突然ですが、電線や電子部品には「はんだ付け」が欠かせません。
電子工作で基板やケーブルの配線をするときにはんだ付けをしますが、「ショートしちゃった」「いもはんだになっちゃった」などのようにはんだ付け失敗したり、機器修理やメンテナンスなどではんだ付けを手直ししたいときが初心者でもベテランでもよくあります。そんな時「はんだの除去作業」が必要になってきます。
” はんだの修正ってなに? ”
さて今回は、はんだの修正について除去に使われるツールを合わせてご紹介します。
良いはんだ・悪いはんだ
はんだ付けが上手くできたかどうかは、実際には電流を流したりしないと分かりませんが、作業中は大まかに見た目で判断します。(基板実装例)最も良いはんだの形は「富士山型」といわれ、ランドと部品との間の部分(フィレットと呼ばれる)が富士山のように裾野が広くなっているのが理想形です。
はんだを供給しすぎて、フィレットがイモのように丸くなってしまう「イモはんだ」。ランドの加熱不足の時によく起こります。リード線にはついてますが、ランドにフィレットが広がっていません。
一方で、リード線の加熱不足は「テンプラはんだ」と呼ばれ、一見は富士山型のように見えますが、リード線にはフィレットが広がっていません。
これらはどちらも、ランドと部品の接合が甘く、接触不良などが発生します。
また「ブリッジ」は、はんだを盛りすぎて、となりのランドや部品とショートしてしまっている状態。意図しない経路で電流が流れて大変危険です。
悪いはんだになってしまう主な原因は以下の通りです。
●加熱しすぎ・加熱不足
●はんだの供給しすぎ・はんだの供給不足
●基本手順のミス
(こて当てる→はんだ供給→はんだ離す→こて離す)
●フラックスの不足
●ランドや部品の金属部分が汚れている
はんだ付けは、最初から上手な人はいません。
基本を守りひたすら経験を重ねる事で上達していきます。
また、並行して失敗しても修正できる事が上達の近道でもあります。
はんだの修正
修正したい場合や、部品を取り外したいときは、「ソルダーウィック(はんだ吸取線)」や「スッポン(はんだ吸取器)」を使って一旦除去します。
修正は「古いはんだを先に除去」が鉄則です!
どちらを使っても基本動作は同じです。
要領や作業内容に合わせて使い分けましょう。
ソルダーウィック(吸取線)を使う
ソルダーウィック(はんだ吸取線)は、フラックスをしみ込ませた銅の特殊編み線で、修正箇所と吸取線を加熱することで吸取線の編み線に「毛細管現象」ではんだを吸い取らせる補助ツールです。
修正箇所がさほど多くない時や、熱容量が十分で早く作業を終わらせることができる人に便利です。
1.ソルダーウィックの状態を確認します
線が黒く酸化していると吸取り能力が下がります。酸化部分をカットして使います。
先端に少量のはんだを残して約45°の角度でカットすると、熱の伝わりが良くなります。
2.吸取線とハンダゴテを接合部分に当てます
吸取線の線幅が、除去したい『ハンダ』より一回り大きい物を選びましょう。
3.吸取線に古いハンダをなじませます
できるだけコテ先の接地面積が多くなるように寝かせて当てます。
より多くの熱が伝わるようになります。
4.ハンダゴテと吸取線を同時に離します
同時でないと、吸取線が固着してしまいます。
5.新しいハンダで、再度ハンダ付けします
修正完了です。使用した吸取線は切断して破棄します。
スッポン(吸取器)を使う
作業量が多い量産品を手直ししたり、狭小な箇所の作業に便利です。
1.吸取器のシャフトを押し込みます
吸取る度にシャフトをセットします。
2.はんだを溶解させ、一気に吸い込みます
吸取り箇所にはんだごてを当て、はんだが溶解したところで吸取り器のボタンを押します。
3.新しいハンダで、再度ハンダ付けします
修正完了です。吸取ったはんだかすは内部に溜まりますので捨ててください。
いかがでしたか?
はんだ付けは非常に奥が深く「はんだ付け検定」という立派な資格もあるほど、現代にも重要な技術です。
修正・除去作業もその一つ大切な技術で、初心者・ベテラン問わずにはんだ付けが上達する過程にも重要な役割です。
ご不明点はもちろん、”はんだしやすい方法”や”はんだ付けしやすい工具”などもありますのでお気軽にお問い合わせください。
以上、ウノツでした。
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秋葉原直営店に是非お越し下さい。
皆様のご来店をスタッフ一同お待ちしております。
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