2024年6月22日~23日に開催されたOTOTEN2024にて「パルシャット®使いこなしセミナー」というセミナーを開催しました。こちらの講義内容が大変ご好評いただきましたので、今回はセミナー内容をブログ用に噛み砕いて「ノイズ抑制材の使いこなしブログ」として記しておきたいと思います。
パルシャット®使いこなしセミナー
会場は満席+立ち見で大盛況! 他セミナーに比べてお客様のメモ率が非常に多かったように見えました。 |
【セミナー概要】
電磁波抑制材活用のポイント
最も重要なポイントはたった3つです。
· 電磁波抑制材は「ノイズ発生源との距離」に応じて効果が増減します。主にノイズ発生源となり得る接点や導電体に近い場所へ貼り付けて使用されることを推奨します。
· 電磁波抑制材は「ノイズ抑制材の使用量」に応じて抑制効果が変化します。しかしパルシャット®の場合、抑制できるノイズが存在しないケースではほとんど変化が起きません。
· 推奨する使用箇所以外でもノイズ抑制効果は期待できます。固定観念に囚われず、様々な音響機器でお試しください。
●ノイズ発生源との距離
●ノイズ抑制材の使用量
●推奨する使用箇所以外でもノイズ抑制効果は期待できます
【電源ケーブルの場合】 電源ケーブルに対するノイズ抑制効果は音質への影響も大きい傾向にあります。 コネクタ付近に巻くことで効果は最大化されますが、敢えて少し離れた場所に巻き、巻き数によってバランスを調整しています。 電源系はノイズ抑制の効果が高い傾向にあり、音質的なデメリットに繋がることが少ないです。 色々な改善方法がある中で、改善した結果を踏まえてチューニングすることが大事です。 |
NRFシリーズ(パルシャット®)の活用ポイント
· パルシャット®は非磁性・高い絶縁性を有しているため、原音となる波形に対してパルシャット®自体が働きかけることはありません。
· パルシャット®は不織布マスクが「飛沫や微粒子」を繊維でキャッチするように、パルシャット®内の不織布層にノイズがキャッチされ、その後パルシャット®表面に施された特殊金属加工された極細繊維層を通過する過程で抵抗損失が発生し、ノイズが熱変換されることで抑制効果を発揮します。(「アルミ材」も非磁性体ノイズ遮蔽用金属として有用ですが、導電性を有しているため音質に影響を与える可能性があります。)
· 原音となる波形に対してパルシャット®自体が働きかけることがない反面、本来のシールド性能や設計では落とせなかったノイズも抑制できるようになるため、ノイズが「音質的個性」を担っていた事実に気付かされるケースも散見されます。(抑制しすぎると理想の音から遠ざかった。むしろノイズ抑制しない方が好きな音だった等)
そのような時はパルシャット®の使用量や巻き付ける位置を調整することで音質の最適化を図ることが可能です。
· NRFシリーズの期待できる効果は「音の滲みが解消」「空間の余韻が聴き取りやすくなる」「定位感が改善し、各楽器の存在感が増す」「音の分離感が改善」etc
https://oyaideshop.blogspot.com/2020/04/pulshut.html |
MWAシリーズ(センダスト合金系扁平(へんぺい)金属粉)の活用ポイント
· MWAシリーズは音響用に最適化された電磁波吸収材で、高い磁性損失特性を有しています。
金属粉自体は導電性を有していますが、表面は酸化被膜コーティングをしているため、絶縁性を確保しています。
· MWAシリーズはフェライトコアのような性質に近い作用をもたらします。つまりセンダスト合金系扁平金属粉の持つ磁気損失によりコモンモードノイズや輻射ノイズを抑制します。
· MWAシリーズは磁性損失に優れているため、磁界が発生しやすい接点付近や電源路などにオススメ。しかし磁性を有しているので使い過ぎは厳禁です。
· MWAシリーズの期待できる効果は、電源系に使用した場合「音の密度が濃くなる」「音の実音感が強くなる」「音像がまとまる傾向になる」「エネルギッシュで押し出し感を強調する」etc
電磁波吸収コンセントキャップ MWA-EC https://shop.oyaide.com/mwa-ec.html |
電磁波吸収RCAキャップ MWA-RC https://shop.oyaide.com/products/p-4970.html |
https://oyaideshop.blogspot.com/2018/11/blog-post_27.html |
NRFシリーズとMWAシリーズの違い
|
NRFシリーズ |
MWAシリーズ |
ノイズ抑制材 |
パルシャット® (高機能不織布に特殊表面加工) |
センダスト合金系扁平金属粉 |
抑制材の磁性 |
非磁性体 |
磁性体 |
磁界抑制効果 |
△ |
〇 |
電界抑制効果 |
〇 |
〇 |
メカニズム |
抵抗損失を熱変換 ※磁性損ではない。 |
磁気損失を熱変換 |
体積抵抗値 |
≧1.0 x 10^12(Ω・cm) ※高い絶縁性を持つ。 |
5 x
106(Ω・cm) ※抑制材は導電性を有する。 |
厚さ |
0.05mm |
0.1mm/0.3mm/1.0mm |
密度 |
0.8g/cm3 |
69.3g/cm3 |
原音への影響 |
使用量に関係なくほとんど変化しない |
使用量が増えることで変化する |
ノイズへの影響 |
使用量に応じて抑制効果が高まる |
使用量に応じて抑制効果が高まる。 |
「絶縁性を持った非磁性体ノイズ抑制材」という特徴が、従来のノイズ抑制材との大きな違いですね。
電磁波吸収材バトル、勃発!【NRF-005T】VS【MWA-010T】どっちが優れてる? https://oyaideshop.blogspot.com/2022/10/nrf-005tvsmwa-010t.html |
推奨使用箇所
NRFシリーズ |
MWAシリーズ |
スピーカーケーブル |
電源ケーブル |
ラインケーブル (RCA/XLR/TRS/TS) |
電源プラグ・コネクタ |
デジタルケーブル (USB/BNC/SPDIF) |
電源タップ |
LANケーブル・LANハブ端子周辺 |
壁コンセント |
HDMIケーブル |
コンセントプレート |
ヘッドシェル・カートリッジ周辺 |
IECインレット |
スピーカーや音響機器の接続端子付近 |
ブレーカー・トランス周辺 |
オーディオインターフェース |
ギター/ベースアンプ |
クロックジェネレーターの端子付近や発振器 |
パワーサプライ |
(磁性を嫌う)半導体や基板上の電子回路 |
半導体や基板上の電子回路 |
NRF-005Tのよくある質問コーナー https://oyaideshop.blogspot.com/2022/11/nrf-005t20221116.html |
【番外編】
【裏技?!】NRF-005Tでギターが弾きやすくなるって、ホント? https://oyaideshop.blogspot.com/2023/02/nrf-005t.html エレキギターにNRF-005Tを使ったら意外な結果に?! ギタリスト/ベーシスト必見のパルシャット活用方法も是非お試しください。 |
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