2022年4月21日木曜日

MTB-6Ⅱはどんな音がするか、ほかのタップと比べながら聴いてみた

                                                           


昨年発売になった電源タップのMTB-6Ⅱ。オーディオアクセサリー銘機賞とVGP2022部門賞を受賞し、お客様からもご好評を頂いています。

今回はこのオヤイデ電気のハイエンドモデルであるMTB-6Ⅱを私の好きなSACDを聴きながら音質についてレポートします。

MTB-6ⅡはOCB-1シリーズとは異なり電源ケーブルが付いていないタイプの電源タップになります。従って壁コンセント側と機器側につなぐ電源ケーブルを別途用意する必要があります。また、今回私はコンセントが6口のMTB-6Ⅱで試聴しましたがコンセントが4口のMTB-4Ⅱもあります。

金額やスペックについて詳しくはこちら                  

                               


                             MTB-6Ⅱ

             

                            MTB-4Ⅱ


今回の試聴方法はクラシックとジャズのSACDを使いタップの音を比較するため、他社製タップ(MTS-6Ⅱと同価格帯)→MTS-6Ⅱ→MTB-6Ⅱの順番に試聴。

            

               MTS-6Ⅱについて詳しくはこちら


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               春の祭典 久石譲(指揮)/ 東京交響楽団(EXTON) SACD Hybrid

このディスクはライブ録音とは思えない音の鮮明さで、この音質をどれだけ損なわずに再生できるかを聴きました。ここで使用した電源ケーブルはBLACK MAMBA V2をベースにした社内で試聴用にしているものを使いました。この電源ケーブルは高域の伸びが印象的で、中高域から高域を美しく聴かせてくれます。電源ケーブルVONDITA-X(ヴォンディータ・エックス)と比べるとわずかにたんぱくな印象ですが、クラシックに合いそうなのでこのケーブルを使いました。

                            

       BLACK MAMBA V2を使った社内試聴用電源ケーブル(非売品)


           

            BLACK MAMBA V2について詳しくはこちら


・MTS-6Ⅱ+BLACK MAMBA V2を使った社内試聴用電源ケーブル

他社製品と比べるとMTS-6Ⅱは透明度が増し音の見通しが良くなります。そのためホールの響きや各楽器が明瞭に聴こえ、音の動きが見えるようになります。また再生帯域が広がったことにより上下、左右への響きの伸びが感じられるため臨場感が増して聴こえます。

MTS-6Ⅱは元の音をフレッシュな音の響きとして聴かせるところに持ち味があると感じました。

                            

       MTS-6Ⅱ+BLACK MAMBA V2を使った社内試聴用電源ケーブル


・MTB-6Ⅱ+BLACK MAMBA V2を使った社内試聴用電源ケーブル

MTS-6Ⅱと比較すると、MTB-6Ⅱでは全体に重心が下がり落ち着いた印象になります。

音の背景の静寂性が増して聴こえるためMTS-6Ⅱ以上に定位感が良くなっています。このあたりはMTB-6Ⅱに使われている様々な振動対策や電磁波吸収テープ(MWA-010T)などが音質向上に寄与していると思われます。

MTB-6ⅡはMTS-6Ⅱのように響きを広げていくというよりも各楽器の音像をくっきりと提示します。冒頭のファゴットが空間に浮かび上がりホールの奥行きを感じさせる表現です。ファゴットに続く管楽器群のなめらかな質感も美しい。

強奏の部分ではMTS-6Ⅱは高域の繊細で伸びやかなところが影響してのことだと思いますが、ブラスの咆哮が強烈で緊張感を高めます。MTB-6Ⅱでは、ここでも背景が静かになることが影響してブラスの鋭さがMTS-6Ⅱよりも抑えられる分、管楽器の分離感は増して聴こえます。ティンパニーの強打は最もリアリティが高かった。

MTB-6Ⅱは自分がコンサート会場にいるような臨場感を最も感じさせる再生でした。

                           

