倉でした。
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