2024年5月20日月曜日

意外と知らない収縮チューブのこと

 こんにちは、本多です

本日のサンデンは熱収縮チューブについて

日頃お世話になっている収縮チューブ

自作ッカーの皆々様におかれましても、彼らを縮めない日は無いほどに活躍の場が多い製品ではないでしょうか。

私も彼らがいないと仕事にならないって位、日々お世話になっています。

ある日、いつものようにケーブルを作っていてふと思いました

収縮チューブって、どうやって作られるんだろう?

素材を確認してみると、スミチューブなら「電子線架橋軟質難燃性ポリオレフィン樹脂」、ニシチューブなら「エチレンプロピレンゴム」など、奇怪な漢字や横文字が並べられています。

とりあえずは樹脂とかゴムとか、そのへんで出来てる、ヨシ

そうすると製造方法も気になってきましたので調べてみたところ、直ぐに詳しい文献にたどり着きました。

住友電工の技術論文集『住友電工テクニカルレビュー 2014年1月号 No.184』に掲載されています「ナノコンポジット熱収縮チューブ」という論文記事。

こちらによると収縮チューブは押出形成されるそうなんですが、なんと最初は収縮後の状態で形成されるとなっています!

順を追うと、

①樹脂原料を押出機で押し出し形成する

②電子線を照射し架橋(高分子同士が化学結合で結ばれる化学反応のこと)する

③加熱してチューブを軟化させ、内圧を加えるなどの方法で径方向に拡大させる

④冷却して形状を固定させる

噛み砕くと、押し出して作った収縮後のチューブを内側から膨らまして収縮前のサイズに形成する、という方法で作っているとのこと。

使う時と逆なんだ!というのが素直な感想です、へー(x10万)

電子線照射の工程については東京工芸大学の教授先生が書かれている記事にわかりやすく載っていましたのでご覧ください。

【熱収縮チューブはなぜ収縮するのか(江頭教授)】

製造工程の説明も先生の方がわかりやすいです。(そりゃ当然)

個人的解釈としては、縮もうとする性質を与えたチューブを熱で無理やり広げて冷却固定し、その冷却固定が溶けるくらいの熱を改めて加えることで元のサイズに戻る、という感じでしょうか?

…つまりは形状記憶チューブってこと?、でいいんですかね先生。

文系なのできちんと理解できているかはわかりませんが(逃げ道)、すごい発想だなと感心します。

ちなみに、熱収縮チューブを開発したのはレイケムというアメリカの会社です。

現在はTE コネクティビティという会社に買収されて、ブランドの一つとして製品を作られてますね。

オヤイデ電気でもレイケム製品を取り扱っています!

・防水型 接着剤付き熱収縮チューブ

商品ページはこちらから

接着剤入りの防水型熱収縮チューブです。

縮めると中の接着剤が溶け出してチューブと内容物との隙間を埋めてくれます。

見て下さい、この接着剤の量!

中に電線を入れてるとだいたいはみ出してきます。

収縮率も4:1と高く、細径のケーブルの厚みだしや外装チューブの固定、電線の絶縁処理などに活躍してくれます。

長さは1.2m定尺、内径のサイズは4種類を在庫しています。

それぞれ、

ES1(5.72→1.27)

ES2(7.44→1.65)

ES3(10.85→2.41)

ES4(17.78→4.45)

となっています。

ESシリーズも素材を見ると、やはり「放射線架橋ポリオレフィン」となっていますね。

普段からよく使うものでも、案外詳しくは知らないってこと、多いですよね。

またふと思い立った時に調べて、紹介できればと思います。

それではまた次回、本多でした。

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