            MTB-6Ⅱ+BLACK MAMBA V2を使った社内試聴用電源ケーブル


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試聴用電源ケーブルでは結果がいいことが分かったので、次のジャズでは電源ケーブルを変えてみます。


 “VONDITA-Xはジャズがいい”というのが私の最近の発見。

 VONDITA-Xのもつ音の密度感や立体的な描写、そして何よりも音の厚みや艶やかさはジャズのグルーブ感に生かされるはず。        

             VONDITA-Xについて詳しくはこちら



                    

           Urban Grooves  /  Joe Chambers (Eighty-eight’s)  SACD Singl Layer

 Eighty-eight’sレーベルがはじめて世に放ったこのSACDを聴いた時の感動はいまも忘れない。分厚く沈み込むベースとドラムス。それに温かみを備えた音色が魅力のピアノトリオ。

ここではVONDITA-Xを壁コンセント側とプリメインアンプ側の両方に使いました。


・MTS-6Ⅱ+VONDITA-X

結論から言うと艶やかさよりも明るさが優る感じでここでの狙いとは方向が違うと感じました。中高域から高域よりのバランスになるためシンバルが強く出てしまう。ここはもう少し抑えたい。低域の不足は感じないがもう少し音に厚みが欲しい。ここで電源ケーブルを2本ともVONDITA-XからAXIS-303GX(アクシス303ジーエックス)に替えてみました。            

                          MTS-6Ⅱ+VONDITA-X


・MTS-6Ⅱ+AXIS-303GX

私の使用している機器やラインケーブルなどとの相性もあるのでしょうが、全体の帯域バランスはこちらの方がいい。ベース、ドラムス、ピアノが均衡を保ちシンバルが出すぎることもない。このディスクの音色感の再現はもう一息のところもあるが、低域の量感に不足はないしピアノが前に出て楽しく聴かせてくれます。

           

                  MTS-6Ⅱ+AXIS-303GX


              

                AXIS-303GXについて詳しくはこちら



・MTB-6Ⅱ+VONDITA-X

音に厚みがあり艶やかさが美しくVONDITA-Xの良さが出ています。奥行きや立体感を感じさせる再現でMTB-6Ⅱを介さずに壁コンセントにVONDITA-Xを直かに差して聴いた時より定位感が上がっているように聴こえます。音の背景が静かになりそれぞれの楽器がくっきりとした輪郭を描く。

このディスクのもつ音色感もよく再現され、狙い通りの再生となりました。

            
                                    MTB-6Ⅱ+VONDITA-X

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MTB-6Ⅱを聴いた印象をまとめると

・音の背景が静かになるため定位がはっきりする。

・MTS-6Ⅱや他社製の電源タップと比較しても奥行きや立体感をより感じさせる。

・帯域バランスに優れる。

・音の輪郭をはっきり描く。

・色付けや過不足を感じさせないのでプログラムソースの特徴をよく伝える。

・全体に落ち着いた音の印象でずっと音楽を聴いていたいと思わせる。


私は昔読んだオーディオ雑誌の記事に「接点はできるだけ少ない方がいい」と書いてあったのがずっと頭にあって、自宅の電源は壁コンセントから直接とるようにしてきました。しかし、今回の試聴でその認識は変わりました。

OCB-1 STⅡやOCB-1 DXsⅡを試聴した時、やっぱり壁から直に電源をとった方がいいなと思ったりもしましたが、今回聴いたMTB-6ⅡとMTS-6Ⅱの2機種は音の次元が違う。音質をよくするためにあえてタップを使いたくなりました。自分のお気に入りの電源ケーブルが使えるし、入口と出口で様々な電源ケーブルを差し替えて音の違いを楽しむこともできます。

これから電源タップの購入を検討されている方、特に電源ケーブルを何本かお持ちの方には是非お勧めです!


最後にお知らせです。

MTB-6ⅡやMTS-6Ⅱをレンタルして自分のシステムにつないで聴くことができます。有料にはなりますが是非ご利用ください。

     買う前に試す‼   Rentio ←こちらをクリック


以上、事務方担当(オーディオ好き)でした。


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